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令和元年度 教育福祉環境委員会
勝村委員長)ただ今から,教育福祉環境委員会を開会いたします。 審査に先立ちまして,前回の教育福祉環境委員会において委員会として提出を求めた資料につきまして執行部より提出されましたので,ご覧おき願います。 本日の議題は,お手元に配付しております協議案件書のとおりであります。 これより議事に入ります。 所管事務の調査といたしまして、「石岡地域の医療対策について」を議題といたします。 本日は参考人として城西大学経営学部教授の伊関友伸君の出席を得ておりますので,「石岡地域の医療対策について」調査を進めたいと思います。 この際,参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日はお忙しい中にもかかわらず本委員会のためにご出席いただき,誠にありがとうございます。委員会を代表して心からお礼申し上げますとともに,忌憚のないご意見をお述べ下さるようお願いいたします。 早速ですが,議事の順序等について申し上げます。まず初めに,伊関参考人におかれましては,地域医療アドバイザーとして全国的にご活躍されておられますので、是非,石岡に類似した成功事例等をご紹介いただくとともに,石岡地域が抱えている医療課題についての考察と,有効と考えられる対策等について,活用できそうな国の補助制度等も含めて,ご意見を述べていただき,その後,委員の質疑にお答えいただくようお願いいたします。 それでは伊関参考人,お願いいたします。 伊関参考人)城西大学の伊関と申します。これからお話させていただく,今日の議題ちょっと初めて正直聞いたところで,資料としては用意していないんですけど,別にほかにも資料ありますので,それ使うことは全然できますので。 今日は地域に医療を残すために必要な事と言うことで,一番のこれから石岡市の医療にとって重要なポイントになるのは,やはり医師不足問題,その医師不足問題が何で起きているのかということについて,市議会の皆さんが理解を深めることが,やはりこれからの意思決定に一番重要なポイントになると思いますので,そこを重点的に話をさせていただこうと思っています。 スライドを使ってやらさせていただきたいと思います。お手元にも資料はあるんですけれど,自己紹介を簡単にさせていただきます。 私は,元埼玉県の職員をやっていました。17年で10か所異動したっていうのは茨城県の職員でもあまりいないと思います。最初は県民部の県民総務課というところで世論調査県政モニタ―の仕事,川越の土木事務所で川越市とか所沢市の道路や河川の管理,出納局の出納総務課で出納長という,こちらで言うと収入役というのがあったんですけど,その特別職の秘書担当で,当時の埼玉県のトップマネジメント3役の秘書担当で随行をずっとしてました。埼玉県庁の場合,係長試験がありまして,それに1回で受かると幹部職員になるんですけど,合格しまして1995年に大利根町の企画財政課長33歳だったかで,人口1万5,000人の街で,今は加須市と合併したんですけど2年ほど仕事をさせていただきました。戻って計画調整課と言う課で総合計画の策定をして,その間に県立病院の前に東京大学の大学院にですね,人事課付で2年間出向して勉強させていただきました。行政評価というテーマが当時一番ホットだったんですけれど,それでそのテーマで2年間勉強して本を2冊書きあげました。上山信一という大阪の橋下市長,東京都の小池知事のブレーンをやっている人間がいるんですけども,慶応の今教授やってるんですけど,彼と2冊本を出したのが学者になるきっかけで,戻る時に色んな財政課とか行政評価の担当というのもあったんですけども,県立病院が丁度埼玉県は4つあって,まさに改革の真っ最中で面白いかなと思って,希望して県立病院課に異動しました。その後,社会福祉課で地域福祉,最後が県立の精神保健福祉センター,これは県立の精神病院ですね。その仕事をさせていただいて,2004年に城西大学が経営学部が新しく出来まして,その新しい学部で行政学,行政関係を教えないかというお誘いを受けまして,埼玉県庁を辞めて今は城西大学のほうに勤務しております。もう間もなく埼玉県で勤務するより大学で勤務するほうが長くなってきつつあります。元々は行政学っていう分野の学者なんですけども,行政評価で研究テーマして勝負しようと思ったんですけど,この2004年に新しい市の研修制度が導入されて,あちらこちらで医師不足問題が起きる。それで象徴的だったのが2006年にですね,夕張市が財政破綻をして,夕張市総合病院という171床の病院が39億円の一時借入金を抱えて破綻しました。その再生の仕事をしたのが,今でもおそらく一番有名な仕事です。村上智彦先生という先生に来ていただいて,夕張方式という医療再生をやりました。それをきっかけにして,いわゆる自治体病院を中心なんですけども,現場に入って医療再生ができる学者というのは日本にはいません,正直。特に自治体病院関係ほとんどいないので,北は北海道から南は沖縄まで全国あちらこちらすべての都道府県で何らかの仕事してますし,茨城県について言えば筑西の病院の統合,あれは統合とあとローコストの病院建築もやったんですけど,250床で70億円,当時三重県の伊勢市で300床で132億円で造っています。半分近くのお金でローコストのお金で筑西の病院も建てたこともあります。あと神栖市の鹿島労災と神栖済生会の統合再編の委員会も参加させていただきました。そういうようなことを,最近は非常に多いのが病院の統合再編です。実際にこの統合再編もやっぱり難しいんですよね。単に国のほうが今統合再編すすめる形で,データに基づいて間もなくその,こちらの病院は対象にならないと思うんですけど,「統合したらどうですか」みたいなことを提示するっていう話も聞いていますけど,当然病院はそれぞれ勤務する職員もいる,また歴史もある,患者さんもいる,地域の事情もある,そういうものをちゃんと踏まえないでですね統合しても進むわけないんですよ。筑西が一番典型で,一番最後まで地域医療再生基金と言うのを使ったんですが残ってました。それを何とか色々調整しながらできたのが現実なんで,そういう統合再編の仕事が最近は非常に多くなってきてます。