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議会中継
  


 第4回委員会 (5月29日)
出席委員 徳増千尋委員長,岡野孝男副委員長,金子悦郎委員,嶋田佐登子委員,小松美代子委員,金井一憲委員
市執行部 【企画部】
企画部長(田口賢寿),企画部次長(藏本宏一),企画部次長(細井恒雄),企画課長(佐藤敏明)
議会事務局 庶務調査課係長(神谷一美)


徳増委員長)ただいまから,総務企画委員会を開会いたします。
 前回の委員会におきまして,次回の委員会は6月定例会中の委員会としたところでございますが,去る5月14日にかしてつ跡地バス専用道化検討委員会の2回目の会議が開かれ,その内容が新聞に公表されました。鹿島鉄道軌道敷跡の活用については,当委員会の継続調査案件でございますので,このかしてつ跡地バス専用道化検討委員会での検討内容等について調査のため,本日,定例会前でございますが,委員会を開催するものでございます。
 本日の議題は,鹿島鉄道軌道敷跡の活用についてでございます。
 次に,案件説明のために,委員長において説明員として出席を求めた者の職氏名は,企画部長田口君,企画部次長藏本君,企画部次長細井君,企画課長佐藤君,以上でございます。
 それでは,これより議事に入ります。
 本件について,執行部から説明願います。
 なお,発言の際は,挙手をお願いいたします。

