陳情第32 くらしと地域を壊す「地方分権改革」に反対し,国の責任として「国民の安全・安心を守る行政」を求める陳情

【付託】 平成21年第2回定例会

【要旨】
 いま,日本の行政体制を根本的に変える動きが「地方分権改革」のもとで進められようとしています。昨年12月に政府の地方分権改革推進委員会によって出された第2次勧告では,国と地方の役割分担の見直しにより,権限移譲や国の出先機関の統合・廃止が打ち出されました。
 私たちはこの勧告を,第一に国の行政サービスを切り捨て,憲法にもとづく国の行政責任を放棄するものであること,第二に出先機関で働く国家公務員の大幅削減は深刻な雇用問題をさらに拡大すること,第三に受け皿となる自治体への財源保障を明らかにせず一方的な押しつけになりかねないと危惧し,こうした強権的なやり方は,「構造改革」路線のもとで疲弊している地方にさらなる負担と犠牲を強い,地域経済・社会に重大な影響を及ぼすものと考えます。
 今進められようとしている「地方分権」は,憲法で規定された住民自治が基礎となる地方分権の実現に向けたものでなく,国の行政責任を放棄し,本来国が負うべき国民の基本的人権の保障を地方に押しつけるものです。この間の構造改革による自由競争の弊害によって,貧困や地方間格差が広がっている今日,国の行政に求められているのは国民の生活破壊を防ぐセーフティネットをはじめとしたナショナルミニマムの保障です。
 国土交通行政においても,「国民の足を守る公共交通網の確保」「国民の安全・安心を守る位置情報・基盤地図情報の整備・管理」「暮らしと防災に不可欠な気象情報の提供」など国民の生活を支える行政が国の責任として強く求められていると考えます。
 つきましては,国土交通行政現場で働く私たちの意見や住民・国民の声も踏まえて,各方面に対して下記のことを働きかけて頂くことを要請するものです。
(陳情事項)
1.政府によって進められようとしている「地方分権」に対して,地方自治体の現状を充分に把握し、拙速な結論を出さないように働きかけを行うとともに,国民サービス・行政の切り捨てにつながる地方出先機関の統合・廃止に反対していただくこと。
2.国民の安全・安心を保障するために,国の行政責任として国土交通行政を充実させるよう各方面に働きかけていただくこと。

【委員長報告の要旨(総務企画委員会】
 審査は6月12日、8月4日の2日間行いました。その中で、委員からは「国の責任として、国土交通行政を充実させることは重要」という意見、「複数の県にまたがる河川の管理を、地方に移管した場合の問題点」などの指摘がされた一方で、「行財政改革を提言・推進してきた議員として地方分権改革に反対との趣旨には納得できない」という意見がありました。その後、起立による採決を行ったところ、賛成多数となり、本陳情は採択すべきものと決しました。

【審査結果】 採 択