委員としては総務省の委員をいくつかやっています。自治体病院の関係については第一人者だと自負しています。実はいないんで,私しか正直な話ちゃんとやっている人はいません。現場に入っている人はいません。データをいじっている人はいますけども,ちゃんと現場に入ってやれる人間はいないです。内閣府の委員ですとか,厚労省はほとんど呼ばれていなかったんだけど,この前,地域医療構想の再編するためのですね,都道府県の担当者会議で講演させていただきました。あと医学書院という所の病院という雑誌の編集員なんかもさせていただいています。これが行ったところで,縮尺,小さいんで見にくいですけど,ほぼ日本全国行っているという形になります。著作は,町の病院がなくなるという本を筆頭に4冊出しました。一番最後が,もう5年前になっちゃうんですけど,自治体病院の歴史という700ページの非常に分厚い本を出しました。もう原稿を送ったんですけど,ぎょうせいからですね,10月か11月位に自治体病院の経営ということで本を出す予定になっています。あと,病院という雑誌が,これは医学書院という出版社の病院という雑誌の6人の編集員の内の1人をやっています。これが地域づくりの核としてという特集でですね,特集を私が組んで三重県知事だった北川先生との対談なんかもさせていただいてます。そういう人間とお話させていただくと。あと朝日新聞とコメントなんかもさせていただいて,ちょうどこれから地域医療構想でですね,病院の統合再編案が厚労省から出て来るんで,今そのコメントで朝日・読売・毎日・NHKから取材が来ています。おそらく発表になると何らかのコメントを出す形になります。あとご覧になったことないようですけど,市政という雑誌が市長室には山ほど来ています。ですが市長室からほぼ出てないようです。どんどんどんどん捨てられているようですが,ここにですね連載を隔月でやってます。これ隔月なんで8月号が一番新しいですけど,三豊市立永康病院という病院の医療再生について,これはもう書いています。これについては,三豊市議会さんがですね,非常に勉強されてですね,私を呼んでいただいてそれがきっかけになって再生なんかもしています。199床の病床を122床まで減らすんですけど,オール個室,差額ベッド代取らずというですね,かなり挑戦的な病院づくりをしています。住民のワークショップやったんですけど,三豊市議会の議員さんがファシリテーターとなって,各テーブルでですね,調整なんかもされたとか,そういうことも色々やっております。 そういう人間がお話させていただきます。 まずは地域の病院を巡って何が起こっているのかということで,今日のテーマは医師不足問題についてお話させていただきます。何で医師不足が起きるのっていうのが,やはり議員の皆様,なかなか分からないと思いますので,構造的にこれを掴むと,やっぱり病院のこれからのあり方についての判断の材料になるとは考えています。医師不足問題,マスコミの報道は一時期に比べれば減りました。正直,夕張の仕事をした10年前,この頃は本当に医師不足も深刻でしたし,マスコミも注目していました。これがピタッと止まったのは東日本大震災です。これをきっかけにして,もうマスコミの報道は本当に減りました。その前は,毎日のように取材がありましたし,テレビも山ほど出ました。だけども最近はそんなにありません。ただ現状はと言うとですね,地方の病院だとか中小の病院,これを中心にして医師不足は相も変わらず深刻です。都心部の病院は逆に言えばかなり充実してきてます。だけども地方の病院になると,なかなか医師は勤務してくれません。これが現実です。医師不足の原因,色んな要因があります。まずはですね,医師数が少ないと,これは医学部の定員なんですけど,日本はですね実はずっと医師不足が起きていたわけじゃなくて,医師が余っていた時代もあります。これは戦争中にさかのぼるんですけど,第二次世界大戦の時に,いわゆるお医者さんが皆,軍医さんとしてかりだされると,非常に医師不足が深刻になりました。その時に医学専門学校というのを国がつくりました。官立,いわゆる国立で,青森,前橋,松本,徳島,米子,いわゆる地方の県を中心として医学専門学校をつくりました。前橋は前橋医専です。いわゆる北関東で医師養成機関が必要ということで,当時,中島飛行機の社長さんが動いてですね,群馬に医学専門学校を持ってきました。道府県立も医学専門学校をつくっています。例えば,北海道女子医専,これは今の札幌医科大学,福島県立女子医専,これは福島県立,今の医大です。例えば,横浜市立医専,これは横浜市大の医学部です。こういう形で,あちらこちらにできたんですけど,これらの学校がですね戦後廃止になった所もあるんですけど,まあ大学になると。そうすると医師の要請が非常に増えちゃったということになります。戦争に負けたので軍医さんが失業する,朝鮮台湾からお医者さんが引き上げて来る,日本の一時期,昭和20年から30年代前半にかけては医師は余っていました。その受け皿になったのは,実は地方の国保病院が特に中心だったんですけど,そういう所が医師の受け皿になりました。医師不足が起きるのは昭和30年代の後半です。昭和36年に国民皆保険が確立します。一番最後まで残ったのが都市部の商工労働者なんですけども,横浜だとか名古屋とか大阪が,国民健康保険を最後導入します。同時に高度経済成長になって豊かになって来るんですよ。豊かになるとお医者さんが受ける機会が増えるんで,都市部に医師の需要が出て,医師がだんだん足りなくなってくると。昭和45年にですね,秋田大学の医学部が戦後初めて設置されるんですけども,それ以降,最初は私立大学を中心に,例えば埼玉医科大学とか,隣の獨協医科大学とか私立なんかを中心にしていたんですけど,昭和47年に田中角栄さんが日本列島改造論を掲げて内閣総理大臣になったと,そこに大学の地方分散というのがあったんですね。医大のない県に医学部をつくると。それで茨城県については筑波大学に医学部ができるという形になります。全ての県に医学部をつくったら,今度はつくりすぎちゃったわけですよ。琉球大学の医学部ができたところで8,200人。昭和30年代が3,000人切っていたのが,昭和50年代には8,200人まで増えちゃったと。