![]() |
〒315-8640 茨城県石岡市石岡一丁目1-1 Tel 0299(23)1111 内線310 gikai@city.ishioka.lg.jp |
徳増委員長)ただ今から,総務企画委員会を開会いたします。 過日の管外行政視察につきましては,大変ご苦労様でした。皆様のご協力のもと,大きな成果があったものと確信しております。 本日は,そのような意味もございまして,豊後高田市の「昭和の町づくり事業」について、臼杵市の「行財政改革の取組み」について、佐伯市の「中心市街地のまちづくり」について研修の結果を振り返り,委員会として検討し,結果として取り入れられるものがあれば,委員会として執行部に提言,もしくはともに考えていきたいと思いまして,委員会を開催いたしたわけでございます。 なお,お手元には,視察結果を取りまとめました報告書をご配付いたしております。それらをもとに,各委員からご意見をいただき,意見が集約できるのであれば取りまとめていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 それでは,これより審査にはいります。 なお,発言の際は挙手をお願いいたします。 最初に豊後高田市における「昭和のまちづくり」事業についてを議題といたします。 まず,事務局より説明を願います。 議事法制課長)大分県豊後高田市につきましては,「昭和の町づくり事業」について視察いたしわけでございます。こちらから,先方に対しましては,①町づくりの概要について,②まちづくりの整備費用について,③施設(昭和ロマン蔵)の管理運営について(管理運営主体・維持管理費用),④昭和のまちづくりの効果ついて(来訪者等)を調査事項といたしまして,あらかじめ送付してございました。 当日は,説明者といたしまして,豊後高田市商工観光課観光振興推進室長,兼務という形で豊後高田市観光まちづくり株式会社推進担当として派遣をされている安田祐一氏に説明を受けたわけでございます。 まず,取組みの経過でございますが,背景といたしまして,旧豊後高田市の商店街は, 昭和30年代には隆盛を極めておりまして,当時,商店は300店舗ぐらいあったそうですが,やはり大型店の進出,過疎化による後継者不足,時代の潮流に乗り切れない現状に陥ってしまい,「商店街は,犬,猫しか歩かない」と揶揄されるほど衰退していたということでございます。そこで,衰退した現状を何とかしようと,平成4年に某大手,担当者の説明では,誰もがその名前を聞いたことのあるコンサルタントに構想づくり委託し,「豊後高田市商業活性化構想」を策定したということでございました。 しかし,その内容は,大型文化施設等を配置し,さらに新たな大型商業施設を整備するなど,その実現には数百億もかかるものであったため,その構想はお蔵入りとなったということでございました。その基本には,既存の商店街のこだわりもあったということです。 その計画が頓挫しまして,その後,しばらく期間が過ぎまして,平成6年に「何とかしなければ」という考えのもと,「西の国東ロフト・ルネサンス」を毎年1回,3年続けて開催,さらに,平成9年2月に「豊後高田“町の顔”復興シンポジウム」を開催しまして,5年間をかけて「この地域にどういう歴史があったのか」を調査したということでございます。 つまり,平成4年にコンサルによって策定した構想が頓挫したなかで,市は「地域独自・地域の個性探し」を行ったわけでございます。それは,以前,商店街が隆盛を極めたころ存在した301店舗の商店を,「何が売られていたのか・いつごろ建てられたか・今どうなっているのか」と個別に調査したということでした。 その調査をした段階で,古い町を復興しようという考えがあったわけですが,すでに江戸や明治といったまちづくりは先進事例が30以上もあり,いつしか「昭和」という声があがったということでした。 平成の時代に入り,昭和という時代はつい最近のことではありますが,それをきちんと残し,さらには懐かしがる人が多い,そして,その時代のお宝がまだいっぱい残っているという議論になりまして,「昭和の町」という考えが導き出されたということでございます。 「昭和の町」といった目新しいことをやれば,一度出て行った人がなつかしさで戻ってくるかも知れない,観光と消費が一緒にできるのではないか,また,昭和のまちづくりのブームになりつつある,一番賑やかだったのは昭和30年代であるといったことを基本とし,古いまちづくりを再生するといった新しいまちづくりに取り組んだわけでございます。 そして,市全体としての醸成を図るため,平成9年度に中心市街地を「レトロモダンな街づくり」といったコンセプトを決定し,「豊後高田市商店街・商業集積等活性化基本構想策定調査事業」を実施し,それから3年間かけて昭和30年代商店街のまちなみ再生を語る講演会」の実施,「商店街の街並みと修景に関する調査事業」の実施,「昭和30年代商店街のまちなみ再生シンポジウム」の開催など,市民へのまちづくりへの理解,浸透を図ったわけでございます。 このようなまちづくりが決定されるまで,コンサルの策定した計画を中止してから8年間を費やしたということでした。 それから,国・県の補助事業をどのように取り込めばいいのか,様々な角度から検討し,あらゆる補助制度を活用し,国土交通省をはじめ,現在は厚生労働省の雇用促進に関する補助制度等も活用をしているという説明がありました。 そして,現状でございますが,「昭和のまちづくり」において核となる施設として,明治から昭和にかけて大分県きっての財閥であった野村財閥が,昭和10年に建造した「米蔵」を現在所有していた農協から払い下げ,「昭和ロマン蔵」として,平成14年に「駄菓子屋の夢博物館」,平成18年に「レストラン旬彩南蔵」,平成19年に当時の生活を再現した「昭和の夢町3丁目館」と再生し,オープンさせ,それは当日ご覧いただきました施設でございます。 さらに,童画家である黒崎義介氏の絵本の原画を展示した「昭和の絵本美術館」を併設し,そこでは原画の展示,紙芝居の実演,オルガンによる合唱等が行われておりました。 また,「夢町小学校」といった当時の学校の教室を再生し,そこを有料で研修室として貸し出しを行い,私どもが説明を受けた施設でございます。 そして,昭和時代の雰囲気を醸し出すため,レトロカーを展示し,さらにそのレトロカーの貸し出しを行っているということでございました。 