陳情第8 学校における放射線被曝に対する対策についての陳情

【付託】 平成23年第3回定例会

【要旨】
 福島原発の事故は広範囲に及び,甚大な被害が発生しております。今,私たちにできる放射能対策は「身の回りの放射性物質を減らすこと」「放射性物質を体内に取り込むことをできる限り防ぐ」ことです。
 将来を担う子どもたちの生活環境や食事について細心の注意を払い,高濃度汚染箇所の把握や除染を行うことが,親の役割であり自治体の責任と考えます。
 そこで,かけがえのない子どもたちの命と健康を守るため,石岡市は早急に以下のことに取り組んでくださるよう,強く陳情いたします。
 1)市内学校等のグラウンド表土除去及び高濃度汚染箇所の除染。
 2)給食センターに放射能測定器を導入し,食品の汚染レベルを独自に測定,公表し安全な食材を提供する。また,市民が持ち込んだ農作物等が測定できるようにする。
 3)給食センター職員の放射性物質による食品汚染に対する知識の徹底と技術の習得。
 4)児童に対する尿検査,血液検査等,定期的な健康診断の実施。

【委員長報告の要旨(教育福祉委員会)】
 審査では,現在及び過去最も高いときの学校等における放射線量測定値の質疑が行われた後,委員から,「放射能に関する国県の指導はどのようになっているのか。」との質問に対して,執行部から「文部科学省は,これまで福島県の学校生活における基準として,毎時3.8マイクロシーベルトという暫定値を出しておりましたが,8月26日にこれを改めて,その基準値を毎時1マイクロシーベルトと示してございます。」との答弁があり,さらに委員から「毎時1マイクロシーベルト以上の値が出れば,表土の除去,或いは,汚染の除染について取り組むのか。」との質問に対して,執行部から「現在のところ,1マイクロシーベルトを超える数値は,測定されておりません。しかし,場所によって,局所的に高い数値が出る可能性もありますので,学校ごとに現況を把握した後,茨城県が作成した除染に対する手引きに基づいて,除染等を行っていきます。」との答弁がありました。
 委員から「給食センターの食材について,その放射線関係の対応は,どのようにしているのか。」との質問に対して,執行部から「使用食材について,摂取制限や出荷制限が出ている食材は,使用しておりません。生産地の確認,或いは,出荷制限など関連情報の収集に努め,より安全な給食の提供に努めています。」との答弁がありました。
 委員から「放射能の被害において,児童に対する尿検査や血液検査等が実施されているのか。」との質問に対し,執行部から「児童生徒の健診等は,現段階で実施していない状況ですが,国県の動向を見て対応をしていきたい。」との答弁がありました。
 また,委員から,「市内学校等のグランド表土の除去及び高濃度汚染カ所の除染については,執行部で1マイクロシーベルトを超えた場合は,すぐ実施するというような条件を付けてはどうか」との意見や「給食センター職員の放射性物質による食品汚染に対する知識の徹底については,教育委員会で,当然指導していただきたい」との意見。 「放射能による汚染は,学校のグラウンドだけではなく,通学路,公園,家庭内にも及んでおり,全部対応するとなると,膨大な費用がかかり,どの範囲まで除染をするか問題であるが,周辺環境もよく考えなければならない」との意見や「定期的な測定を行っていくなかで,数値に変化や俗に言うホットスポットの発見があったときには,除染することが実情に合うことなので,この陳情すべてを対応することは,難しい」との意見がありました。
 この審査の後,討論をする者はなく,採決したところ,「不採択とすべきもの」と決した次第です。
 しかしながら,当委員会の総意として,「放射能は,目視することができません。執行部においては,子どもたちの安全安心を第一優先に考えることは言うまでもなく,状況を見据えたうえで,しっかりと対応を図ること」を強く要望します。


【結果】 
不採択