これさすがに都市部では医師が余ってくると。さらに世の中の流れが変わってきて,昭和46年だったかな佐藤栄作内閣の最後の時に,老人医療費の無料化政策が導入されます。それでこう高齢者が医療を受けることはいいんですけども,結局,健康保険会計が非常に厳しいと。行政改革の世の中の流れになってきて,土光敏夫さんが第二臨調会長をされたと。その時の課題は国鉄の民営化だったんですけど,同時に健康保険と食かん,いわゆる米と健康保険と国鉄,3Kと言われたんですけど,その改革になると。医療費改革ということで医学の定員を抑えました。行革と医師の定数が一体となったので,2,000年くらいには医師が不足していたんですが,そのままいったんで医療崩壊が起きると,それで今急激に増やしている状況です。人口当たりでみると日本はやはり医師数は少ないような状態です。OECDの単純平均がこのくらいだと,加重平均でこのくらいだと。日本は非常に人口当たりの医師数の少ない国だということが分かります。だいぶ増えてきたんですけど,他の国も増やしているので,なかなか順位は上がりません。さらに医療が高度専門化しています。私,行政学という学者,研究者なんですけど,学生によく言ってるのは,良いことと悪いことはセットなんですよ。悪いことだったら悪いことだけを取り除けばいいんですよ。だけどそれでは解決しないと。良いことと悪いことがセットだと,正に医療が高度専門化すると,これ非常にいいわけですよ患者さんにとっては。ただ,例えば20年前だったら糖尿病で心臓病を併発した患者さんが高齢者で多いと思います。これを一人の内科医で診れてたんです。だけども今だと大病院だと糖尿病内分泌代謝の専門医,心臓病循環器内科の専門医,放射線の専門医,CTだとかMRIの画像をみる人,要はいっぱいのお医者さんで大量の知識を抱えて分担することによって見落としが無くて良い医療ができるんですけど,結局お医者さんがいっぱい必要になってくると,これも現実だと。人口は急激に高齢化しています。例えば,高齢者の場合,癌だとか生活習慣病,長い期間医療を受ける病気にかかります。癌にかかるとやはり5年間くらいは再発のチェックをする,糖尿病だとか高血圧とかになると定期的にお医者さんにかからなければならないと。こういうお医者さんにいっぱいかからなければならない人が増えて来る。体調を崩す高齢者が救急外来に数多く集まる。これはこれからも石岡にとっても,後で最後に言いますがポイントになってくると思うんですけど,高齢者が,特に75歳以上の後期高齢者が増えてきます。そうすると体調を崩すと,やっぱり高齢者救急というのは確実に増えてきます。それに対しての対応がやっぱり必要になってくると。今でもですね救急外来に高齢者の方が数多く集まって,救急病床が高齢者でいっぱいという病院も結構多いです。さらに病院で亡くなる人の割合が増えています。これが病院で亡くなる人の割合です。こちらです。昔は10パーセント病院で亡くなったら贅沢でした。今は80パーセント当たり前になっています。1980年代はだいたい40万人位です。今はだいたい90万人位。これから団塊の世代の人たちが本格的に診取りが必要になると,160万人お亡くなりになると言われています。そうすると,私,埼玉に住んでますけど,埼玉辺りだと病院で死ねない時代がやってくると言われてますし,おそらくそうなるだろうと思います。さらにこれも決して悪い話ではないんですけど,医療現場にインフォームドコンセント,患者さんに十分説明して同意を受けると,でもこれ手間がかかるんですよね。今だと例えば,神戸市立中央医療センターだったかな,日本で一番の自治体の病院なんですけど,ここだと5時以降のインフォームドコンセントはしません,お医者さん忙しいんで。そういうような時代にもなってきている,現実です。さらにこれも決して悪い話ではないんですけど,女性医師の数は年々増えています。試験を受けると女性のほうが優秀なんで,合格率高いです。筑波大も女性の医学生さんの数は非常に多いと聞いています。男女共同参画の考え方からすると当然なんですけど,女性医師の場合,どうしても出産・子育てで臨床の現場から離れる,さらに男性も女性も子育てをしやすい社会をつくる必要があるんですけど,なかなかそうなっていない。これが女性医師の数ですけども,医師数は全体の数で言うと確実に増えています。女性医師の場合ですね,これも厳密なんで価値判断とは別な事実ということで,要はこの都市部でですね政令指定都市,中核市で働く医師の割合をみてますけど,男性と女性です。要は女性でみると都市偏在すると。指定都市とか中核市そういうところで勤務をするという形になります。都市的なところで勤務する。地方の地域ではなかなか勤務してくれない。これから女性医師の数は増えてくると思います。とすると都市偏在が加速する可能性はあるとはみてます。現実ですデータとして。少ない医師で多くをこなさなければならないんで,日本の労働環境は非常に劣悪です。特に医師不足が深刻な産科,小児科,救急,こういうとこだと過労死寸前の状況になっている。結局ですね,病院でみると月曜日から日曜日まで24時間365日必ず医療を提供しなければならないわけですよ。この時間からというわけにはいかないんで,24時間365日必ず誰かが張り付かなければならない。例えば石岡市医師会病院さんにしろ,石岡第一病院さんにしろ4人の常勤医でやられている。あとほかの応援をいただいているんですけど,結局常勤でやるとすると,1,2,3,週2日位やらなきゃならない。これが医師数が20人30人いれば全然違ってきます。正直な話,救急をちゃんとやる場合,内科医2名体制にしなきゃならないんですよ。そうするともう40人50人いないと実は完全な体制とれません。じゃあ内科の先生が外科の外傷の方の救急を受けられるかというと受けられないわけですよ。逆に外科の人が内科の患者さんを受けられるかと言うと,なかなか難しい面もあると。結局は数は力なんで医師数の多い病院に医師が勤務する傾向が強くなってくる。特に救急なんかだと小さい病院で,もう医師免許取りたての若い先生が,誰が来るか分からない救急患者さん診るから非常に大変ですよ。そしたら大きな土浦協同病院みたいな所で勤務して,色んな人がいて指導を受けながらちゃんと救急やりたいと,そう言う人が多くなるのは当たり前だという形になります。 