また,当日,私どもの説明に当ったのは,昭和の町に設けられております「案内人制度」,この案内人が有料(1人当り200円,昭和ロマン蔵入館料800円)で町なかを案内しております。 商店街は,それぞれの店のお宝を店頭に展示し,「一店一品」を売りにしておりまして,さらに来訪者に対し,試食や無料のお茶の接待を行い,商店主が積極的に来訪者と話し,販売を行うなど活気に溢れている状況にあったわけでございます。 次に,この「昭和の町づくり」は,平成13年,その時点で参加した店舗は7店舗のみで,現在では,38店舗が参加し,今年度も4・5店舗加わる予定であるということでございました。 効果としては,来訪者が平成17年,1日で大型バス50台も来たということで,現在,駐車場を拡張する予定であるということでした。ただし,担当者が説明において,このブームがいつ終わるか不安であり,そのためにはリピーターの確保を含め,ハード面と併せイベント等,常に新しいソフトの面も考える必要があるということでございました。 次に,この管理運営は,「豊後高田市観光まちづくり株式会社」が行っており,昭和の町の全体的なマネジメントを行い,レストランについては子会社化を図っているということでした。資本金は,9,500万円で,市が5千万円を出資し,残りは商工会議所,金融機関,個人といった内訳になっておりまして,その詳細は報告書に資料として添付してございます。そして,この会社の従業員は3名で行っておりまして,関連事業者として本社及び案内所に14名,レストランの子会社に15名という構成で,雇用の拡大も行っているということでした。 さらに,当日,私どもが宿泊いたしました宿泊施設も同会社が管理運営を行っておりまして,観光施設,商店街,そして温泉施設及び宿泊施設の管理運営も行い,「山」「里」「街」「海」「温泉」といった広域観光の推進を図っているということでございました。 それから,質疑において,担当者が言っていましたのは,やはりひとつのことを成し遂げるためには,ある程度の期間,そのポジションに留まることが必要であり,人事異動によって新しい人に変ると,その人が理解するまでの余計な時間が費やされ,今までの考えが変ることもあるということでした。こういったまちづくりを行うためには,ある程度の長い期間,担当を任せることは大事ではないかと思うということを言われておりました。 以上でございます。 徳増委員長)以上で説明は終わりました。 それでは,豊後高田市の「昭和のまちづくり事業」について,皆様の感じたこと,さらには当市のまちづくりへの反映の可能性、それらについてご意見をいただきたいと思います。 小松委員)街並みを見学しながら,或いは見物しながら,石岡でもしこういう街並みができるとしたらというような,置き換えながらお店を見ていました。私どもがお店を歩いているなかで,街並みを歩いているなかで,試食品といいますか,お土産品が提供できるお店がずうっとあったように思います。それを石岡に,例えばハザード事業で中町商店街が大正時代の建築,看板建築でお店をだいぶ直したわけですが,そこで何が売られているかということを考えたときに,これを石岡でやるのは難しいと一つ思いました。 それから,もう一つは道路の幅です。車も通っていましたが,中町商店街の場合には,バスとかトラックとか大型車が通っている街並みです。片側を歩いていて,豊後高田市のように,お向かいさんをちょっと歩いて見に行くみたいなことができない。だから,歩道を使って,それぞれお店を見ていくような形があって,それなりの道幅というと金丸通とか寿商店,その裏の北向観音様に向うような,ああいう通りなのかなと思いました。 そうすると,そこには残念ながら今のところ,なかなか観光客を呼べるようなお店がそうは無いということです。いいまちは見せてもらったんですが,なかなか石岡の商店街,柿岡はまた別だと思いますが,石岡側の商店街では同じといっても工夫をしなければいけないなと思いました。 もう一つは,そうは言いましても,私もここで育っていますので,石岡のそれぞれ個々の商店で,今空地になっているところもおおよそ分かりますので調べてみる価値はあるのではないかと思いました。 ただ,石岡の場合は歴史ボランティアの方が駅前の観光案内所に詰めて,ボランティアで案内をしているわけですが,どういうところを案内しているのかも把握はしていませんが,商店街を豊後高田市のように案内する案内人の方がいてもいいのかなと思いました。 そして,旧市街地のなかには,駅を中心として1キロ範囲内にお寺さんと神社が10か所以上もあります。ほとんどの宗派があるというなかでは,神社仏閣を中心に,そこの近辺に商店街がありますので,そういう案内,ガイドがあってもいいのかなと思った次第です。 徳増委員長)ほかに感じたこととか,ございませんか。これから,石岡をこういうふうにしていきたいとか,あのままを取り入れることはいきませんので何かご意見ございませんか。 金子委員)豊後高田市の「昭和の町」には,一つの核があったと思います。それは,昭和ロマン蔵ですか,この核を中心に考えられたのかなと私は感じました。ですから,石岡にそういう核があるかといいますと,ちょっと石岡の場合は核になるようなものがないと思います。たまたま,私も商店街にいます。香丸商店会というなかで,例えば商店会の総会をやる,振興組合の理事会をやるといっても,結局,参加する人が少ないんですね。それは,香丸商店会だけの問題ではなく,中町も駅前の振興組合も同じかなと思います。 石岡の場合には,今,商店をしている方のやる気をいかにしたら起こせるのか,それから始まっていかないと,計画を持っていっても「そんなものはできないよ」と言った一言で終りになってしまうのかなという気がします。 それは,先ほども事務局から話があったように,豊後高田市も著名なコンサルに計画を策定してもらったということでしたが,石岡市も同じなんですね。香丸も前にやってもらって,分厚い計画案が出されたわけです。しかし,その出されたことに対する批判が現在も出ています。そのときに何千万円かの補助金が出たみたいですね。その当時の商工会議所の方だか商店会の関係の方だか分かりませんが,まったくその補助金が計画書の作成だけになってしまって,金を全然みなかったと。そういう計画なら,やってもらわなくてもいいような話が,今現在も出ているんです。