請願第5 「最低賃金の大幅引き上げと中小企業支援策の拡充を求める意見書」採択の請願

 紹介議員 小松豊正

【付託】
 令和3年第1回定例会

【請願の趣旨】
 日頃より,貴市議会が地域住民の福祉増進,地域経済の発展に尽力されていることに敬意を表します。
 さて,私たちは全国労働組合総連合(全労連)をナショナルセンターとする地方組織「茨城県労働組合総連合」(茨城労連)です。私たちは,県内の労働者の生活と権利の向上を求め,非正規雇用労働者の均等待遇,最低賃金の引き上げ等の実現をめざして活動しています。
 昨年10月1日から,茨城県の最低賃金はコロナ禍を理由に中央審議会の目安が公表されない中で,2円引き上がり851円になりました。しかし,この金額は全国加重平均時給(902円)に比べて51円低く,関東1都6県の中で下から2番目の低さです。東京や神奈川では,最低賃金が2019年10月から1,000円を超えています。
 日本の最低賃金制度の問題点は,@最低賃金が低すぎて生活できない,A全国一律制でないため最低賃金の高い都県に労働者が流出する,B中小支援策が不十分,の3つです。茨城県の最低賃金851円では,憲法25条が保障する「健康で,文化的な最低限度の生活」ができず,消費意欲が抑制されて地域経済に悪影響を及ぼしています。
 茨城労連は2020年2月から5月に県内で最低生計費試算調査を実施しました。調査結果からは水戸市在住の25歳の青年労働者の最低生計費は男性252,987円,女性251,124円(ともに税,社会保険料込み)で,年額に換算すると約300万円になります。月150時間で計算すると時給が男性1,687円,女性が1,674円になります。この結果は東京を始め他府県ともほとんど差がありませんでした。調査結果からは最低賃金を全国一律1,500円にする必要があるということが明らかになりました。
 以上のような理由で,貴議会において最低賃金の引き上げについての議論を深め,下記の事項の実施を求める意見書を採択し,政府及び関係機関に意見書を提出されることを請願いたします。

【請願項目】
1 政府は,全国一律最低賃金制度を確立し,地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
2 政府は,ワーキングプアをなくすため,最低賃金を即時時給1,000円以上に引き上げ,時給1,500円をめざすこと。
3 政府は,最低賃金の引き上げとセットに中小企業への具体的支援策を拡充すること。

【付託先】
 経済建設消防委員会
 産業建設委員会


【委員長報告の要旨】

 委員からは「請願については一定程度の理解はできるものの,最低賃金については,国の方針であり,それに関し地方議会から提出することはそぐわないのではないか」などの意見が出されました。

【結果】
 
不採択