陳情第5 地方財政の充実・強化を求める意見書に関する陳情

【付託】
 平成27年第3回定例会

【要旨】
 経済財政諮問会議において,2020年度のプライマリーバランスの黒字化目標にむけ,財政再建の議論が進められています。財務省が社会保障費と地方財政を歳出削減に絞っていることから,社会保障費にかかる国の補助事業と一般行政経費・地方単独事業費の削減に連動するおそれがあります。地方財源の充実・強化をはかるため,地方交付税の総額確保と市町村に配慮した再配分機能の強化などの抜本的な対策の陳情をいたします。
 つきましては,地方交付税総額が大きく削減される可能性があることから,下記のとおり,地方財政の充実・強化を求める意見書の政府関係者への提出を陳情いたします。

【陳情項目】
 地方自治体は,子育て支援,医療,介護などの社会保障,被災地の復興,環境対策,地域交通の維持など,果たす役割が拡大する中で,人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定など,新たな政策課題に直面しています。一方,地方公務員をはじめ,人材が減少する中で,新たなニーズの対応が困難となっており,公共サービスを担う人材確保を進めるとともに,これに見合う地方財政の確立をめざす必要があります。
 こうした状況にもかかわらず,経済財政諮問会議においては,2020年のプライマリーバランスの黒字化をはかるため,社会保障と地方財政を軸に歳出削減にむけた議論が進められています。
本来,必要な公共サービスを提供するため,財源面でサポートするのが国の役割です。しかし,財政再建目標を達成するためだけに,不可欠なサービスが削減されれば,国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかです。
 このため,2016年度の政府予算,地方財政の検討にあたっては,歳入・歳出を的確に見積もり,人的サービスとしての社会保障予算の充実,地方財政の確立をめざすことが必要です。このため,政府に以下の事項の実現を求めます。

1.社会保障,被災地復興,環境対策,地域交通対策,人口減対策など,増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し,これに見合う地方一般財源総額の確保をはかること。
2.子ども・子育て支援新制度,地域医療構想の策定,地域包括ケアシステム,生活困窮者自立支援,介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど,急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保および地方財政措置を的確に行うこと。
3.復興交付金,震災復興特別交付税などの復興にかかる財源措置については,復興集中期間終了後の2016年度以降も継続すること。また,2015年度の国勢調査を踏まえた人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう,地方交付税算定のあり方を検討すること。
4.法人実効税率の見直し,自動車取得税の廃止など各種税制の廃止,減税を検討する際には,自治体財政に与える影響を十分検証した上で,代替財源の確保をはじめ,財政運営に支障が生じることがないよう対応をはかること。また,償却資産にかかる固定資産税やゴルフ場利用税については,市町村の財政運営に不可欠な税であるため,現行制度を堅持すること。
5.地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」および「まち・ひと・しごと創生事業費」については,自治体の財政運営不可欠な財源となっていることから,現行水準を確保すること。また,これらの財源措置について,臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換をはかるため,社会保障,環境対策,地域交通対策など,経常的に必要な経費に振り替えること。
6.地方交付税の財源保障機能・財政調整機能の強化をはかり,市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握,小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。

【付託先】
 
総務委員会 

【委員長報告の要旨】
 審査では,委員から「市税の減少や社会保障費の増大が進む一方,合併に係る財政措置が終了するならば,自治体の財政はより厳しい状況となる。そういったことを考えれば,本陳情の願意は妥当」などの意見が出されました。
【結果】

 採択