ですから,そういうような,私は細かな内容はよくは分かりませんが,何からの1千万円くらいの金額が補助金として出たんだが,それが計画書だけに使われて,何も地元のためにならなかったと出ていたことも,今現在話しをされているわけです。まず,石岡の商店街を活性化するためには,商店の方々の意識改革をどのようにするのか,それが大きな問題なのかなと私は思います。 金井委員)「昭和の町」を視察して,やはり私が一番感じたことは,それぞれのお店が「一店一品」ということで,自分のお店で自信を持って提供できるといった商品があるということです。これは,私たちの石岡のまちのお店でもできるのではないかと思います。それで,個別の名前はあれなんですが,例えば餃子を食べるのにはこのお店だとか,石岡ではありませんが,どら焼きを買うのであればあそこだとか,わざわざ買いに行く人たちもかなりいるわけです。 ですから,そういったなかで,石岡にも「ここのお店のこれはおいしい」というものは,かなりありますので,その辺で「一店一品」というのは,すぐにでも取り組めるのではないかと考えます。そこで,こういうチラシを作りますが,そのチラシに載せたい希望があるお店はないかといった希望を商店に取って,それを豊後高田市のようなマップを作って観光客というか,石岡を訪れる方に配れるようなことはすぐにできることではないかと思います。 それから,あと気付いたことは某銀行ですが,やはり建物を大正風にして,中で働いている行員さんもそういった羽織袴を着ているとか,そういった形で衣装も,例えば酒屋さんだったら昔の酒屋さん衣装を着ているとか,視覚にも訴えるような工夫もできるのではないかと思います。 金子委員)今,金井委員の方から話がでましたが,商工会議所の方で「一店一品主義」は,すでに石岡でもやっています。パンフレットもできているんです。それを,観光案内所において配るということは,石岡でも何年も前からやっているんです。私自身もどこにどういった一品があるのかと言われても分からないんです。そのパンフレットはありますが,それをしみじみ見て,どうしょうとかこうしょうとか,この品物はここで買おうとかいうような気も起きてはいないのかなというのが実態ではないかと気がします。 とにかく,「一店一品」というのは,3年くらい前から石岡でもうやっています。立派なパンフレットもあります。 徳増委員長)暫時休憩いたします。 休 憩 徳増委員長)会議を再開いたします。 金井委員)今,金子委員から石岡でも「一店一品」ということで,パンフレットも作成して配布している状況はあるということでした。ただ,そのパンフレット自体が,やはりそれを持ったときに見やすくて,この豊後高田市の「昭和のロマン」のパンフレットみたいに,開くとB5版くらいの大きさで,地図が載っていて,この地図を見ながらまちを歩けると。この地図の中味というのは,やはりお店の名前と,そこの「一店一品」の商品,さらにその商品にストーリーといいますか,どういったものか,例えば初代直伝とか,そういった商品そのものに物語があるようなことが必要ではないかと思います。これを見て,「あれ,これはなんだろう」とか「ちょっと食べてみようかな」とか,パンフレットを見たときに興味を引くような作り方をするのがいいのではなかいと思います。 徳増委員長)ほかに,発言はございませんか。 (「なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)発言なしと認めます。 それでは,本件については,大体の意見の集約ですが,コンサルタントにまちづくりを委託するのではなく,「自分たちのまちは,自分たちの手でつくっていく」ということ。 それから,豊後高田市では,案内人の役目が大変重要でございました。これは,まちができてからのことですが,案内人ということも歴史ボランティア以外にも必要ではないかということ。それから,まちづくりに対しては,商工会議所,そして担当部署についてはお祭り以外に専門の人を置いて欲しいということ。それから,「まち未来いしおか」の役割のもう一度見直してやっていかなければならないということ。それから,現在出来ている「歴史の道」を活かした,石岡のまちなかで唯一残っている「府中誉」さんの酒蔵を中心に一つのストーリーを作ってまちづくりをしていったらいいのではないかということ。その際には「府中誉」さんに対しては,経済的な面で将来的なことですが補助をしていかないと保っていかれないのではないかということ。それと,パンフレットの充実という意見の集約ができると思います。 このような形でよろしいでしょうか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)ご異議なしと認め,このような形で集約をいたしたいと思います。 次に,臼杵市の「行財政改革の取組み」についてを議題といたします。事務局より説明願います。 議事法制課長)臼杵市の「行財政改革の取組み」についてご説明いたします。 当日は,臼杵市総務部財政企画課副主任,麻生幸誠氏にご説明をいただきました。お手元には,小松委員からもご要望がございましたが,視察当日,担当者がパワーポイントを用いまして説明された資料を,早速相手方に「いただけないものか」とご連絡を申し上げましたところ,担当者でございます麻生さんの方から「石岡市の行財政改革にお役に立つのであれば」ということで,お手元の資料をメールでいただきまして,本日ご配付することができました。 さらに,麻生さんからは,当日の説明にもございましたが,「フロム市長トゥ臼杵市幸夢員」といった市長が職員に発するメッセージ,これを2004年から2007までのものを併せてお送りいただきました。ここにもございますが,臼杵市におきましては,「公務員」という言葉は,お上に向いて法律にしばられて働いているイメージがあるということで,市民の幸せのため,夢を叶えるため,市民に向いて仕事をするということで「幸夢員」という言葉を使っております。そのような,市長からのメッセージにつきましても,当委員会に関係するようなものをご配付いたしましたので,ご覧おきいただければと思います。 このように,強いリーダーシップを持たれる臼杵市の後藤市長でございますが,行政経営を実践したなかで,講演会において,その難しさを今年の2月に開催されました関西財界セミナーで「自治体経営の課題と展望」というなかで講演されていらっしゃいます。