陳情第6 「安保法制関連法案の今国会での廃案を求める意見書」提出を求める陳情

【付託】
 平成27年第3回定例会

【要旨】
 今,国会で審議が行われている安保法制関連法案は,昨年7月に強行された「集団的自衛権行使容認の閣議決定」の具体化です。それは日本に対する武力攻撃がないにもかかわらず時の政権の判断で集団的自衛権を発動し,他国(アメリカ)と共に武力を行使する,世界のどこにでも行って支援活動(参戦)を自衛隊がするというものです。
 日本政府の憲法9条解釈は,一貫して「日本に武力攻撃がないもとでの武力の行使は許されない」「海外での武力行使は許されない」というものでした。しかし今回の法案では歴代の自民党政権が「認められない」としてきた「自衛隊の武力行使」や「戦闘地域での軍事支援」まで行うというもので,日本の国の在り方を根本から変えるものです。
 しかも日本の未来を変えるこの安保法制関連法案を主権者である国民の議論を十分に尽くさず強行しようとしています。各種世論調査でもこの法案に関する政府の説明は不十分との回答が80%を超え,「安保法制関連法案の成立に反対」が52%(日経)と「慎重審議や廃案」にとの声が日に日に高まってきています。憲法学者をはじめ多くの専門家,関係者が安保法制関連法案について,憲法違反であると指摘しています。
 政府は「積極的平和主義」の名のもとに特定秘密保護法の施行,武器輸出の緩和,そして安保法制関連法案の成立を国際情勢の変化への対応としていますが軍事的抑止力を高めれば高めるほど他国との緊張は増し,戦争へのリスクは高まります。
 日本がなすべきことは,平和憲法を柱に憲法が明記する「戦争の放棄」「平和主義」を基本に「平和外交」によって諸外国との信頼を築くことです。
 子どもたちを,若者を再び戦場におくらないために,安保法制関連法案は廃案とするよう政府への意見書を提出されることを陳情します。

【付託先】
 
総務委員会 

【委員長報告の要旨】
 審査では,委員から「国際情勢が大きく変化する中で,平和安全法制の整備は必要と考えるが,現在,国会での議論が進んでいるとは言い難いので,本陳情の願意は妥当である」などの賛成の意見,「60年安保の際にも,日本が戦争に巻き込まれるとの不安から,大きな反対運動が起こったが,その後,日本は大きな経済発展を遂げたように,現政権も反対の声が多くある中であっても,信念に基づいた,国を思っての行動ではないかと考える。また憲法に反しているかは法整備後,訴訟が起こされて最高裁判所が判断するものであり,現段階でそういった判断はできるものではない。以上の点から本陳情については不採択とすべきである」など反対の意見が出されました。
【結果】

 不採択