そういう中で2004年に新しい医師の研修制度が導入されました。これ自体は決して悪い話ではないんですけども,2003年までは例えば耳鼻咽喉科の,例えば筑波大学医学部に合格して,6年目に医師免許を取ります。耳鼻咽喉科の局に属します。耳鼻咽喉科の患者しか診たことがないんですよ。風邪ひいた患者を診たことがないんですよ。それではいけないだろうということで,2年間ですね医師としての基本を身に着けてもらう。内科・外科・小児科,2年目には地域医療というのがあるんですけど,そういうものを受けてもらう。ただこれ小泉さんの時代,2004年に導入されていて,競争原理というのがこの時代の雰囲気にあるわけなんですよ。そうすると医師がですね自由に研修の病院を選んでいたんです。結局は若い医師の多くはですね,都市部の大病院を研修先に選ぶ結果となる。若いお医者さんが行って,特に地方の医局なんか本当にいなくなりました。そうすると本院を維持するために医師を派遣した病院から医師を引き上げる,大学医局の派遣から通っていた自治体病院とか公的病院から医師が引き上げられる。これが制度が導入される前のあたり,大学にどれくらい残ったか。だいたい6割位は残っていたんですよ。それが例えば北海道はもう3割位しか残らない。特に旭川医科大学なんかも100人近く定員いるんですけども,10人位しか残らない。こういう状況です。それじゃ関東はというと東京大学や医科歯科大学は残ったんですけど,千葉大は大幅に残らなくなっちゃいました。それで医師を派遣していた九十九里側の病院から医師を引き上げて,残ったところで一生懸命働いたんですけども、お医者さんがいたんですけども,もう疲れ果てて全員辞めるという。内科医がゼロになるというような病院が続出しました。 大学で本院A,Bがあるんですけども,本院は何とか維持しなければならない。Aも拠点病院なんで維持しなければならない。Bはもう送れないから自分で頑張ってねというところが続出しました。さらにこの医療崩壊の要因が色んな形でまだ続いています。新専門医制度というのがまず一つ。さっきは職員研修2年なんですけど,後期研修というその後の専門医の資格を取るための制度なんですけど,基本領域というのは19領域あります。総合診療というのが新しく導入されました。これが期待されているんですけど,なかなかここにご希望される若いお医者さんは少ないです。よく消化器内科とか循環器内科とかあるじゃないですか。この専門医をとるためには内科の基本領域を取らなければなりません。サブスペシャリティと言う内科の基本領域を取ったあと,内科を取らなければならない。 若いお医者さんが勤務するためには認定施設みたいなものが必要です。ちょっと忙しくて申し訳ございません。茨城については書いてないんですけど,これ兵庫県です。兵庫県も山ほど病院ありますけど,教育病院というのはこれだけです。教育関連病院はこれだけです。要は一定のレベルに達していないと,なかなかこの認定教育施設になれない。当然土浦協同病院は教育施設のはずなんですけど,今の石岡市内の病院とこの関連病院はちょっと取れる状況ではないだろうと。そういう中で平成30年4月に新しい専門医制度が導入されました。この制度導入によって医療崩壊の新たな要因になる可能性が高いと言われています。結局ですねそれぞれ今まで専門医って学会が勝手に認定していました。それを共通で日本専門医機構というとこでチェックするようになったんですけど,そしたら何が起きたかと言うとですね,制度を難しくしちゃったんです。これ内科が典型なんですけど,初期研修の後,内科研修をして認定内科医を1年で取れました。その後循環器内科とか消化器内科とか,この後期専門医を3年間やって,そしてサブスペシャリティの専門医を取るというのがステイでした。それが新しい制度だと内科を3年間やると,その後やると,少しショートカットする制度はあるようなんですけど,結局6年で専門医が取れていたのが8年かかるようになってしまった。それだと早くても3年で取れるような領域のほうがいいわって話で,内科系の,外科も同じような傾向になるんですけども,専門医を取る人が減っちゃいました。結果何が起きたかって言うとですね,後期研修がですね,東京の一極集中が加速して,内科外科の研修医が大幅に減りました。初年度のやつなんですけども見ていただければ,実は茨城,決して悪くはないんです。今,群馬が北関東で言えば最弱です。群馬大が不祥事を起こして,もう群馬大に残らなくなっちゃったんですね。逆に茨城は人口当たりでみると埼玉に次いで低いですけど,実は筑波は人気大学になっています。残るようになってきてます。栃木は自治医科大学と独協がそれぞれ結構それなりに集めていますので,見ていただければ,これ群馬大変です。茨城は今大変だけどここでちゃんとした体制を整えて,筑波大からの医師派遣を受けられるような体制にすると将来は期待を持てるかなと言うのが現実です。もう一つ宮崎でみてください。内科9,外科2,小児科2,産婦人科1,もう宮崎県だと外科の手術さえもできない。小児科もいない,お産もできないという状況になりかねない。やっぱりここが物凄く重要です。茨城の場合は産婦人科,何だかんだ言って9,小児科9いらっしゃいます。東京は物凄いです。1,700います。正直ただこの内科外科は昔から比べて減ったと言われています。やっぱり都内の大学でも内科医は減って,非常に派遣が厳しくなっているという話です。県によって大学の勢いがあって,医科大学の勢いがあってですね,勢いのある大学は医師供給力がどんどんこうそれなりにあると。ないところは非常に厳しいと。そん中でみると茨城について言えば筑波大は結構信用に至るレベル期待できるレベルです。これからが期待できるかなという気がします。 さらにこれも問題なんですけど,医師の働き方改革というのが導入されることとなりました。これはもうすでにですね2019年4月から働き方改革関連法案というのがもう成立していて,一般労働者の残業時間の上限を年720時間,休日を含めて960時間が上限なんですけど,お医者さんにこのルール適用すると医療現場まわらなくなります。非常に長時間勤務です。5年間実は先送りされています。