その内容もいただきましたので,お手元にご配付してございます。 そして,麻生さんからのメールでいただいたなかで,今後の職員の意識改革を実践するなかで役に立つのではないかということで,毎週水曜日,業務が終わったあとに市長が座長となりまして,「水曜練成会」といった名称で,職員が出入り自由の勉強会をテーマごとに行っているという,大変貴重な資料をいただきました。ご覧いただきたいと思いますが,毎週水曜日に各担当者が講師となりまして勉強会を開催している状況が出ております。 このような,取組みをしている臼杵市でございます。それでは,視察結果についてご説明させていただきたいと思います。 臼杵市でございますが,平成17年1月に旧臼杵市と旧野津町が新設合併し,新しい臼杵市が誕生したわけでございます。 旧臼杵市は,行財政改革を積極的に進め,特に自治体の正味財産及び経営状況を表す指標としてのバランスシートを平成9年度決算から作成,これには,30年近く遡って建設した学校やホールなどの資産を金額で評価し,地方債の返済予定や将来発生する退職金も見積もっているものでございます。この件につきましては,以前,当時の委員会が視察を行っております。 さらに,臼杵市は,これに止まることなく企業会計の損益計算書に相当するサービス形成勘定を取り入れ,「一円でも多く税金を市民に還元する」といった考えのもと,市民サービスについてもコスト意識を持たせるなど,他の自治体に先駆けた取組みを実施してきた行財政改革における先進自治体であるわけでございます。 このサービス形成勘定は,生活,環境,教育など目的別に6分類し,分野別人件費や公債利子,減価償却費などを算出し,また,これとは別に,道路維持や都市計画,議会など140の事業単位にも人件費や減価償却費を示して,各事業に対する支出状況を明らかにしております。 そして,当市におきましても,取り組みの始まりました行政評価によるマネジメント・サイクルにより,健全財政運営と質の高い行政サービスの実現に努力してきたということでございます。 次に,担当者の麻生さんからの説明において,非常に印象に強く残っておりますのは,現在の市長でいらっしゃいます後藤國利市長の就任が大きな転換となったということでございました。 当時,臼杵市は,平成7年度の決算指標では,旧臼杵市の経常収支比率は91.8パーセント,公債費比率は20.2パーセント,起債制限比率は15.6パーセントと全国的にも最悪の水準であったなかで,平成9年に市長に当選した後藤國利市長が,積極的な行財政改革,究極には職員の意識改革のため,自らさまざまなことを実践し,一体となって進めてきたということでございます。 後藤市長の経歴でございますが,一橋大学社会学部卒業,福岡大学薬学部中退,大分県議会議員,県議会議長を経て,市長に就任したということで,また,薬品会社の経営者であり,行政についても民間経営についても理解があり,「職員としては大変なことであった」と,担当者が当時を振り返り,相当な市長のリーダーシップのもと進められたことが,説明の随所に現れてございました。 次に,臼杵市のこれまでの取組みは,まず「日本一の役所づくり」とし,市民満足度を高めることを目途し,「市役所は,市民の役にたつところ」の実現を図ることとし,さまざまな取組みを行ってきております。 まず,平成9年度には,全職員を対象に「介護研修」「救急救命研修」「トイレ清掃研修」を開始し,特にトイレ清掃については,市長室長などの権威のある上司が自ら実践し,それを見た部下はやらざるを得なくなるということでございました。市長も実践しているといったような説明もございました。また,予算については,予算の使い切りを見直す「予算は余算運動」を開始しております。 次に,平成10年度におきましては,「部長制」を導入し,各課の庶務係を部ごとに統合し,事務の効率化を図っております。 次に,平成11年度には,先ほどもご説明いたしましたように,行政サービスの総量把握,そしてコスト負担の明確化のため「サービス形成勘定」を作成しております。 次に,平成12年度には,中学校の寄宿舎を廃止し,対象生徒をタクシー送迎に移行し, 平成13年度には,観光協会の民営化の実施,職員間の柔軟な協働体制「グループ制」を導入,そして事務事業・施策の改善を目的とした「サービス検証システム」(行政評価)を導入しております。 そして,平成14年度には,大分市との広域化による可燃ごみの処理の開始,平成15年度には,小学校を休校し,他の小学校への編入,平成16年度には,旧臼杵市と旧野津町の市町村合併により「新臼杵市」が誕生し,現在に至っているということでございます。 次に,合併後の新臼杵市の行財政活性化を進めていくうえで最も大切なことは,市民が望む市役所がどのようなものかを把握し,その意見を的確に反映させていくことであるということでございました。そのために,毎年「行政サービス改善アンケート」を実施し,その結果を踏まえ実践を図っているということでございます。 そこで,平成17年度に実施した「行政サービスアンケート」によりますと,市民の声が特に多かったのは,「市職員の対応」や「仕事に取り組む姿勢」についての意見であったということで,その結果を踏まえ,行政活性化の基本方針を決定したということです。 その行政活性化の基本方針は,1.市民のお役に立つ「感動お届け市役所」の実現ということで,市役所は,より効率的で市民が利用しやすい,市民の役に立つ市役所でなければならないということ。また,役に立つだけではなく,そこに満足と感動を届けるサービスを提供できてはじめて,真の役所になり得るものだと考えるということでございます。 そのためには,機能的な組織・機構も形成を目指すとともに,職員の資質向上を図るための研修会等の充実を図る。また,サービスの提供者である市役所職員の意識改革を目的とした「感動お届け運動」を展開し,日々,実践に努めるとし,具体的施策として,市民サービスの向上,職員の資質向上・意識改革の取組み(職員研修の充実,ボランティア活動への参加),市役所改革運動の実施(先送り,たらい回し,先例踏襲,無責任を断ち切る),組織・機構の見直し(市民の視点に立った組織,グループ制)を行うということです。次に,2.