請願第5 「県立高校の存続と高校の30人以下学級実現を求める意見書提出」に関する請願

紹介議員 小松豊正,大槻勝男,関口忠男 

【請願主旨】
 日頃より,本県教育のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。
 すべての子どもたちに高校教育を受けさせたいという願いが,2010年度からの「高校授業料の実質無償化」を実現させました。
 ところが,茨城県教育委員会が2009年7月に発表した「第2次県立高等学校再編整備の基本計画」は,「平成21年3月から32年5月の間に77学級程度の学級減が必要」と小規模校の統廃合を強力に推し進める計画内容になっています。2010年5月には,太田第二高校里美分校と小川高校の廃校並びに常北高校の分校化を決定しました。
 一方,家庭の経済状況の悪化などから県立高校への希望者は増えています。今春(2013年)の入試で,県立高校を希望しながら,2次募集でも入れなかった生徒数は全日制122人,定時制38人の計160人にのぼりました。これは県教育委員会が強引にすすめてきた統廃合(2002年Ill校から2011年97校へ)と,急激な学級削減及び「進級時学級減」による影響です。
 また,県立高校の統廃合と学級削減は,発達障害などの「特別な教育的ニーズ」を持った子どもたちの県立高校への進学を狭めています。
 県教育委員会は「県内の高校生が平成20年から平成32年の12年間で4500人減少するので,高校の統廃合が必要」という立場を取っています。しかし,実際に生徒の減少が始まるのは平成29年からです。また,生徒数減少には地域間格差があり,減少する地域もありますが,増加する地域もあります。1クラス40人を前提にし「生徒数減少」を理由に,学校を統廃合してしまえば地域の町づくりにも大きな影響を及ぼすことは必至です。また,小規模校で学んでいる高校生一人ひとりを大切にした教育をすすめるためには,統廃合ではなく,地域や学校の実態にあった教育的支援を行っていくことこそ県教育委員会の責務です。経済効率優先から,一人ひとりの子どもたちが大切にされる教育を実現し,子どもたちが夢を持てる茨城県に転換していくことが多くの保護者の願いです。
 つきましては,貴議会におかれましてもこれらの課題について話し合って頂き,意見書を茨城県知事,茨城県議会議長並びに茨城県教育委員会委員長に提出してくださるよう請願いたします。


【付託】 平成25年第4回定例会

【付託先】 教育福祉委員会

【委員長報告の要旨】 
 審査では,委員から「請願自体は,妥当なのではないかと思う反面,石岡市を初め,多くの自治体では,児童の減少により統廃合が年々進んでおり,学級が少なく,そして,複式学級を進めている状況下では,競争力の低下が大変危惧される。県立高校でも,現在の社会状況下での統廃合は,やむを得ず,時期尚早である」との意見,「社会に出ていくに当たって,生徒間同士,切磋琢磨をしていくなかでは,競争力が必要である。そのために,1学級には,相当数の生徒が必要である。」との意見,「人口が減少する中では,高校に進学する人数も減っていくことは,確実に予想できる。子どもたちの自助努力,そして,競争意識を踏まえなければならない」などの意見が出されました。

【結果】 
不採択



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