陳情第22 子ども達を放射線から守る対策を求める陳情
陳情趣旨
この度の東京電力第1発電所の事故により,放射性物質が広範囲の地域を襲い,この石岡市でも放射線汚染が深刻な問題となっています。一般の被ばく量は年間1ミリシーベルト以内と定められ,安全の「しきいち」がない中で,低線量であっても健康に害を及ぼす危険性があります。したがって被ばく量をいかに少なくするかは,行政としても重要かつ緊急の課題であります。私たちもこの間独自に市内の23の小中学校周辺の約278カ所の放射線量測定を行い,測定点の半数の箇所で地表面で年間1ミリシーベルトを超えるポイントがあることが分かりました。放射線の被害は子どもや妊婦,若者が受けやすいと言われています。放射線から子ども達を守り,石岡市を安心して子育てできる街にするために,議会として下記陳情項目を採択していただき行政に反映できるようお願いいたします。
陳情事項
1 学校・保育所・幼稚園などの安全確保のために次の事を行って下さい。
@学校・保育所・幼稚園・通学路・公園など屋外活動が行われる場所については地表面,地上50cm,1mの3測点で測定すること,また測定点を増やし,その結果を公表して下さい。
A年間1ミリシーベルト以上となる地域や地点については,速やかに除染を行って下さい。
B除染後の土・汚泥等の仮置き場について指針を示すよう,国・県に要望し市としても明確な指針を示して下さい。
2 子ども達の給食に含まれる放射性物質をできる限りゼロに近づけるために,次の事を行って下さい。
@給食に使われる食材の検査に当たっては,国の暫定基準値ではなく,つくば市のように新基準の前倒しでの適用実施を行って下さい。測定結果については必ず公表して下さい。
A放射能検査機器は,新基準に対応できる機械とし,当面石岡地区・八郷地区に設置して下さい。
B測定器購入や除染措置などの費用は全面的に国に責任を求め,そのうえ東京電力に賠償責任を取らせて下さい。
3 子どもや妊婦に対する定期的な健康調査の体制を整えて下さい。そのためのホールドボディーカウンターを導入して下さい。
4 市内の河川,及び霞ヶ浦の水と淡水魚の定期的な放射能測定に加え,耕作地の土穣の放射能を測定し,結果を公表して下さい。
5 そのために放射線対策本部の権能と体制を強化して下さい。
【付託】 平成24年第1回定例会
【付託先】 環境経済委員会
【委員長報告の要旨】
審査では執行部から,本市における放射線対策の取組状況について,詳細な報告を受けました。報告では,「放射線対策は,国の基準に従い取り組んでおり,さらに,必要があれば,それに応じた措置を講じている」とのことでありました。その後の審査で,委員から「放射能は目に見えず,わからない,非常に大きな問題ですが,この陳情に示される市独自の基準での取組となると,その基準をどのように設けるのか。国の基準,方針が示されているのであれば,それに準じた対応を取ることになるのではないか。そういうことからすれば,本市はすでに適切な対応をしているのではないか。」との意見が出されました。続く討論において委員からの発言は無く,本陳情に賛成の委員の起立を求めたところ,起立者はいなかったため,本陳情は「不採択とすべきもの」と決した次第であります。
【結果】 不採択