効率的・効果的な行財政運営を行う「持続可能な市役所」の実現ということで,安定的な市民サービスを提供するためには,将来にわたり持続可能な健全財政を確立する必要があるとし,非常に厳しい財政状況の中,市民のニーズを的確に把握し,最も効率的で合理的な手法を取り入れることにより「最小の経費で最大の効果」をあげる取組みを進めるということです。また,税収等の安定的確保と広告料をはじめとする新たな財源確保に向けた取り組みも展開していくということでございました。 その具体的施策としては,自主財源の確保(市税等の徴収率向上,新たな財源確保,受益者負担の適正化),歳出削減(事務事業・補助金・負担金の見直し,民間委託の推進等),定員管理,人件費,公営企業・第三セクターの見直し(経営方法の見直し),市有財産の効率的・有効的な活用,公共施設の適正配置,森林の整備(森林の持つ保水能力を高め,災害に強い森林の再生を図る)といったことでございます。 次に,3.市民との協働によるまちづくりを行う「響働市役所」の実現でございます。 地方分権の推進,厳しい財政事情を背景に,市が担う責任・課題は増加の一途をたどっているなかで,合併後の新市としての一体感の醸成と新しいまちづくりを持続的に発展させ ていくには,市役所はもとより,市民に担ってもらう役割も大きくなっていくとしております。そして,市民と市役所が良好な関係を築き,協力しあい,共感しあう体制づくりが重要になってくるとしております。そのためには,議会との協力体制を強化し,ケーブルネットワークや市政懇談会等の充実による情報提供・交流とともに,まちづくりへの市民参画を積極的に進め,行政と市民との響働(協働)により,公平で透明性の高い市政の実現を目指すということです。 臼杵市で使っております「響働」は,注記しておきましたが,「協働」ではなく「響働」としているのは,単に協力して作業するのではなく,心のつながり・理解を大切にしながら,共に力を出し合ってふるさとを築き上げたいという思いが込められているからであるということによるものです。 次に,具体的施策としては,市民の参画と協働(コミュニティーづくり,市民団体の育成,企業誘致と連携強化等),行政評価(サービス検証システム),情報公開(バランスシート,サービス形成勘定),デジタル情報基盤の整備,議会との協力体制の強化(議会と市との共通理解,政策討論会の実施),これは年4回実施しているということで,この政策討論会が実施されるときは,事前に議会が勉強会を実施し,それに望むということでございました。 そして,これらの進行管理は,「PDCAサイクル」,計画(プラン)→実施(ドゥ)→評価(チェック)→改善(アクション)により,結果を改善に結びつけるというマネジメント・サイクルによっているということです。 大綱及び実行プラン(P)を確実に実行し,効果をあげていくためには,改革を実行する体制と職員意識の充実(D),あわせて改革が計画どおりに進んでいるかどうかを確認・評価するしくみ(C)が重要となってくるわけですので,それらが適切に機能することにより,実行できなかった事業や計画について見直し・改善(A)を行うことで,更に効果のある改革に結びつけていくことが可能となるということです。 この体制は,市長を本部長とする臼杵市役所改革運動実行本部のもと,全庁をあげて改革に取り組み,毎年その成果・進捗状況を市民の代表者で組織する臼杵市行財政活性化推進委員会及び議会に報告をするということでした。 また,広報紙や市ホームページ等を通じ,市民に改革の進捗状況を公表するとともに,行政サービス改善アンケートや市政懇談会を実施し,市民の意見を反映させていくといった取組みもなされているということです。 当日,担当者である麻生さんの説明をメモが取れた範囲でございますが,それぞれ重要なキーワードがございました。まず,意識改革は心の改革であるということです。次に,仕事の報酬の考えには①生活のため,②人の喜ぶ笑顔のため,③自己実現のためといった3つがあり,現在は臼杵市においては②と③の考えの職員が多く,市民から喜ばれることをどんどんしていく職員が多くなったということでございます。 それから,「9つの気づき」,これが研修のテーマであるということで,研修は,研修担当により行かされるのではなく,自ら手を挙げた人が行くということでございました。問題に気づいた人が,自ら研修をするというスタンスでございます。そのことによって,志を共にする職員が増加しているということです。常に目的意識を持つということでした。 それから,驚いたのは,市役所の市民ホールの真ん中に広聴担当を置き,クレームを募集しているということです。これを行った理由は,市民から評価を受けること,苦情・クレームは,そこに改善のヒントがある,それはサービスを向上させることにつながるという発想によるということでございました。企業においても,さまざまな製品,それは苦情やクレームによって改良が重ねられ,よい製品になっていくという民間の発想を取り入れているわけでございます。 そして,ブレイクスルー方式ということで,できない理由づくりの名人が市役所職員であるといった職員像,また意識,その意識を改革するため,あるべき姿から解決策を導くという手法であって,具体的には,理想像を掲げそれを達成まであきらめずに続け,それを可能とするためのギャップを埋める努力をし,できない理由を見つけるより,どうしたらできるかを考える手法であって,もしできないとしても犯人探しをしないということでございます。 それから,「過去の延長線上に未来はない」,そして「先進事例を踏襲しない」という基本的な理念を持ち,行財政改革を始め「改革」は,新たに生み出すものであるということで,改善ではないということでした。 また,現在は,業務の達成度チェックシートをグループリーダー以上が提出しているが,今後は全職員を対象とし,目標管理と自己の業務の振り返りを行うということでした。そして,テーマを設定し,議会と行政の政策討論会を年4回実施し,そのため,議会では事前に勉強会を開催するということでした。この政策討論会開催の趣旨は,議会と行政の「市をよくする」といった基本的な共通目標の共有化を図るということによるということです。 また,市長車を廃止し,専属の運転手もいないということで,市長は,会議の担当課の職員の車に同乗して移動するということでした。 最後に,一番大切なのは「職員の意識改革」であるということでした。 