陳情第37 新聞購読料への消費税軽減税率適用に関する陳情
わたしたち新聞販売店は,国内外の多様な情報を,地域に張りめぐらせた戸別配達網により,どのような条件のもとでも日々,早朝,定刻に読者の戸口に届け,国民の知る権利と民主主義を足元から支えるとともに活字文化の発展につくしています。
国土も狭く資源の少ないわが国が,明治以降,世界有数の先進国となったのは,持ち前の勤勉性と活字文化の伝統による識字率の高さが要因と考えます。とりわけ新聞の高い普及率が学力,技術力を支える役割を果たしてきたことは広く認めるところです。
近年,活字離れが進む中で,書籍とともに新聞の購読率は低下傾向にあり,新聞をまったく知らないで育つ子どもたちが増えるなど,次世代の知的水準へ深刻な影響を及ぼすものと深く憂慮されます。さらに今回の増税により,新聞離れが加速されることも懸念されています。
また,販売店の経営が悪化すれば,従業員の雇用不安を招くものと危惧します。
消費税に関しては,世界の多くの先進国が「民主主義を支える公共財」として新聞等知識に対する課税を最低限とする趣旨で,軽減税率を導入しています。
以上を踏まえ,下記声項の実現について,地方自治法第99条の規定に基づき,国会または関係行政庁へ意見書を提出していただきますよう陳情いたします。
【陳情事項】
消費税増税に当たり,複数税率の導入と新聞購読料への軽減税率適用を求める意見書を国会または関係行政庁に提出すること。
【付託】 平成25年第4回定例会
【付託先】 総務委員会
【委員長報告の要旨】
審査では,委員から「軽減税率には利点もあるが,適用することが,消費税引き上げの目的である社会保障と税の一体改革を後退させ,社会保障自体を手薄にする危惧があるのではないか。」との意見,「適用する商品やサービスの線引きが難しいこと」との意見,「新聞は生活を潤わせるものではあるが,生活必需品であるとは判断できない」などの意見が出されました。一方で,新聞を購読する社会的重要性から,新聞購読料への軽減税率の適用を求めるという願意は妥当であるとの意見,陳情の前提である消費税増税についての疑義を呈する意見も出されました。
【結果】 不採択