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議会中継
    


令和2年第3回定例会 可決した意見書

令和2年第3回定例会では,次の意見書を可決し,関係行政機関などへ送付することとしました。


 「刑事訴訟法の再審規定」(再審法)の改正を求める意見書

 再審は,無辜が救済される最後の砦です。罪を犯していない人が,犯罪者として法による制裁を受ける。これは,冤罪です。冤罪は人生を破壊し,人格を否定すると同時に,法制度自体の正当性を失わせるものです。冤罪はあってはならないと,誰しも認めることでありながら後をたちません。
 2010年の足利事件に始まり,布川事件,東電OL事件,東住吉事件,そして昨年3月の松橋事件に至るまで,無期懲役という重罰事件の再審無罪が続きました。最近も,殺人罪で12年の有期刑満期後に再審を申し立てた湖東記念病院人工呼吸器事件で,今年4月に再審無罪が確定したばかりです。また2014年には,元プロボクサーの袴田巖さんが47年ぶりに死刑囚監房から解放されるという歴史的な出来事もありました。
 しかし,これらの事件で再審開始が認められて無罪となる過程では,つねに検察による甚大な妨害が立ちはだかっていました。
 その大きな壁の一つは,検察が捜査で集めた証拠を隠匿し,証拠を開示しないことです。再審請求では,無実を主張する請求人と弁護側から,新規・明白な無罪証拠を提出することが求められます。ところが,証拠のほとんどは強制捜査権を持つ警察・検察の手にあるだけでなく,当事者主義の名の下に,それらは開示する義務はないとされ,しばしば無罪証拠が隠されたまま,有罪が確定する事例が後を絶ちません。
 無罪となった再審事件で,「新証拠」の多くが,実は当初から検察が隠し持っていたものであった事実には,心が凍る恐怖を覚えます。無罪証拠が当初から開示されていたら,冤罪は生まれず,当事者の人生は全く別のものとなっていたからです。 
 通常審では,公判前整理手続きを通じて,不十分ながらも一定の要件で証拠開示が制度化されました。しかし再審における証拠開示には,何一つルールがありません。その結果,証拠が開示されるか否かは裁判官の個別判断や検察官の任意に委ねられることとなり,法の下の平等原則さえも踏みにじられています。
 次に大きな壁は,再審開始決定に対する検察による不服申立てが許されていることです。大崎事件の原口アヤ子さん(90歳を超えました)は,検察の即時抗告,さらに特別抗告により,再審が未だ実現されていません。袴田事件は検察の即時抗告によって再審開始決定が取り消され,再審請求審が無用に長期化しています。名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんにいたっては,1964年一審無罪判決,2005年再審開始決定を得ながら,検察の即時抗告,異議申立てにより,89歳で無念の獄死をとげられました。
 公益の代表という検察官の法的地位からしても,裁判所の決定にいたずらに逆らい,こうした悲劇をくり返すことには,法的な制限を加える必要があることは明確です。
 このように,再審における証拠開示制度の確立,検察官の上訴制限が,無辜の救済のための焦眉の課題です。
 現行の刑訴法の再審の規定は,日本国憲法39条を受けて不利益再審の規定を削除しただけで,大正時代の旧刑訴法のままです。現行の再審規定のルーツである職権主義のドイツもすでに50年以上前に再審開始決定に対する検察上訴を禁止しています。
 また,証拠開示については,2016年の刑事訴訟法の「改正」の附則において,「政府は,この法律の公布後,必要に応じ,速やかに,再審請求審における証拠の開示」について検討をおこなうとしており,政府はこれをふまえ,証拠開示の制度化をおこなうことが求められています。
 無実の者を誤った裁判から迅速に救済するために,いまこそ次の点について「刑事訴訟法再審規定(再審法)」の改正を行うことを要請します。

一,再審における検察手持ち証拠の全面開示。
二,再審開始決定に対する検察の不服申立て(上訴)の禁止。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



 送付先  内閣総理大臣,法務大臣



 教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度堅持に係る意見書

 学校現場では,学習指導要領への対応だけでなく,貧困・いじめ・不登校など解決すべき課題が山積しており,子どもたちのゆたかな学びを実現するための教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況になっています。ゆたかな学びや学校の働き方改革を実現するためには,加配措置ではなく抜本的な定数改善計画に基づく教職員定数改善が不可欠です。
 義務教育費国庫負担制度については,小泉政権下の「三位一体改革」の中で国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられました。厳しい財政状況の中,独自財源による定数措置が行われていますが,地方自治体の財政を圧迫しています。国の施策として定数改善にむけた財源保障をし,子どもたちが全国のどこに住んでいても,一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請です。ゆたかな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠です。
 よって,国会及び政府におかれては,地方教育行政の実情を十分に認識され,地方自治体が計画的に教育行政を進めることができるようにするために,下記の措置を講じられるよう強く要請します。



1.計画的な教職員定数改善により少人数学級を推進すること。

2.教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため,義務教育費国庫負担制度を堅持すること。

以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




 送付先  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,文部科学大臣




 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方財政の急激な悪化に対し地方税財源の確保を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延し,わが国は,戦後最大の経済危機に直面している。地域経済にも大きな影響が及び,本年度はもとより来年度においても,地方税・地方交付税など一般財源の激減が避けがたくなっている。地方自治体では,医療介護,子育て,地域の防災・減災,雇用の確保など喫緊の財政需要への対応はじめ,長期化する感染症対策にも迫られ,地方財政は巨額の財政不足を生じ,これまでにない厳しい状況に陥ることが予想される。
よって,国においては,令和3年度地方財政対策及び地方税制改正に向け,下記事項を確実に実現されるよう,強く要望する。



1 地方の安定的な財政運営に必要な地方税,地方交付税などの一般財源総額を確保すること。その際,臨時財政対策債が累積することのないよう,発行額の縮減に努めるとともに,償還財源を確保すること。

2 地方交付税については,引き続き財源保障機能と財源調整機能の両機能が適切に発揮できるよう総額を確保すること。

3 令和2年度の地方税収が大幅に減収となることが予想されることから,思い切った減収補填措置を講じるとともに,減収補填債の対象となる税目についても,地方消費税を含め弾力的に対応すること。

4 税源の偏在性が小さく,税収が安定的な地方税体系の構築に努めるとともに,国税・地方税の政策税制については,積極的な整理合理化を図り,新設・拡充・継続に当たっては,有効性・緊急性を厳格に判断すること。

5 とりわけ,固定資産税は,市町村の極めて重要な基幹税であり,制度の根幹に影響する見直しは,土地・家屋・償却資産を問わず,断じて行わないこと。先の緊急経済対策として講じた特例措置は,臨時・異例の措置として,やむを得ないものであったが,本来国庫補助金などにより対応すべきものである。よって,今回限りの措置とし,期限の到来をもって確実に終了すること。

以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



 送付先  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,内閣官房長官,総務大臣,財務大臣,経済産業大臣,経済再生担当大臣,まち・ひと・しごと創生担当大臣