陳情第47 統合中学校の通学環境の整備と安全対策を求める陳情

【付託】 平成22年第4回定例会

【要旨】
 少子高齢化が急速に進み,厳しい財政状況の続く中,本市教育委員会においては「石岡市小中学校統合計画審議会」の答申に基づき学校統合の推進に取り組んでいるとお伺いしました。
 今般,有明中学校の校舎は一昨年度に実施された耐震診断の結果,危険校舎と判定されました。これを受けて,保護者の意見は耐震補強により引き続き現在の校舎を利用する方向で市教育委員会に要望書を提出いたしました。しかし,補強に耐える強度が無いこと,また,統合計画の推進により校舎の改修はかなわず,この4月からは同じ敷地内に建設した仮設校舎で授業が行われています。
 有明中学区3校PTAとしましては,今回の統合中学校(有明中学校・柿岡中学校・八郷南中学校の統合による新設校)についてアンケート調査を実施いたしました。集計の結果,多くの方が有明中学校の存続を希望しておりますが,市の厳しい財政状況や,校舎が仮設である現状,さらには今回の新設事業が有明中学校を含めた統合を前提に校舎規模を想定している点などを鑑み,事ここに至っては,将来の統合もいたしかたなく,苦肉の決断をせざるを得ない状況にあると考えております。
 しかるに,現在の柿岡中学校への新設統合となれば,ほとんどの生徒が遠距離通学となるため,アンケート結果からも通学時における通学環境の整備や安全対策など,今後の課題が大きく立ちはだかっていることを憂慮しております。
 つきましては,将来の本市を担う子どもたちが,安全に通学するとともに,快適な通学環境の整備に向けて,有明中学区3校の保護者の意見を真摯に汲んでいただき,下記の点について格別のご配慮を賜りますよう強くお願い申し上げます。

 1.通学路の整備と安全対策
 2.中学校生活に即したスクールバスの運用
 3.廃校となる学校の有効利用
 
【委員長報告の要旨(教育福祉委員会)】
 本陳情の趣旨は,有明中学校が現在の柿岡中学校へ新設統合となった場合,ほとんどの生徒が遠距離通学となるため,将来の石岡市を担う子どもたちが,安全に通学が出来るよう,通学環境の整備並びに安全対策などを求めるものです。
 審査は,初めに執行部から,本陳情に関する現状,及び今後の対応等について説明を求めました。
 説明によりますと,@「通学路の整備と安全対策」については,統合中学校へ通学する場合,主に県道が通学路となりますが,歩道が整備されている区間は少なく,また幅員も狭い状況にあることから,教育委員会としては都市建設部とも調整を行いながら,県へ道路拡幅の要望をしていきたいとのことでありました。あわせて,道路の拡幅・歩道の整備については,地権者の同意が必要となってくるなどの課題もあり,今後の統合に向けた協議の中で,地域の方々の理解が得られるような対応を検討していきたいとのことでありました。さらに,危険箇所を調査し,カーブミラーの設置など,当面できる安全対策についても,関係部署と協議をしていきたいとの説明がなされました。
 次に,A「中学校生活に即したスクールバスの運用」については,通学路となる県道などの整備が済んでいない中,安全に登下校するする手段としてスクールバスは必要であり,下校時の運行については,部活動の関係もあり,複数の便を運行する必要があると考えているとのことでありました。今後,統合に向けた協議を進める中で,具体的な運行計画についは検討していきたいとの説明がなされました。
 次に,B「廃校となる学校の有効利用」については,現在の有明中学校は,地域の防災拠点として位置付けられている点などを含め,地域の実情に応じた形で活用が図られるよう検討し対応していきたいとの説明がなされました。
 その後の審査において,委員からは,「通学環境の整備と安全対策は,教育委員会だけではなく,都市建設部・生活環境部にもかかわる重要案件であるため,子どもたちの安全・安心を最優先し,関係部署でしっかりと協議をして進めてもらいたい。」という意見,「陳情書の中で陳情事項について,いつ頃までの実施を希望しているのかが明確になっていないものの,安全な通学路の整備を求めることについては願意妥当である。」という意見,「通学路の整備・安全対策は,八郷地区に限らず,どこの地区においても必要であり,教育の面から考えた場合には願意妥当である。」という意見,「八郷地区の場合には,広範囲での統合となるため,保護者の方々は統合したあとの心配をしている点が多いことから,本陳情の願意は妥当である。」等の意見が出されました。
 以上の審査のあと,討論する委員はなく,本陳情については,その趣旨・願意を妥当と認め,全会一致で「採択すべきもの」と決した次第です。


【審査結果】