以上でございます。 徳増委員長)以上で,説明は終わりました。 それでは,臼杵市の「行財政改革の取り組み」について,皆様の感じたこと,さらには当市の行財政改革への反映の可能性,それらについてご意見をいただきたいと思います。 金子委員)研修にいった内容,それからいただきました資料を見まして,やはり「できるか,できないか」は,首長の意識改革が大きなテーマになるのかなと考えます。これができなければ,研修してきたものが八分どおりできないという可能性があると私は思います。 ですから,首長の意識改革をするのにはどうしたらいいのかということが,今大きな問題になるのかなと思います。それが,最初だと思います。 前島委員)臼杵市は,私は2回目の視察だったわけですが,最初バランスシートのお話を聞いたときに,かなり先進地であると感じました。今回,また行きまして,ものすごく充実が図られておりまして,金子委員が言われましたように,首長の意識改革を職員に徹底させるという部分は,当市ではすでに終わっているのではないかと思います。職員の意識改革ができたということで,担当部長も答えているわけです。実際に平成20年から,行財政改革における行政評価もできるわけですので,それに向って当委員会は,どのような形でできているのかということを検証して,進めていけば前進できるのではないかと思います。 もう1点は,職員の意識改革を臼杵市みたいな形でできればいいと思います。ただ研修をやっていますと言っても,具体的な研修が現在の情勢とちょっとずれているのではないかと思います。それについても,研修の方法を考えてもらえればと思います。 岡野副委員長)私は,意思改革は全くできていないと思います。個々に職員の意識改革が全くできていない。具体的に言えば,職員のミスであっても謝ることをしない。そして,必ず自分でしないで言い訳をする。自分でしなければならないのに言い訳をする。他人のせいにする。そして,全然,市民の方に目は向いていない。全部,上の方に向いている。また,特に管理職ですが,自分の楽な部署にいって役職を欲しがるといった意識が非常に強いと思っております。まったく,臼杵市と比較して雲泥の差があると思っています。現状は,前進はしていないと思います。 その理由として,行財政改革推進室といって,いろいろな資料を各部各課に配布して,仕事を増やして,自分からその聞き取りをしないで,中味を知ろうしないで全部割り振る。それで,上がってきたものにコンサルに頼んでまとめさせる,自分では全然手を汚していない。これが,行財政改革推進室の仕事です。だから,非常に評判が悪いです。行財政改革推進室がリーダーシップを取っていません。やっかいものです。仕事を増やしているだけです。そういうような現状にあると思います。コンサルに完全に依存し,自分から作ろうという意識がまったくない。 ひとつ事務局にお聞きしますが庶務係,石岡市では消耗品とかの購入や支出負担行為,差引きはどのような形で行っていますか。 議事法制課長)正確にお答えできるか,執行部の現状を確認してお答えすべきとは思いますが,庶務係という名称は存在しませんが,各課においては,消耗品を含めた物品購入における差引や文書の発収といった庶務的な業務を行う職員がおります。この消耗品につきましても,現在は各課で購入できますが,以前は出納室が消耗品を一括購入し,必要に応じて,それを申請して受領をしていたときもございましたし,管財の決裁が必要なときもございました。現在は,各課において庶務的な業務を行う担当者がいるといった現状ではないかと思います。 岡野副委員長)これは,確認も必要かと思いますが,庶務が各課にあってはだめなんです。余計なもの,いらないものまで消化しないと来年の予算が取れないから,必要ないものまで買ってしまうわけです。例えば,10万円とか予算が計上されたら,その消化をしないと来年の予算も10万円とか確保することができないので,消化をしなければならないということになってしまっているんです。それは,いらないことも買うことになるんです。ですから,臼杵市では,それではいけないということで,部を作って庶務係を統一したわけです。庶務係が少なければ少ないほどいいんですよ。数が多いと必ず消化するんです。課長なりに「予算を消化しないと来年予算が取れないから」と無理やり言われ,年度末に無駄なものを買う,そういう実体です。悪循環です。繰り返すようですが,来年の予算を確保するために,本来は7万円で済むのに,10万円の予算を使い切ってしまうわけです。 そこで,臼杵市は各課にあった庶務係を廃止し,部に統一したわけです。これは,ひとつの行財政改革です。臼杵市では「予算は余算」としています。必要でなければ残す。これが当たり前なのに,現在の石岡市は逆です。年度末に必ず予算を消化しろとか課長に言われて,いらないものまで買って全部使い切ってしまう,これが実体です。これを改める必要があります。この意識を改革しなければならないわけです。こういった基本的なことを改革しなければならないと思います。 徳増委員長)暫時休憩いたします。 休 憩 徳増委員長)会議を再開いたします。 小松委員)私が臼杵市で一番感じましたことは,もっと時間が欲しかったということです。よくよく臼杵市の担当の説明を聞いて,行財政改革というのは上から押し付けるものというふうな,国の方も三位一体の改革やら何やらといったように,全部下にしわ寄せをするようなものであるといった私の捉え方も一部ありましたが,そういうのが払拭されたような気がします。非常に好感が持てる研修を受けさせていただいたと思っております。 それで,説明にありましたが,臼杵市の市長が市長車を廃止したというのは,共産党の党員の首長のところでは,まずこのようなことは選挙のとき公約で打ち出されて,実際に公用車を全部廃止して軽自動車で出勤するというのが通常です。それが,臼杵市というところで,こういう事例もあったのかと改めて気付かされました。 それで,まちづくりについても,臼杵市から学ぶべきところが多かったのでないかということで,私は帰ってまいりましてからすごく残念だったと思いました。この行財政改革の机上の研修だけではなくて,実際にここのまち全体,そのものを知りたかったというのが感想でした。 それから,帰って来ましてから,当日,パソコンのプロジェクターで説明されたものが,私はなかなか筆記できなかったものですから,いただけるものでしたらということで要望いたしまた。