企画課長)それでは,お配りした資料に基づきましてご説明申しあげます。
 お配りいたしました資料は,委員長からお話のあった委員会での資料とまったく同じものでございます。一番初めのページに全体の目次がでております。1番から6番まで,まとめまででておりますが,全体のまとめのところをちょっとお開きいただきたいと思います。22ページでございます。ページが右下にでておりますが,両面コピーですのでご覧いただきたいと思います。まとめを説明してから全体の流れを振り返って説明させていただきます。
 まとめ。鹿島鉄道跡地バス専用道化事業に関する検討のうち,優先的に検討を進めている項目についての途中結果と課題は下記のとおりである。
 「需要と事業効果の把握について」,「バスの運行状況について」バス専用道の整備により,上り線は日中9時から19時,下り線は朝夕の通勤通学時間を中心に定時性,速達性の向上が期待できる。これは,BRTの導入によってということでございます。バスの遅れは,上り線で国道355号から国道6号の交差点部分の通過,下り線は乗降にかかる時間及び道路の交通量増加による影響により発生していると考えられる。
 「アンケート調査結果について」利用意向は,交通弱者である10代及び高齢者になるほど多くなる傾向にある。時刻が合えばなどの条件があえば,利用意向は80パーセント以上である。これはアンケートにお答えいただいている方の80パーセントという意味でございます。回答者は,石岡南台,東田中,常陸小川の順で,更に高齢者ほど多い。改善の要望は,時刻どおりの運行,運行本数,JRとの接続を望む意見が多い。次に始発,最終時刻の見直しが続く。時刻どおりの運行は,石岡に近づくと割合が多くなる。
 アンケートの自由意見でございます。多くは整備に肯定的な意見が多い。渋滞により遅れることがなくなることが望ましいとの意見が多い。バスが停留所で止まるとバスの後ろで渋滞がおこる。学生等を送迎する親が増えたために駅や学校周辺が渋滞しはじめた。バス利用者は一部だから税金の無駄。国道355号は,自転車で走るには環境が悪いので自転車道がよいという意見もあった。
 需要予測をいたしましたがその結果でございます。高校生アンケート,沿線住民アンケート,バス利用者アンケートの結果を用いて予測した結果,1日当たり1,600人の需要が見込める。
 「費用対効果分析の結果」公共事業者,バス利用者,国道355号の利用者の便益と費用の割合からB/C=2.0とありますが,これは2.3でございます。後ほどまた説明いたしますけれども,1.0以上は費用対効果があるということにされてございますが,これは2以上でございました。
 次に交差点処理方法の検討でございます。信号の設置や交差点の改良等については,交通量やその他一般道側の影響を考慮して決定する。石岡駅側の出入部のルートは,メリット,デメリットを把握して総合的に決定する。これは,石岡一高下の踏切から石岡駅にアタックするルートをどう考えるかということでございます。石岡市及び小美玉市境部の交差点や国道355号との並行区間は,交通量も多く,国道355号とも近接していることから,より詳細な検討が必要である。具体的には,運動公園の付近の交差点から小美玉市のBGですね。海洋センター付近まではかなり近接しておりますので,その区間を言っているものでございます。
 次に,誤進入防止策は自動車の交通だけでなく,バイク,自転車及び歩行者についての安全性も考慮して決定する。
 その他の検討について。路盤工事,バス停設置,総合的な交通戦略等については,今回の考え方を踏まえ,次回委員会で諮る。これがまとめでございます。
 それでは,一番初めにお戻りいただきたいと思います。1ページ目をめくりますと全体のフローが載ってございます。この中でご覧いただきまして,一番左側が総合的な交通戦略の策定ということが縦書きででております。この意味合いが非常に重要でございまして,BRTのみを検討するのではなくて,全体の交通体系の中でBRTをどう捉えるのかということ。そういったことをまとめると同時に,交通戦略と言っておりますが,こういう整理をしませんと,後日,国の補助金等を頂くときに,頂けない。一定の整理が必要だということから今回入れているものでございます。
 真ん中の大きな枠で示されているのが全体の整備の検討の考え方でございまして,4つの柱がございます。一番左の需要と事業効果の把握については,アンケート調査,バス運行状況,需要予測,定量的・定性的費用対効果分析。この部分が太枠であって,尚且つハッチがかかっておりますが,このハッチがかかっているのは,この委員会までに作業をしたという意味でございます。同様に2つ脇の交差点処理方法についても,交通量調査,代表交差点の選定,交差点の検討,これは交通規制と誤進入防止の検討でございますが,この3点については,一応検討したということでございます。その後に交差点の設計と交差点処理基本計画の策定が入ってまいります。その2つに挟まれた部分が整備方針策定でございますけれども,バス停,ターミナル,こういったものについてどのようにしていくか。道路概略設計を行った後に代表断面の設計,橋梁部・狭隘部の調査,概算整備費を算定して,バス路線周辺関連整備を検討するということでございます。
 なお,今回はこの概算設計の内訳がまだ手付かずでございまして,従来の一般質問でお答え申し上げました6,7億円程度という中の6億円を想定して一応の費用対効果を計算しているものでございます。枠組みの一番右側でございますが,運営方針策定と利用促進施策でございますが,バスを走らせる場合の,例えばバスの運行間隔。これは時間帯によって違うわけでございますが,そういったものを検討すると同時に,是非ともご利用いただきたいということでいろいろな働きかけをしていく。これらはこちらに書いてありますモビリティ・マネジメントという言い方でございますが,利用促進施策としてそういったプログラムを作成していくと。それから同時にバスの運営のスキーム。例えば朝夕は10分間隔でどうだったとか,いろいろこういったことがでてきますので,こういったことについてどのように具体的にバスを運行し,誰がどのように責任を持っていくのかという検討をするものでございます。
 一番右側が委員会の開催予定でございますが,上から2つ目が今回検討したものでございます。