要は猶予して2024年4月からこれ地域医療確保暫定特例水準というですね,救急をちゃんとやっていてそれが一定のところで認められると,そうじゃない所はもう960時間に逆になっちゃうんです。そういう所は1,860時間まで認められるようになりました。これを過労死水準なんですけど,もう医療をまわす,救急をまわす場合にはやむを得ないものということで設定されています。結局ですね今まで上限がなかったんです。これが上限がきっちり規定されると。それでこれ病院の勤務医の方のいわゆる労働時間なんですけど,1,920時間以上の基準,この人たちが10パーセントいると言われています。後でも紹介しますけど,大学病院,あと救急やっている病院このへんは厳しいです。年間の労働時間でみていただければ,300日を超えているのが,お医者さんで言うと35パーセント超えていると。これが現実です。80時間を超えるようなお医者さんがいる病院というのは,大学病院が非常に多いと。さらに救命救急センターがやっているところも非常に多いのが現実です。ただこれ5年先に導入されるとですね,一番最初に大変になるのは大学病院もそうなんですけど,大学病院から医師派遣を受けているような,中小の病院がかなり厳しいかなと言われています。それなりの規模があって医師が独自に集められるところは,それなりの維持ができる可能性があると。もうどういうふうになるか分からないんですけども,医師供給力が弱くて,それで医師の勤務時間を守らなければならない大学あたりだと,引き上げが起きる可能性があるとみています。まあ結局今はこういう形の労働時間です。この2万人の1割をこっちへもう減らすと。それでここの人たちもこっちへ減らすと。要は労働時間を短縮させなければならない。そのためにはですね,よく言われているのは,ある程度を統合して,医師数を集めて,そして医師一人当たりの負担を軽くすると。それが厚労省,医療費の削減みたいなことが何かちらちら出てくるんで,これは問題だと思っています。この医師の働き方改革の視点では病院の再編統合というのは,時代の流れと言いますか必要性としては合うんだろうと私は考えています。 結局ですね,病院が二極化してます。医療の高度専門化に対応して医師看護師が集まる病院は収益が上がります。医療機能の向上のための再投資がしやすいです。医師看護師が集まらない病院は収益がなかなか上がりません。医療機能向上のための再投資ができないと。成長する病院と衰退する病院と二極化しています。医療の高度専門化に即した病院は医師がたくさんいます。看護師さんがいて専門スタッフがいっぱいいる。高額な医療機器も入れますと。それで回転が非常に早くなります。土浦協同病院に入院するとすぐ出されちゃうという話ですけど,これやむを得ないところもあって,あれだけの重装備でいうとですね,在日数を短くして回転をよくしないと収益が上がらないわけですよ。収益源は手術です。いっぱい手術しているところが収益が上がるというビジネスモデルになります。医療の高度専門化に対応できない病院は,医師が少なくて看護師が少なくて専門スタッフが少ないと。そういうところはどうしても高齢者の療養が中心となります。前はそんなに変わらなかったんですよ。この医療の高度専門化に対しては高度急性期病院と普通の病院が。今は診療報酬だとかそういうものが,やはりこちらの高度専門化に対応した病院に手厚くなっているんで,今高度急性期病院の中でも生き残り合戦をしています。ある意味,土浦協同病院なんかはいいんですけど,例えば水戸市内の日赤,協同,済生会,このあたりだと病院の規模が中途半端で,医師数も中途半端だと。なかなか大変でここは再編を逆にしなきゃならない。ちょうど11月だったか茨城県の医師会さんに呼ばれて,統合再編についての講演を水戸市内でさせていただく予定なんですけど,やっぱり何だかの形で水戸市内も病院の再編統合が必要な時代になってきています。これが病床規模値の100床当たりの医師数です。要は病床規模の多いところに医師は集まっています。300床以下にはなかなか勤務してくれないというのが現実です。ただ,例えば199床レベルでもやっぱり特徴な医療をやるとか,ある程度いい指導者がいるとか,そういうところに医師は集まってきます。ただ病床だけがあります,勉強になりません,大変なだけだということだと,なかなか若い人は来てくれないのも現実です。 それじゃ石岡市の医療について簡単にお話させていただくと,この将来人口がこんな感じになります。これ人口問題研究所の中位推計ですが2015年の時点です。だいたい今の状態。男性女性です,これは皆さん見られているでしょうけど,要は75歳以上人口はここで,この65から69の人たちが団塊の世代と呼ばれている人です。昭和22年から24年生まれ,この人たちはまだ健康です。ただ,この人たちが75歳の高齢者になってくるとさすがに色んなところで病気だとか介護が必要になってきます。それがよく言われる2025年問題です。5歳ずつなんです。要はここから75歳になります。この辺りから高齢者の医療がいよいよ深刻化してきます。こんな感じになります。90歳以上の女性の高齢者が人口構成的には一番多いです。2,000人を超えると。この2045年の時点で,実は第二次ベビーブーム世代が70歳の前期高齢者になります。要は見ていただければ分かりますけども,2015年の時はここです,高齢者そんなにいないんですよ。それが物凄い数の高齢者が増えてくる。これがまだあと20年くらい,第二次ベビーブーム世代が本格的に看取りが必要になるところまで,大量の高齢者の医療,これは高齢者の救急って先ほど言いましたが,例えば体調を崩すと,その人たちのちゃんと救急を受けられる体制がないといけないわけですよ。それを今の状態だと相当まだ厳しいだろうと,今は何とかなってます。だけどこれから先のその75歳以上の高齢者の増加を考えると,今の体制の状況で本当に救急大丈夫なのか,当然土浦協同病院にも大量の高齢者が救急でやってきます。だから今の後期高齢者の救急対策対応ができなくなる可能性はあると思っています。石岡と小美玉の状況についてということで,病床数でみると石岡第一病院が126床,医師会病院が120床,山王台病院が52床,あと石岡循環器脳神経外科が63床という形になっています。