それを本日いただきました。これをよく学んで,委員長が本会議などでよく行財政改革とかよくやっていますが,「私は何をやっているのよ」といった感じでいましたが,やっぱり職員と市民にも受け入れられるような改革を石岡市もやっていかなくてはいけないと思いました。そういう意味では,非常によい研修ができたと思っています。 これが,私の感想です。ありがとうございました。 徳増委員長)せっかく行きましたので,「あれも・これも」と欲張りすぎてしまいまして,時間が取れなかったことを私としましても反省するところです。 ほかに発言はございませんか。 金井委員)担当の職員の方,麻生さんに聞きましたが,やはり後藤市長が行革に果たした役割はかなり大きなものがあるということでした。金子委員も言われましたが,首長の意識がどういったものであるかというのが,重要な要素であるかと思います。私たちの立場でできるとすれば,そういったことも含めて,臼杵市でも行われている政策討論会,年4回行われているということですが,そういったものを私たち議員側から行政側へ提案して,その討論会のなかで,やはり皆で市役所を,石岡市をどのようにしていくか,具体的な話をできればと思います。 そういうことで,「市役所が変れば石岡市も変る」と,臼杵市のように職員が自分たちの「意識付けと気づき」,石岡市の職員も気付いてはいると思いますが,もうちょっとはっきりした環境づくりも大切ではないかと思います。 「日本一の市役所をつくる係」を作られて,「市民満足度日本一を目指す」と,そういった具体的な目標を持って取り組んでいるのが,私としてはすばらしいことであると感じました。 金子委員)臼杵市でやっている行財政改革は,これで終りではなくずっと続くものだと思います。首長を先頭に話し合いをしているといったように,いいことはいいということで長く続けるということが大切であると思います。石岡市の場合,世界的な認証であるISOも途中で止めたわけです。これは,本当に恥ずかしいことだと思います。私は,市民の方から,なぜ止めたのかとよく聞かれます。これは,大きな看板であったわけです。 ですから,いいことは続ける。臼杵市においても,市長のやっていたことが長く続けられるということは,「日本一の市役所」の実現というものが可能なのかなと思いました。 やはり,意識改革というものが最先頭になければ,私は行財政改革というものは成功しないと思います。たまたま私が1期目のときに行財政改革審議員となってから,もう12年経ちますが,その間,何回も行財政改革,行財政改革とやっていますが,結局,また新しく行財政改革というということで出発することになってしまっています。ですから,長続きするような計画をもって,それを長続きするように進めていかないとよくはならないと私は思います。 徳増委員長)他にご意見はございませんか。 何かカルチャーショックを味わったくらい行革が進んでいましたので,本当に私自身びっくりしました。石岡も行政評価が進んだと思って安心して行ったところ,本当にこれは石岡がもっと取り組まなければならないと感じました。また,議会側からも提案していかなければならないといった反省も感じました。 本件につきましては,よろしいでしょうか。 (「なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)それでは,本件につきまして,大体のところ集約いたしますと,職員の「意識改革と気づき」,ここの1点だと思います。それから,私ども議会も政策討論会,これはできたら実現の方向へいくことによって,市長にいくら私たちがリーダーシップを求めてもそれが発揮できるものではありません。資質の問題もございます。そうであるならば,この政策討論会のなかで切磋琢磨やっていくしかないかなと思いました。 それから,もう一つ大切なのは,意識改革に伴う職員の研修のあり方,それと予算,予算はずっと400万円で,職員数が増えても同じでございます。ですから,まず研修のあり方を変えていかなければならないということでございます。 以上でございます。 次に,佐伯市の「中心市街地のまちづくり」についてを議題といたします。事務局より説明願います。 議事法制課長)佐伯市の中心市街地のまちづくりの視察結果についてご説明いたします。 佐伯市は,平成17年3月3日に旧佐伯市と旧南海部郡の5町3村が新設合併し,新市の面積は903.4平方キロメートルといった九州で一番広い面積を有する市となっております。 佐伯市の中心市街地は,旧佐伯市にあって,以前は周辺町村を含め大分県南部地域の中核として隆盛を極めたわけですが,当市同様,急速な自動車社会の進展,消費者のライフスタイルの多様化,郊外の大型店舗の進出等により,中心市街地の求心力は弱まり,特に中心部にあった大型店「寿屋」が撤退した影響が非常に大きく,隣接する仲町商店街は,ほとんどがシャッター(約4割)を降ろすといった状況にございました。 この点は,当市において,中心市街地にございましたコーキ閉店と同じような条件にございます。 佐伯市としましては,空き店舗対策等も実施はしたものの,旧商店街との意識の差とかあって,せっかく開業したのに,新たな場所へ移転するなど,せっかく新たに開業された方が留まってくれないといったように,効果が表れていないのが現状であるといった説明がございました。 そこで,このような背景から,市としては中心市街地の衰退は「顔の喪失」になるといった懸念を抱き,中心市街地をこれからの時代のニーズに対応した地域コミュニティの中心として再生を目途に早急なる対応を図ることとしたということでございます。 現在,「市街地整備等のハード事業」と「商業等の活性化・イベントの実施等のソフト事業」が一体となった活力と魅力あるまちづくりを目指し「都市再生整備計画」を策定した。 特に,閉店となった「寿屋」の用地を取得し,現在,4つの構想からひとつを絞り込むといった作業を行っているということでございました。なお,「寿屋」の取得は,国土交通省のまちづくり交付金と合併特例債を活用したということです。 まちづくりにおいては,市民を巻き込み「まちづくり活動メンバー」(現在45名)による各種イベントの開催等を行っているということで,さらに,まちづくり協議会(まちづくり活動メンバーの卒業生),そして小学生による「まちづくり子供会議」を開催し,市民と行政が一体となったまちづくりを進めているということでした。 