 なお,今後6月中旬,7月上旬と3回,4回と予定されておりますが,ややスケジュールが遅れる予定でございます。まだ次回の委員会の日程は,不明でございます。
 その次のページから具体的なものがあるんですが,なるべく要点のみご説明いたしますが,今回の調査そのものが今後の詳細な検討のたたき台ということであって,これで全部詰まったということではございません。交通量調査とか,アンケートとか所要の調査そのものは,きちんとやったわけでございますが,それを分析し,どのように評価をするかということについては,当日の委員長からも十分今後精査するということでコメントがありまして,事実,内容的にもまだ精度を要する場面がございますので,そういったことをお含みいただきまして,以下の説明をお聞き取りいただければ大変ありがたいと思っております。
 3ページの鹿島鉄道代替バスの運行状況でございますが,上の地図,大変細かくて恐縮ですが,これは石岡駅から常陸小川駅の間ということでございます。その間に限って,バスの運行状況を,バスに機械を載せまして,右下に写真が出ておりますが,GPSデータロガーということで,これをペタッと運転席の脇に載せて,そしてGPSで時間と位置を記録して,それを後ほど,次のページ以降で分析をするというようなことでございます。左の表は,小川,玉造,鉾田とありますが,ダイヤの中の色がついているところだけを視ましたということで表示がされているものでございます。
 次のページをお開きいただきたいと思います。大変今回で客観的で興味深い解析結果が出たところでございます。まず,2.鹿島鉄道代替バスの運行状況について,(1)小川駅から石岡駅,上りの運行状況でございます。この調査期間は,3月5日から3月16日までの12日間で行ったものでございますが,それを累計したものでございます。左側が時間ごとの遅れをプロットしたものでございます。ご覧いただきますとおり,これはデータが水色の部分が最大値でございます。赤のポイントの所が正方形のピンクといいますか,これが平均値でございます。最大値でご覧いただきますと9時過ぎから12時ぐらいで最大10分程度の遅れが連続して発生しております。また夕方付近,16時付近でもピークがきております。意外であったのは,朝の7時から9時は7分程度の遅れでございます。これが若干意外でございました。その表の下にでておりますが,早朝,夜は定刻どおり運行されている。日中,最大10分,平均5分程度の遅れが見られる。朝の通勤時間帯は比較的遅れが少ない。比較的というのは非常に曖昧な表現でございますが,思ったほどは遅れていないなということでございます。
 次に,右側でございます。これは,一番左側が小川駅,一番右側が石岡駅でございます。そして右側の軸に旅行速度ということで,いわゆる車の速度ですね。これがでております。左側が旅行時間ですが,小川から石岡方面でございますので,小川からずっと石岡に向かって青い線が出ておりますのは,累計時間でございます。従ってこれは,左側の軸を見ていただく,旅行時間を見ていただくんですが,分かりやすいのは旅行時間,折れ線みたいにでておりますが,小川からでているのが非常に速度が速いです。それがずっと右側によってきますと,東石岡三丁目,これは南台との交差点付近。あの付近からがたっとスピードが落ちまして,石岡中学校から国府一丁目とでておりますが,これは6号国道の石岡駅に入る辺りですね。この区間がなんと平均速度6キロ程度。一生懸命歩くと追いついちゃう速度ということで,確かに国道6号と355号のぶつかる前後が非常にスピードが遅いというのが明らかでございます。
 次のページは,同様に石岡駅発で常陸小川に向かっているものについて見ますと,遅れが特に発生しておりますのが,8時ごろでございます。商業高校に行く生徒の皆さん大変この時間帯困るかなと思いますが,あとは夕刻18時から19時の間が同様に遅れが発生しております。まとめを見ていただきますと,朝の表のグラフの下ですね。朝の通勤時間帯は,石岡駅から沿線の高校や事業所へ通う通学または通勤する客が集中し,乗降に時間がかかると思われる遅れが生じている。日中は平均1,2分程度の遅れで,最大で4,5分。早朝,夜はほぼ定刻どおりということでございます。そして右側をご覧いただきますと,石岡発でスピードは,ブルーの線ですが,さほど遅れていないというのが見られるわけでございます。
 次に,アンケート調査が6ページにでております。アンケート調査は,いくつかやったわけでございますが,まず沿線の市民のアンケートの結果でございます。概要がご覧のとおり詳細に示されておりますので,後ほどご覧いただきたいのですが,特に確認をしたいのは,調査対象は石岡市だけでなく小美玉市も含まれております。上から枠内の5行目。調査対象,石岡市2,872票,小美玉市2,302票で合計5,174票で配布をいたしました。回収は503票でございます。右側に回答者の属性がでております。それからその下には,自由回答で先程のまとめにもでておりましたが,概ね賛成の方が多く,定時性,速達性をご希望なさってる方が多いと。反対も批判的な意見も一部ございますということでございます。
 次に,7ページでございますけれども,これは回答者の属性を基に2つの棒グラフがでておりますけれども,一番上が各駅ごとに,この駅は利用したいかどうかということで聞いたわけでございます。右側は,その回答者の累計がでております。左側は,100パーセントの中の内訳ですが,右側を見ますと南台に関しての回答者数が非常に多いわけでござます。同様に最寄りの駅からの距離別にみて,利用したい,したくないというのが同様にでております。それから年代別もでております。右側の円グラフは,大きな円グラフが利用したいか,したくないかということで,水色の45パーセントの方が利用したい,それからあずき色といいますか,赤といいますか,条件によっては利用したい39パーセント。矢印で内訳がありまして,バス停が近ければ,運賃が安ければ,時間が合えば,自分の使いたい時間に合えばというような,こういった条件の内訳がでております。利用したくない内訳もでております。大方は車のほうが便利だというご意見でございます。
