陳情第44 「子宮頸がん」の予防対策に関する陳情

【付託】 平成22年第3回定例会

【要旨】
 最近,厚生労働省は,「若い世代に増える子宮頸がん」として,日本における子宮頸がんの罹患率は,乳がんに次いで2番目に多い状況と,コメントを発表しました。
 他のガンでは,高齢になるほど発症率が上がっていくのに対し,「子宮頸がん」は,若い世代の発症が特徴です。一方で「子宮頸がん」はワクチンによる予防が出来る唯一の「ガン」でもあります。
 これらを踏まえ,将来ある児童・生徒が,安心して地域の中で生活できるよう「子宮頸がん」ワクチン接種の財政的援助を含む支援策を早急に確立していただくよう,要望します。
 

【委員長報告の要旨(教育福祉委員会)】

 本陳情の趣旨は,子宮頸がんは,若い世代の発症が特徴であり,ワクチンによる予防ができる唯一の「がん」であることから,市内小中学校の児童・生徒が,安心して地域の中で生活できるよう,子宮頸がん予防ワクチン接種の財政的補助を含む支援策を早急に確立して欲しいという内容です。
 初めに執行部より,本陳情に関する現状等について説明を求めましたが,その説明によりますと,本年8月11日現在の県内市町村の「子宮頸がん予防ワクチン接種費用の予算化状況」については,9月議会までに予算化済み,または予算化を予定している市町村は12自治体であるとのことでした。
 当市の場合には,議会一般質問における,市長答弁のとおり,「国・県の動向にあわせ,対応を検討して参りたい。」とのことであり,政府においても来年度の予算化に向け,国・都道府県・市町村で負担しあい,助成する仕組みを検討中であることから,その推移を踏まえ,検討を進めて参りたい。また,子宮頸がん予防ワクチン接種にかかる経費については,小学校6年生の児童が1人3回,接種をした場合,概算で約2,000万円になるとの説明がありました。
 その後の審査において,委員からは,来年度,国において予算化された場合,全国の自治体で一斉に予防接種が始まることとなり,その場合にワクチンが確保できるのかどうかについての質疑に対し執行部からは,現在このワクチンを生産しているのは,1社だけであるため,不足する可能性も考えられるが,国策として実施することが明らかになれば,他の民間企業の参入も考えられ,一定程度の量は確保できるのではないかと理解しているとの説明がありました。さらに,市で助成することになった場合には,来年度の予算要求の過程で,接種の技術的観点,及びワクチンの保有状況等について熟知している医師会と協議をし,制度設計を考えていきたいとの答弁がありました。
 その後,委員から,ワクチン接種により予防することは,その接種をした子ばかりではなく,今後その子が大きくなり家庭を営んだときに,その家庭自体も救われることとなり,この点が大切であるという意見,国・県の動向にかかわらず,すぐにでも接種が出来るような計画を立てるべきであるという意見,子宮頸がんは,小学校6年生あるいは中学生のうちに予防接種を受けていれば,「がん」の予防策となり,石岡市議会としても議会運営委員会において,子宮頸がんの予防接種助成に関する意見書を国に提出するよう検討していることから,本陳情の願意は妥当である等の意見が出されました。
 以上の審査のあと討論する委員はなく,本陳情については,その趣旨・願意を妥当と認め,全会一致をもって「採択すべきもの」と決した次第です。


【審査結果】 採択