陳情第4 石岡市歯と口腔の健康づくり推進条例(仮称)の制定を求める陳情

【付託】
 平成27年第3回定例会

【要旨】
 幼児期のむし歯予防は子どもたちの健全な成長を促し,高齢者や要介護者においては,口腔ケアは誤嚥性肺炎等の予防だけでなく,食生活の充実などの生活の質(QOL)を高め,健康寿命延伸に大きく寄与することが期待されています。
 先ごろ,口腔細菌学の研究者が,口の中にある歯周病菌の一つが,インフルエンザウィルスの感染を助長している可能性があるとの研究結果を発表し,高齢者は免疫力が弱まっており,口腔ケアが悪いとインフルエンザ感染と重症化の危険性が増す可能性が有ることを発表しています。
 さらに,咬合と知的能力との関係も注目されています。咀嚼の刺激が短期記憶を司る海馬への影響を調べた研究では高齢者の近時記憶の向上がみられるとされています。つまり咀嚼運動という日常行為が高齢者の認知症予防に重要な役割を果たしており,食物摂取のためばかりでなく,知的機能を保持し健康に,そして尊厳をもって老いるためにも極めて重要であるといえます。また,歯牙の残存本数が多いほど医療費が少なくて済むという検証結果もあり,財政負担の軽減に大きく寄与することが指摘されています。
 このように,歯と口腔の健康づくりは私たちの健康づくりを実践する上で大変重要な役割を担っております。そこで,歯と口腔の健康づくりに取り組むための保健サービス及び医療サービスの充実に向けた環境整備を進めることが重要であります。
 2010年11月に茨城県歯と口腔の健康づくり8020・6424推進条例が制定され,翌年8月,国は歯科口腔保健の推進に関する法律,通称歯科口腔保健法を制定し,国民,県民の生涯にわたる健康増進を図る体制が整いつつありますが,石岡市民一人ひとりの認知度は今一歩の感がございます。そして石岡市の歯と口腔の健康づくりの取り組みは,「母子保健法」や「学校安全保健法」に準拠するものであり,今現在,生涯を通じて一貫した施策として取り組める状況になっておりません。
 幼児期から高齢期までの生涯を通じた歯と口腔の健康づくりの施策を総合的かつ計画的に推進し,石岡市民が生き生きと元気に過ごせるようにすることを実現させるために,下記事項について陳情いたします。

【陳情項目】
 市民が日常生活において,自らの歯と口腔の健康づくりに積極的に取り組むこと,さらに市民が生涯を通じて歯と口腔の保健・医療サービスを受けることができるような環境の整備充実を基本理念とした「石岡市歯と口腔の健康づくり推進条例(仮称)」の制定を市に求めてください。

【付託先】
 
教育福祉環境委員会 

【委員長報告の要旨】
 審査では,委員から「歯の残存指数と医療費の削減が相関していることが実証されていることを考えると,この陳情は願意妥当である」との賛成の意見が出されました。
【結果】

 採択