 次のページでございます。これは何かといいますと,バスを実際に利用なさってる方に対するアンケート調査でございます。バスの車内に調査票を掲示し,回答していただいたもので,調査期間が3月10日から18日でございます。216票の回答をいただいたものでございます。下の棒グラフは,上が利用目的別の改善要望,下が居住地域別の改善要望でございました。全体で言えることは,時刻どおりの運行,それから運行本数ということを非常に希望なさってる方が多いということが読み取れます。一番下にまとめがでておりますので,朗読いたしますと,時刻どおりの運行,運行本数,JRとの接続を望む意見が多い。次の意見としては始発・最終時刻の見直しが続く。それから学生,通学以外は運賃に対する意見は,比較的少ない。逆に言うと学生さんは,運賃を気にするということでございます。時刻どおりの運行の要望は,石岡市で最も多く,石岡市から離れるに従って低くなっている。これはJRとの乗り継ぎを意識したご回答でございます。
 次の9ぺージでございますが,これが今回の報告の一番重要なところでございますので,少し詳しく説明申し上げます。アンケートを数種類やりまして,以前に,平成19年の秋に各高校に対して,生徒さんに対するアンケートを行いました。4,130人に対して行ったものです。そのうちですね。これは石岡一高,二高,商業及び小川高校の4校で集計したものでございますが,代替バスの利用生徒数が,実際に利用している方が現在107人いらっしゃいます。で廃止前かしてつを利用していて,廃止後は代替バス以外の方が58人ということでございます。この方は,かしてつを利用していたがやめてしまったという方なので,潜在的に需要が希望できるということで,これを変動需要という言い方をしておりますが,合計で165名の方を最大需要として見込めるのではないかという考え方でございます。
 真ん中の沿線住民アンケート。先程見ていただいたものですけれども,世帯の回答者数でみますと503票でございます。調査票は,国勢調査と同じように1世帯で何人かが回答できるようになっておりまして,その実際の回答者数が1,183人でございました。その内訳を見ますと,利用したい方,先程大きな円グラフで45パーセントといっておりましたが,491人いらっしゃいまして,条件付きで利用したいという方が424人でございます。合計915人でございました。
 次に,右のところをご覧いただきたいんですが,代替バス利用者アンケート1,200票を配りまして,210人の方から調査をいただいて,この方に具体的にどのような目的でどのようにバスを利用していますかという,いわゆるトリップと言うそうですが,トリップ調査を行いました。出勤・仕事,通院とか,いろいろ区分がございまして,実際の通勤・仕事では,ならしていくと1人当たり1日で0.82回の乗車が期待できると,通院も同様に0.34,1日当たり期待できるという分析を加えております。これを真ん中の,先程の利用したい,条件付きで利用したい,これらの方々に用途別に掛け合わせてだしたものが303人,利用したい方はコアな需要ということで,中核的な利用者ということで累計しますと,実際1日当たりは303人であろうと。それから条件によっては利用したい人は,252人であろうと。最大は555人ですねという計算をしたものでございます。
 そして右側にまたお戻りいただきたいんですが,下から2つ目のマスを見ていただきたいんですが,石岡・小川間利用者の内訳,沿線住民が65パーセント,沿線外住民が35パーセントでございました。この利用したい,条件付きで云々という同様の区分いたしまして,この65パーセントと35パーセントに振り分けをして計算いたしますと,コアな需要が163人,変動需要が136人,合計最大需要が299人ということでございます。これらを集計いたしましたのが,その左下の表でございます。かしてつ跡地バス専用道を走るバスの需要予測結果でございます。これは今の数字は,片道でございますから,行って帰ってということでそれぞれ2倍しております。沿線住民,沿線外住民,沿線高校生,合計ということででておりますが,コアな需要が1,146人,条件によっては利用するが892人,合計MAXで2,038人の方の乗車が期待できるんではないかということでございます。これらを受けまして,1日当たりの需要量は,1,146人から2,038人の間と予測されますということで,そして実際の需要量は,その最大と最小の中間1,592人プラスマイナス446人というふうになるわけでございます。まとめですが,アンケートの調査結果を用いて予測した。そして1日1,600人程度の需要が期待できるのではないかということでまとめがでてきております。
 これを基に費用対効果が次の10ページででております。大変これも分かりにくくて恐縮でございますが,表が上にございまして,表のすぐ下に矢印がございます。矢印の右側に書いてございますが,費用対便益分析マニュアル(平成15年8月国交省)鉄道プロジェクト評価マニュアル等により計算をしたということでございます。適当にやったのではなくて,こういった一定の手順に従って費用対効果を計算したということが書かれてございます。この上の表なんですけれども一番上に便益の考え方,費用の考え方などがでておりますが,一応その計算の区分が左の枠でございます。まずバス事業者,バス利用者,一般交通,行政体とそれぞれの分野でプラスマイナスがどのようになるかというのが詳しく分析をするということでございます。
 その結果が下にでておりますけれども,左側が費用の項目分類,右上が当事者といいますか,関係者の区分がでております。
 まず初期投資でございますけれども,行政体が3千万円とでておりますが,これは毎年3千万円ということで,先程冒頭6億円で想定と申し上げましたが,20年間のスパンで考えまして,その間で6億円を20年で割り返して3千万円とでておるわけです。
 次に,投資と維持管理費。これは起債の償還なども含めて656万7千円です。
 それから運賃収入でございますが,バス事業者はマイナス3,205万1千円ですが,これは運賃収入が支出ではなくて,収入になるわけでございます。同額がバス利用者が支出をする。プラマイ0。
 次に,営業費用ということで,バス事業者は1,983万4千円の運行に要する経費が発生するという評価でございます。
 時間費用ですが,これはバスを利用することによってバスの利用者は8,480万円の損失があります。しかし国道355号の一般交通は渋滞が緩和されるものとして1億4,898万円の損失がなくなるということでございます。トータルでは6,418万円の社会的便益があると,金額に換算した便益があるということでございます。
 走行費用に関して同様の計算をしますと4,004万2千円の便益がある。