医師数はというと石岡第一病院で常勤扱いで8,山王台病院が7,まあクリニックがあるんでもうちょっといらっしゃるみたいですが,医師会病院が4,石岡循環器脳神経外科病院が5という形になります。ちなみに筑西で統合した例ということで,筑西で茨城県の西部メディカルセンター250床ですけども,ここがですね今医師数が24,これも決して多いわけではないですよね。正直な話し救急をちゃんとやる病院だと30から40ぐらい医師がいないとやっぱりまわらないだろうとみてます。できれば50欲しいわけですよ。その点でみると今の石岡第一病院,山王台病院も非常に一生懸命救急をやられておられているんですけど,まだまだやれるぞというファイティングポーズは取られておられてますけど,これから大量に増えてくる高齢者の救急だとか色んな医療事業を考えると,やっぱりもう少し医師数は石岡市としても多いほうがいいだろうという見立てはしています。要は石岡市小美玉市の医師数は少ないと言わざるを得ないと。病院の統合再編,これは選択肢の一つだと思うんですけど,医師が勤務する病院だとか地域をつくるのはやっぱり課題だと思います。それについて何らかの対応はしないと,現状維持だと将来の対応ができなくなる危険性はあるとみています。 とりあえず手元の資料としては以上で,あと,先ほどあった統合の事例ということで,ちょっとお待ちください。これは厚労省の医政局で統合研修会で呼ばれた時のやつなんですけど。これ私が公的病院の統合再編バージョンアップに関わった事例ということで,これだけやっています。こんな形で。成功事例と言うことで,これちょっと大きすぎてですね,逆に参考にならないかもしれないですけど,加古川と言うところで2つの病院を統合しました。加古川市民病院というところと神鋼加古川病院,この2つの病院を405床と198床,600床の病院。ただ加古川市民病院って14人在籍した医師数が1人まで減っちゃった。こんな状況になりました。統合することで地方独立行政法人をつくって,神戸製鋼の社員さんは全員,いわゆる地方独立行政法人の職員になりました。これ統合の新病院はこんな感じでできたんですけど。これはもう医師数凄いです。そう医師数が69人でスタートしたのが,今200人ですね。内科医の数もめちゃくちゃ増えて72人です。研修医の数も27人です。救急の搬送件数も非常に増えたと,やっぱり救急の搬送件数っていうのはその医療の受け入れ態勢のメルクマールになっています。 あともう一つは,これは反対運動が起きてですね,加賀市の医療センターと言うところで,加賀市民病院と山中温泉医療センターというところを統合しました。300床になりました。非常に住民の方々から大反対運動が起きました。その中で検証委員会というのを作って,北川先生が委員長をやって私が副委員長をやったんですけど、色んな議論をして市民の声を聴く会なんかで自由に3分間意見を出していただきました。これ300床の病院が最終的には進めるべきだということで了解を得たんですけど。最悪の時は加賀市民23名の山中9名の32名です。2019年時点で医師は42人,初期研修医が5名ですか合計47名。非常に医師が集まる病院となってます。重要なのは病院が統合すると移転する場合があります。そうすると住民の皆さんが反対します。ここ加賀市は町中の拠点施設として再整備しました。こういう形で。いろんな保健センターとか子育て施設だとか,シルバーワークプラザだとか保健センターだとか,4階は日本語学校だとか,外国人の日本語学校とか色んなものが入っています。公共団体の施設だとか。こういう全体の目配りをしないと統合再編については合意がされないと思います。 財源については,統合再編する場合には,いわゆる自治体病院化をする場合は企業債と言うのを使えます。企業債が使えてそれがだいたい統合再編すると40パーセントが地方交付税措置になります。ですのでおそらく統合再編した場合,自治体病院化していくのが一番財源的には有利です。建物については40パーセントの地方交付税で,自治体病院化すると1床70万の普通交付税措置もあります。それを運営のお金として,要するに上乗せせずにそのまま渡すという形で行けば,市の持ち出しがなく病院を運営してもらえると。これ指定管理者でおそらくやっていくのが一番合理的かなというのは正直な話しであります。自治体病院の場合は病院の利用数かける70万円が普通地方交付税措置となります。こちらは不採算地域じゃないんでおそらく特別地方交付税の対象になりませんけども,救急とかをやるとその分の財政措置があります。病棟の整備,医療機器の設置に関する企業債に対して普通交付税措置,再編統合の場合は40パーセントになります。財政措置があると。ここは非常に優位です。これを単独の全部自治体が関与しないで自前で例えば建物をつくったり運営をした場合は,これは非常に財政的に厳しいです。救急なんかの財政措置をした場合はですね,特別地方税の措置は一定数ありますけど,金額的に見れば少ないです。そのあたりちゃんと金額を確定した上で運営金額を明確にして,その分交付をして運営をさせている指定管理の例は非常に多いです。地域医療振興協会さん,正直なところ指定管理が通常で直営でやっているのは,ここの石岡第一病院と,これ一番最初だったからのようです。あと,浦安の東京ベイ,それに練馬の光が丘,東京の北,要は都心部,あともう一つ今井浜という伊豆にあるんですけど,これが直営でほかは全部指定管理で運営されています。今のところお金がないから追加で財政措置をしてくれって聞いてないんで,ルールを守ればその分だけ運営はしてくれる可能性は高い組織かなという感じは全国の事例を見ていると感じています。だいたいご要望があったこと,あと追加でこれ出すようにします。以上で終わります。 勝村委員長)ありがとうございました。 以上で参考人からのご意見の開陳は終わりました。ただ今の件に対し、何かご質問等がございましたら、挙手によりこれを許します。 石橋委員)先生,本日はお忙しいところ本当にありがとうございました。 石橋と申します。 ちょっと基本的なところ確認をさせていただきたいと思います。 日本医師会のホームページを確認いたしましたら,現在,日本医師会の会員数としては17万1,150という数字がありました。