 合計がご覧のとおり4,782万1千円の利益が上がるということでございます。費用対便益を考える場合には,行政側の目で今回見ます。税金を支出するという観点から見ますので,先程の行政体の初期費用と投資・維持管理費に係る経費3,656万7千円。これが費用であると。でその他の便益が8,438万8千円なので,これを割って2.31という便益比がでるものでございます。従って先程のまとめのところで2.0というのは,2.31が正しいということでございます。
 その他右側に数字以外にでておりますのが,交通弱者の移動手段の確保,沿線生徒の進学先の選択肢の拡大など,さまざまな効果が期待できるというまとめでございます。
 次に,11ページでございますが,交通量調査をこのようにやりましたということで,以下は簡単にご説明申し上げます。
 モバイルトラカンというようにでておりますが,右側に写真がでておりまして,三角コーンの上であるとか,ガードレールの上であるとかに四角いものがでておりますが,このなかで自動計測をする。センサーでもって車が通る通らないというのを自動的にカウントする機器でございます。図の中で緑,青,赤ということで調査をしている場所が示されてございます。
 次のページでございますが,交差点で具体的に鹿島鉄道の軌道敷で交差点と交わっているところで交通量調査をこのようにやったというものでございます。13ページの一番下に性格的な分類がでておりまして,まず@,これは石岡一高の下の踏切のところでございます。バス専用道の起点側として,専用道と一般道の接続部としての検討が必要である。それからG,Hでございますが,これは運動公園のところでございます。交通量も1万台近くあり,GとH及び国道355号と近接している等,条件が厳しい箇所。IからO,これは小美玉地内であります。国道355号と近接しているなどの状況でございます。そういうことで条件が整理されております。
 そして14ページは,一般的な交差点規制をどうするかということでございます。パターンが@からDまでございますが,横の流れがバス専用道路,縦の太いほうが一般道というイメージです。これが今後具体的に県警との協議が入ってくるわけですが,バス専用道のほうに「止まれ」を入れるか,それともAのほうで一般道に「止まれ」を入れるか,信号を両方に設置するか,両方とも一旦停止にするか,Dの選択肢としてそれらはなしで,ハンブというのがあるんですが,これは南台なんかにあるんですが,舗装がモッコリと盛り上がって走りづらくするという意味です。それを一般道路側に入れたらどうかということでございます。必要な検討事項がその下に示されてございます。
 15ページでございますが,これは石岡一高下の踏切からどのように石岡駅にアタックしていくかということで,3つの案が示されております。第1案がステーションパークの方に行くものでございます。すなわち小川から来て,踏切で左折をし,JR常磐線を横断して,駅前通りに抜けてステーションパークに入るものでございます。第2案は,直進をして誇線橋の下まで行くもの。第2案の変換として途中で右側に折れまして東口のロータリー付近に入れるもの。それから第3案は,踏切から右折をしまして,市営駐車場の所を左折して,通常の車両と同じようにロータリーに入る。この3つの案を示したものでございます。
 次の,16ページは,交差点処理なんですが,これは軌道敷から見てどうなんだということで,特に信号設置について検討を加えているものでございます。16ページは,G,H運動公園付近の所はどのようにしたらいいかというものでございます。
 17ページは,HからOの近接信号について,どのように処理したらいいのかというパターンを示しております。
 18ページでございますが,これは車も含めて,いろいろな誤進入をどのように防止したらいいかということで,全国的な例を取り上げて示したものでございます。このなかで分かりにくいのは,Bの右左折防止柵でございますが,写真をよく見ていただきますと,こちらから行くと交差する手前の右側左側の境のところに柵があります。この柵をきっちり角までやると隅切りがなくなって,右左折して入ろうと思っても狭くて入れないというものでございます。それから一番右側,これは見てすぐ分かると思うんですけども,丸い太いものを上げ下げしてそれに鎖をつければ,これは軽車両も入れないのではないか,バイクなどはちょっと無理かなということでございます。
 それから19ページは,全般的な整備の考え方,断面を示しているものでございます。一番左側が盛土部分をどのようにやるかということですが,有効幅員4メートルを確保するということが基本でございます。路肩などを入れますと5.5メート程度必要で,そこにも書いてありますが,現実の現場では,法肩が痩せていると書いてありますが,要するに法面を上まで上がってきて,軌道面との接合部が長い間で多少丸みを帯びているという意味でございます。これらの対策をする必要がある。それから切土部につきましては,同様な有効断面を確保するということで,排水対策も必要ですということでございます。それから山王川橋梁の考え方ですけれども,ご覧のとおりの写真の状況になっております。現況のところ恐縮ですが,1点目の上部工。上部工というのは,直接,橋として見える部分ですね。幅員が狭く再利用が「付加」と書いてありますが,これは不可能の「不可」の誤りでございます。大変申し訳ございません。下部工ですが,古いので検討が必要かなということで,以前の委員会ではそのまま利用できるのではないかということでしたが,見直しをする必要もでてきたということでございます。
 それから20ページでございますが,私どもニュースで見ますと新しい車両が走っていると,なんとなく格好優先かなという思いも私のつたない人生経験でそういう感想もあったんですが,そうではなくて新しいものを造るときには,立派な乗ってみたいというような車両を導入することも大変重要であるという先生のアドバイスもございました。そして,こういう事例があるという紹介でございます。
 21ページは,詳細説明,一番最初にお話しました総合的な交通戦略の策定という考え方でございますが,今回に関しましては,特にBRTを機軸とした交通戦略ということで私ども考えております。大変長くなって恐縮ですが,あとは参考資料でございますので,本体部分の説明だけさせていただきました。以上でございます。

徳増委員長)詳細にわたりありがとうございました。以上で説明は終わりました。
 ただいまの説明について,質問等がありましたらお願いいたします。

金井委員)今,細かく説明していただいたんですが,一緒にいただいた資料,新聞の記事なんですけれども,そういったなかでいくつか今後の課題が各社書いてあるんですけども,まずいろんな数値がでてきたんですけれども,その数値に対する評価が分かれているというような意見があるんですけれども,その辺の考え方はどのようにお考えになっているかお聞かせください。

企画課長)それは先程の費用対効果の前提となる利用人数の算定,9ページでございます。9ページをご覧になっていただきますと,下の表がございまして,1,146人がコアな需要,この方は利用していただけるんじゃないかということで,それに892人の変動需要を全部見込まないで,半分ぐらい見込んで1,600人かなということで判断をしたわけです。しかし,その条件によってはというのは,委員長の石田先生とそれから学識経験者的に先生の配下で研究なさっている先生,両方同じ意見仰ってましたが,条件付きというのを半分も見込んでどうなんだろうと。ちょっと危険だなということで,もうちょっと辛く見たらどうかということでございます。これは,今回大変短い期間で組み上げたものなので,今後とも委員会で継続的に,出発点がここでございますので,利用者が何人かというのは非常に重要なので,ここは特によく検討してくれということで具体的に指示が出ました。そういった内容でございます。

金井委員)もし具体的な数字がわかかれば,コアな需要の部分で,例えばこれを1,146人にした場合に,便益今は8,438万円,年間ですか。それがどれぐらい変わるかというのはわかりますか。

企画課長)それが直接的に影響いたしますのは,営業費用でございます。つまり10ページの左下に表がございますが,営業費用というのがありまして,1,983万円ですが,これは高密度運行で試算をしているはずです。利用者が減ると高密度運行して,運行経費が増えますので,高くなってますので,合わない。そうすると事業者側として呑めない。非常にこれシビアな話でして,ですから利用者数は交通事業者も納得できる内容で,これで試算してみようということになるわけでございまして,まだこの委員会で結論はでない。もう一度良く考えてみようということでございます。

金井委員)それから9ページの中で,仮定として,アンケート調査なんですけれども9.7パーセントということなんですけれども,利用意思がある人は全員が回答した。回答していない人は全て利用意思のない人ということで,仮定の内容が書いてあるんですけれども,その回答率の9.7パーセントというのは,本当に執行部の皆さんもそういった考え方でいらっしゃいますか。回答率の9.7パーセント,これが低いというのは,例えば必要がないと,乗る乗らないでなくて,いらないと思っていると。