その中で茨城県が2,493と言う会員数だったんですけど,これは実際に医師免許を持っている先生方イコールこの医師会の会員数ではないのかなという感じがするんですけど,実際のところは現実に医師免許をお持ちの先生方というのは何人位いらっしゃるのかお伺いいたします。 伊関参考人)ちょっと調べないと分からないですけど,要は弁護士の場合は全部日本弁護士会に確か所属することが義務付けられているけど,医師会については任意なんで,その開業医さんはだいたい入られている方が多いと思うんですけど,勤務医の方は所属されている方とされていない方がいます。例えば,院長副院長クラスは医師会に入っているけど,一般の若いお医者さんなんかは入っていなかったりすることもあります。逆に言えば地域の医師会と協調するには全員が医師会に所属されている病院も正直あったりですね,医師会の数が全員全て医師の数とはリンクしないということになります。 石橋委員)ありがとうございます。日本医師会のその17万1,000会員の中の内訳として,今先生のお話をお伺いして理解できたところですけども,開設者いわゆる経営者なり開業者の皆さんと勤務医の割合がちょうど半分半分だったんですね。そういう意味では先生の話を聞いてよく理解ができたところかなと思うんですけども,そうしますとその実数について,臨床医の先生方とそうでない先生の割合と言うのはどれくらいになるんでしょ現状的には。 伊関参考人)細かいところと言うかデータについては分からないけど,当然,臨床医の先生方は圧倒的に多いと思います。医師の場合は定年ないんでね,かなりお歳になっても臨床やっている方もいますし,数的にはものすごく多いだろうと,それ以外に例えば研究されている方とかそういう方はいらっしゃいますけど,どちらかと言うと少数だと思います。一般的な傾向としては開業される方は段々減ってきているのは確かです。都市部では開業されますけど,地方だとなかなか開業されないと。おそらく石岡でもですね,新規で開業される開業医さんってほとんどいないはずで,年齢が段々上がってきているはずです。これが平均的な地方の状況で,この先10年経つとですね,もう開業される医師がいなくなるという地域が出てくると。そのためにもある程度,私は病院等をつくってですね,そこ外来機能も維持するという観点からは必要かなというふうには思っています。場所によっては例えば特定の診療科,産科だとか小児科だとか,そういうところの開業支援でですねお金を出して開業していただくという地域も正直あるんですけども,それでも条件が地方だとなかなかあえて開業するっていう,まあ昭和40年代とか50年代,昔インターン闘争って昔あったんですけど,この辺りで開業してっていう人たちが結構いるんですよね。それ以降かなり地方でその開業した方がいよいよ高齢になられて維持できなくなった,あとを継ぐ人もいないんで廃業されていくというところも結構多いかなと。人によっては当然あとを継がれたり,新規で開業されたりする人はありますけど,全体の傾向としては開業医さんについては年齢が高くなって廃業が続いている傾向が,地方については多いというのが現状だと思います。 石橋委員)ありがとうございました。石岡の地域でもですね,ここ何年も新規の開業,クリニックがないという現状,確かにその通りではあるんですけども,その要因の一つとして一時期有床診療所がかなり制限されていました。また最近制度が変わったようで,有床診療所の開設が認められたというところはあるんですけど,そうは言いながらも,やはり石岡の地域的な魅力という意味で石岡で開業してみようという先生方,まあそういう部分,今までのお話の中で病院の再編統合という部分も大変大事かなとは思うんですけど,やはり石岡で個人的にも開業してくれるような,まあ我々の責任にはなってくるんですが,地元としての魅力創設というところも大事なのかなと感じてはいます。個人開業,有床クリニックの展開という部分で先生はどのようにお考えなのかお伺いいたします。 伊関参考人)いわゆる無床の場合は色んな形で誘導するのは比較的できると思うんですけど,有床の場合はどうしても看護師等のスタッフがですね,今日は正直時間がなかったので言わなかったんですけど,医師不足もあるんですけど,実は看護師も都市偏在していて,なかなか地方で勤務してくれないと,だから有床診療所でも一定の看護師数,例えば19床の病床を維持する場合は,看護師の雇用ということがあるので,新規開業だといっぺんに集めなければならないですから,相当ハードルは高いだろうなと。だからあるとすると石岡駅周辺で交通の便のいいところで無床のクリニックを開業される方はいるかもしれないんですけど,有床のクリニックを開業されるのは相当厳しいだろうなと。またもうちょい離れた地方だと患者さん集めることも考えると,なかなか厳しくと。おそらく交通の便のいい立地のいいところに勤務,開業される。場合によってはこれも都内に住んでいて通勤で駅前近くに開業される方は,ひょっとすると出てくるかもしれないんですけれど,そういう方の開業が本当に地域にとって望ましいか,地域に密着した形じゃない開業がされることがいいのか,これは医師会の先生方のまたご意見もあると思うんですけども,こういうのも現実かなと言う感じはします。やっぱり医師会というのは地域に密着して地域の人たちとともに医療をつくっていくというのが,やっぱりその医師会のあるべき姿だと思うんで,そこができるような体制にしていくというのも,おそらく重要なポイントなのかなと思います。 勝村委員長)ほかにご質問等はございませんか。 菱沼委員)先生ありがとうございました。 私のほうから何点かお尋ねしたいと思います。 先ほど教育ということでありましたけども,茨城県内の教育できる病院という部分においては,実際にどれくらいあるんでしょうか。 伊関参考人)正確にはちょっとあれなんですけども。それなりにはあるはずです。やっぱり医師が集まっている病院は研修体制が充実している病院で,例えば水戸の協同病院,ここは筑波大の寄付講座で総合診療で研修できるような体制つくって医師が非常に集まってきている。今でもかなり水戸市内の病院では多いほうなんですけども,研修体制が充実していると,やっぱり若いお医者さんが勤務されますんで,そこのところがポイントなのかなと。だから研修体制をまず充実させることで,例えば筑波大のお医者さんであり,また例えば地域医療振興協会さんが教育体制をちゃんと充実させると,全国の若いお医者さんとかそういう人が勤務される可能性はあるのかなと。