企画課長)先程の質問とも関連いたしまして,私の説明が漏れましたので申し上げますと,実はこの回答した人の分析が全体,母集団を反映しているという考え方でまとめているんですけれども,ここに書いてあるように,回答していない人はぜんぜん興味がないから乗らないんじゃないかというと,これの見方がちょっと変わってきます。これも含めて検討しろと言われているのが第一点。それから10パーセント程度という回答率は,低いと思います。これは私ども委員会では特に質問されませんでしたが,私どもとしては関心が低い部分があるのかなと。特に南台の方々,大変関心高いんですけれども,一般市民として私ども今回沿線から500メートルの地域,最初1キロで考えたんですけれど,そうすると6号国道の方まで行っちゃいますので,500メートルで切りました。半径で。その地域の自治会の皆さんにお配りしたんですけれども,500メートルぐらい離れちゃうと,だいたい北は六軒地区が中心になります。関心ない方がけっこうあるのかなというふうに考えております。これをどう評価するかというのは,非常に難しいところなんですが,専門家に委託をしてますので,十分これから検討していきたいと思っております。

金井委員)その他の検討状況のところで整備方針の策定ということで,ちょっと説明は短かったんですけれども,今,現況でまだ線路が残っているところがありますよね。そういったものの撤去については,石岡市でやるのか。その辺のところを具体的に。なんか聞くところによると関鉄さんが3年ぐらいかけて線路の部分を撤去するような予定だったんですけれども,今年度そういった予算が関鉄さんのほうで入ってないというような話も聞いたんですが。

企画課長)現在,線路と枕木が7割程度でしょうか,具体的な係数は持ち合わせておりませんが残っているのは事実です。これの撤去は,私ども当初はほとんど撤去されているのかなと,目に付くところは撤去されていましたのでそう思いましたら,これは土地の実際的な処分がどうなるか分かってない中で,撤去を先行するのはいかがなものかということから中断しているというふうに聞いております。これをどうするかという具体的なことは,まだ協議の途上でございますので結論はでておりません。以上でございます。

徳増委員長)他にございませんか。

岡野副委員長)今の金井委員に関連しましてですね。私の情報によりますと,軌道敷の提供について関東鉄道のほうでは,無償というようなことはあまり考えていないような感じで,非常に行政側と関鉄には溝があるんではないかと私は感じているんです。その点についてはどう思ってますか。

企画課長)岡野委員さんご指摘のとおりでございます。

岡野副委員長)そうなると非常にこの専用道化の事業そのものが難しくなるのではないかというふうに私は思っているんですけれども,その見通しはどうですか。

企画課長)鹿島鉄道さんのお立場は,お立場として私ども理解しておりますのは,鹿島鉄道が大きな負債を抱えている。100パーセント子会社である。これの財産から最大限利益を得ることが株主に対する責任であるというお立場であろうかと思います。一方私どもは,現実の鹿島鉄道の軌道敷の財産の価値ということを考えた場合に,無償でご協力いただけないかということで,その理由は,過去の委員会でずっとご説明してきたとおりでございます。この私どもと関東鉄道さんの立場の違いがなかなか一致点を見出せないという状況でございました。そんなことからいろいろ協議をしていった中で大変苦慮していたところでございまして,去る5月8日にですね,市長が関東鉄道の社長さんに面会をし,協力をお願いしたところでございます。これを受けまして,石岡市と関東鉄道相対ではなく,県を交えて改めて仕切直しをしてお願いをしていくということで,ただいまその準備を進めているところでございます。以上でございます。

岡野副委員長)わかりました。もう一点だけお聞きしたいんですけど。事業費が6億円かかるということと,ここに載っている3千万かける20年ということは,6億円というのは維持管理費用に充てるのであって,走らせるための工事費は,別なのかなというような感じするのですが,その辺について教えてください。

企画課長)資料の10ページでございます。そこの費用便益比の計算の下の表でございますけれども,行政体の一番上の3千万円と申しますのは,6億円の整備費用を20年で単純に割ったものでございます。その下の656万7千円の中に償還金であるとか,それから道路本体の維持修繕費これらを加味しております。信号機などもまだ結論が出ておりませんので,そういった一般的な掛かるであろう経費を含めて656万7千円と見込んでおります。なお,バスの走行自体は,バス事業者の欄の上から4つ目,1,983万4千円。これでございます。以上でございます。

岡野副委員長)そうすると6億円というのは,工事とか,あるいはバスの購入費なんかも含めて,先に事業として支出をしていくというような考えでいくんですか。

企画課長)仰るとおりでございます。例えば,単純に話としまして6億円を1年間でドンと使った。これは起債ですから返還は,その償還期間でやっていくわけですが,仰るとおりその6億円を一過性の初期投資として道路整備それからバスの購入補助とか,あるいは信号機設置とか,これは石岡市だけじゃなくて小美玉圏もあわせて負担していくのを6億円と見込んでいるという意味でございます。

岡野副委員長)分かりました。ありがとうございました。

徳増委員長)他にございませんか。

小松委員)これから第3回,第4回委員会と進められていくということですので,その結果を待ちたいと思いますけれども,鹿島鉄道が廃線になって,沿線の住民の方を中心にして,やはり「もったいなかった」という声が,那珂湊鉄道の存続の新聞報道とかいろんな状況からも,今また,そういう声が上がっていると思います。鉄道は廃線になったんですけれどもそれに代わる事業は,やはり待たれていると思います。このアンケートは沿線住民を中心なんですが,いろんな各種のイベントが運動公園体育館で行われてまして,その利用者も見込めると思うんです。だからあまりあまく利用人数を見ては困りますけれども,そういった状況もあるし,是非,私は,実施してもらいたいとこのように思っているわけです。その時に,ただいま岡野委員からも6億円の初期投資,それから翌年度から1千万円ずつの維持管理費を支出しても実施をしたほうが住民にとって利益があるというような新聞報道ありますけれども,それは一般道の渋滞緩和がされるということなんですが,実際に税金を投入していく側からすれば渋滞緩和をお金に換算してということであってもですね,現実に市の財政を出していく側からすれば過大な投資になるんじゃないか。そういうような見方がされるんじゃないかと思うんです。だからその辺のところを,やはり市の広報等を通じて市民にきちんと説明していくことが必要かと思うんですが。そういう点は,どのように考えていますか。

企画課長)まさしくご指摘どおりで,非常に市民の理解というのは重要でございます。資料2ページをご覧いただきたいんですけれども,フロー図が出ておりまして,先程太枠の中の一番右側でちょっとご案内申し上げましたが,モビリティ・マネジメント,これが不可欠だということで今回進めております。4月に谷口先生をお招きして,運動公園で講演会をやらせていただきました。今の時代は,必要だからやるということだけでは一般の市民の方,日本全体でも国民の方の関心は呼ばない。関心と理解が得られない限り何をやっても結果が出ないということで,非常に重要だというご指摘をいただいております。ですから,ただいま小松委員さんからご指摘があった一般市民にいろいろ広報していくということは,大変重要であると認識しております。なお,今回の事業の意義でございますが,これは私ども一貫して申し上げておりますのが,公共交通を守るというのが大きなねらいであります。定時性と速達性がないのでどんどん離れております。今現在,小川・石岡間は何とか黒字でございます。ただ路線として鉾田まで捉えると赤字になるんです。そういったなかで,代替バスといっても,関鉄グリーンバスさんは,この路線が赤字になったら撤退するとはっきり仰ってますし,それは法制度上拒むことはできません。拒むとすれば補助金を差し上げるしかない。そういったなかでこういった利便性を向上することによって地域公共交通を守っていくんだというのが私どもの基本的な理解でございます。今回の調査結果でも,国道の消防署付近の遅れが明確になったわけでございますので,想定していたことが概ね当たっていた。ただそのなかでそういった効果があるからといって税金を投入していいかどうかというと,まずは費用対効果を出せというのが,今,日本全体の考え方でございますので,そこのところは避けて通れないのかなとうことで,これは非常に重く受け止めております。また同時に市民の皆様方にご理解いただきたいということも私どもの願いでございますので,それなりの対応をさせていただきたいと思います。以上でございます。

徳増委員長)ほかにございませんか。よろしいですか。

〔「なし」と呼ぶ者あり〕

徳増委員長)発言なしと認めます。
 以上で本件についての調査を終了いたします。
 以上で本日の案件についての調査は,全て終了いたしました。執行部の皆様,本当に突然のことでありがとうございました。大変ご苦労様でした。
 次に当委員会の行政視察について皆様にお諮りいたします。
 行政視察につきましては,当委員会の継続調査案件である市税及び滞納対策並びに中心市街地活性化について,今後の委員会活動に資するため,他自治体の取組み,先進事例等についての管外調査を実施するものでございます。内容については,前回の委員会において承認いただいたところでございます。
 つきましては,この管外調査について委員会条例第32条の規定により委員派遣承認要求を行いたいと思います。これにご異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳増委員長)ご異議なしと認め,さよう決しました。
 さらにお諮りいたします。この管外調査について,調査の充実と情報の共有を図るため,執行部職員の派遣を求めることとしたいと思います。これにご異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳増委員長)ご異議なしと認め,さよう決しました。
 以上で,総務企画委員会を閉会いたします。


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