結局医師不足は勤務医不足であるし,若い医師不足であるんで,若い医師に勤務してもらうには何よりも研修体制,それはいわゆるさっきの認定の施設であることも重要なんですけども,何よりもいい指導者の先生がいらっしゃるとこには,ぐわっと集まるんですよね。私も水戸協同病院でですね,今ちょっと変わられましたけども,徳田先生が闘魂外来ってやってたんですけど,全国から腕のいいお医者さんとか若い医学生さんとかが集まって,徳田先生の指示のもとですね診療なんかも救急の診療なんかもしてたんですけど,そういうところには人が正直集まってきます。やっぱり教育体制を充実させるってことが重要なんだろうと。土浦協同病院でも当然教育体制は充実しているから医師が集まって来るんで,そういうことにお金も使うし努力されることが一番遠回りのようで一番近道だと思います。 菱沼委員)私も先生が言われるようにまさにその通りかなと。やっぱり教育無くしては育っていかないのかなと思いました。 それから先日もある先生からお話があったんですが,都内の先生も我孫子くらいまでは来るけど,なかなかこっちには来てくれないという状況,そういうお話もあったんですけども,実施に先生からみて石岡の部分においてはですね,どういう例えば専門の何かをつくれば違うのかなという感じはするんですが,実際に我々も非常にこう何を一番にしてくのか難しい立場にいるんですけど,先生から外部から見て石岡何かこういうのがあれば活性化につながるだろうということがあればお聞きしたいんですけども。 伊関参考人)おそらく土浦協同病院と戦ってもしょうがないんですよ。高度専門医療をやるというのは相当難しいかなと。重要なのはこれから増える高齢者が安心して生活できるような高齢者の医療,あと将来に可能性を託す子ども達に安心していい医療が提供できる。いわゆる高齢者と子どもを中心としたような医療をすることがもの凄く重要だと思います。その中でいわゆる地域医療振興協会の石岡第一病院さんてのは,あそこは自治医大出身の方で総合診療医と,いわゆる色んな疾患について全体を診ることができるお医者さんが中心となって運営されているんで,おそらく総合診療を中心として,子どもも診れますので子どもと高齢者をちゃんと診れる,そこで勉強になるということが売りの病院になるのが一番かなと思います。そこが今の資源のところでは最大の強みになると思います。その他に例えば産婦人科とか新しく持ってきたいんですよ正直。ただなかなか難しいです。例えば3人セットで来ないとダメなんですよ。例えば脳神経外科にしろ,心臓血管外科にしろ,そういう最先端の人たちは1人ではダメなんですよ。3人とか5人セットで来なきゃならないと。それを最初から集めるのは相当難しいんで,やっぱりあるとすると今あるスタッフまたは体制を維持しながら教育を付加価値付けていくとすると,総合診療とかいわゆる総合診療の小児科そういうところがメインになってくるのかな。 距離的にみると石岡近くはないですね。土浦がギリギリ,本当は我孫子ですね。でも教育が充実していればそれなりに来ます。水戸協同病院で闘魂外来の時に,帰りに常磐線のグリーン車に乗って若いお医者さんたちと皆で酒飲みながらしゃべりながら帰りましたけど,ちゃんとした教育体制あるとある程度の距離は回避できると。研修体制が充実していることは距離の問題を解決する一つの方策だと,あとはお金もあります正直。もう一つ言えば筑波大というかなり残るようになってきた中で,やっぱり近さはあります。都内だけではなくてつくばといわゆる都心と2方向からの医師の流れをちゃんと受けるということもありますので,その点でみると石岡は決して悪いところではないと。もっと北のほうの条件の悪いところもあります。例えば北茨城なんかも研修体制あるので一定のお医者さん勤務されています。そういう点でみると,東京からの流れとつくばからの流れ,さらには地域医療振興協会さんですので,筑西もそうですけど県西メディカルセンターもそうですけど,自治医大と筑波大と両方の大学から協力を受けてますので,自治医大さんもお医者さんの流れとして,その3方向から医師を集めるといそういう戦略もあるかなと思います。 菱沼委員)最後に1点なんですけど,先ほど先生から病院の二極化ということでしたけど,その二極化の部分においてはどれくらいがラインと言いますか,非常に難しい部分だと思うんですけど,だいたいこれくらいのラインが一つの経営と言いますか石岡市にはあっている,まあ病床にしてもですね,これくらいのベッド数があれば先が見えるみたいな先生のご意見をいただきたいなと思います。 伊関参考人)正直な話し病床については上限があるので,その中で今の石岡市内の病院の病床数が上限とすると,経営考えていると199床の病院を1つつくって,残ったところは既存の機関で病床を増やしたいところもあるというふうにお伺いしてますので,そこは応援してあげたいなというところが正直なところです。1つだけ病院をやれば他の病院がなくなってもいいなんてことは絶対なくて,他の病院が皆一生懸命頑張って今までの医療を作ってきているので,できるだけ皆の病院がこれから将来に希望を持っていい医療をできるような,そういう支援を石岡市としてもですねしていただければなというふうに思います。 勝村委員長)ほかにご質問等はございませんか。 〔「なし」との声〕 勝村委員長)ないようですので,以上で参考人に対する質疑は終了いたします。 この際,委員会を代表して一言お礼を申し上げます。 本日はお忙しい中を本委員会のためにご出席し,貴重なご意見を述べていただき心から感謝いたします。 本委員会としては,この貴重なご意見を今後の委員会調査に十分生かしてまいりたいと思います。 本日は誠にありがとうございました。 それでは参考人におかれましては,ご退席いただいて結構でございます。 ありがとうございました。 暫時休憩いたします。 -休憩(参考人退席)- 勝村委員長)休憩前に引き続き,会議を開きます。 次に,その他の件といたしまして,ご発言は,ございませんか。 〔「なし」との声〕 勝村委員長)ないようですので,その他の件を終結いたします。 以上で,本日の教育福祉環境委員会を閉会いたします。 |