説明において,現状では,まだ具体的な形としては見えてきてはおりませんが,説明後,市内を案内していただいた際,郊外型の大型商業施設が2箇所建設されており,そこには高速道路のアクセス道路が入ってきているという状況にありました。 これを見る限りにおいては,中心市街地の活性化が今後どのように取り組まれるのか,「寿屋」跡地の活用例なども示されておりましたが,なかなか難しい面があることが,当市同様に感じられたことと思います。 ただし,文化財の櫓門周辺地区は,景観整備もされまして,白壁で統一され,それに合わせて道路,歩道等も整備されており,佐伯市の特色が活かされておりました。 当日,説明をいただきました担当者の声として,佐伯市の中心市街地は,駅とは離れており,そういった状況もあって,駅前や中心市街地には足を運んでくれないといった状況があって,これが駅と近かったらもっと違ったまちづくりができていたのではないかという説明がございました。 また,先ほども申し上げましたように,郊外に大型商業施設が2か所進出しており,マイカーにより消費者がそこに出かけるといった状況にあるということでございました。 さらに,中心市街地のアーケード撤去を考えたそうですが,市民の多くはアーケードを残してもらいたいということであったということで,アーケードを現在でも残しているということでした。 そして,現時点では,なかなか難しい状況にあって,周辺には高速道路のアクセスも進んできており,そういうなかで,その周辺に大型商業施設も建設され,ますます中心市街地の活性化は難しいと考えるということでございました。 以上でございます。 徳増委員長)以上で,説明は終わりました。 それでは,佐伯市の「中心市街地のまちづくり」について,皆様の感じたこと,さらには当市のまちづくりへの反映の可能性,それらについてご意見をいただきたいと思います。 金井委員)まちづくり半ばの佐伯市を見てきたわけですが,そのなかで,かつてかなりお客さんを集めていた「寿屋」さんがあって,そこの跡地を市として購入したわけです。そういったなかで,場所的にもいい場所であって,そういったところはまちづくりに積極的に利用するために,意見を出したり土地を所有したりすることは,やはり参考になったと思います。 当市におきましても,やはり鹿島鉄道がなくなって,あの跡地につきましてもどういった方向にしていくかということを,市が積極的に意見を言っていかないと,また民間のどのような会社が空いた土地を取得していくか,それによって駅前の本当の顔となる土地ですので,活用方法については積極的に市が声を出していくべきだと思います。 小松委員)私は,市役所での説明を聞いて,現地の方は伺えなかったわけですが,合併して903.4平方キロメールといった石岡市の何倍もある広大な面積をもって合併したここのまちづくりは,さぞかし大変だろうと思いました。 それで,まちづくりを市民団体が一生懸命やるという点では,石岡市でも「まちづくり市民会議」というのが情報センターを立ち上げる前,100人委員会的なもの立ち上げてワークショップを府中地区公民館で数回行いまして始まったわけです。それがどんどん尻つぼみになり,当初は行政主導で立ち上がった市民の100人委員会のようなものが,まちかど情報センターができてピークといった感じで,それから熱気と,はっきり言うと首長選挙に市民会議のメンバーがあっちに関わり,こっちに関わりみたいに,首長選挙のなかで関わる部分があったりして,もう一つの団体としてまちづくりに関わるようなことができなくなったというかそういう状況になってきたと感じています。 そういう石岡の状況をみたときに,佐伯市の市民団体の悩みをもっと聞きたかったと思っています。行政と一体でなければ,市民団体がまちづくりに関わることができないのかどうなのか。そうではなくて,独自のものがあってもいいのではないかと思っていますが,その辺を佐伯市で聞けたらいいと思っていました。市民団体と行政の関わり,その辺をよく聞きたかったと思っていますが,全国どこでも旧商店街がさびれているというのは同じで,そこでは行政だけではなく市民もまた悩んで立ち上がっている。これもまた同じで,本当にまちづくりに繋がるにはどうすべきなのかということは,私たちが自分自身で回答を出していかなければならないのかなと思ったところです。 徳増委員長)ただ今の小松委員からございましたまちづくりの活動のメンバーは,石岡とは違って補助金は一切もらっていないということです。ですから,まちづくりが独自に自由にできるのではないかと思いました。 他に,ご意見はございませんか。 岡野副委員長)山際の櫓門,あの辺のたたずまいは非常に落ち着いていて,佐伯市の歴史といいますか,そういうものを垣間見ることができました。例えば八郷で,ぶどう園をやっているところがあります。そこの家は藁屋根なんです。大きな屋根で,文化財にも指定されているようなところです。そこのぶどう園は,かなりの面積を栽培しておりまして,全部を出荷をしなくて,そこで観光で売りさばくといいますか完売してしまうと。そこで,何がポイントかというと藁屋根なんですよね。大きな茅葺き屋根のぶどう屋さんということだけで,かなりの面積のあるぶどう園のぶどうが出荷をしなくて,自分で相場を決めてそこで売ってしまう。完売してしまう。大事なのは,やはりたたずまいだと思います。そこによさを感じて人が来ると。佐伯市も山際の櫓門付近の部分が非常に大事になってくると私は感じてきました。 ただし,残念だったのは,櫓門の後ろに公民館か文化ホールとかがあって,景観的にまずかったのではないかと感じました。文化センターとかつくるにしても,景観に合わせて,同じような歴史的な雰囲気を持たせるとか,櫓門を引き立たせるための建設をしていくべきではなかったのかなと思っております。それは,八郷に善光寺楼門がありまして,あそこは室町時代に建造された建物なんですが,あそこの先に室町庭園があったんですが,地元の人が分からなく壊してしまって,そこに現代的な公民館を建ててしまったわけです。私が文化財を担当していた時代に専門家を連れていきましたら,何で室町庭園を壊してしまったんだと言われました。やはり大事なものは残しておかないと,壊してしまったらそのあと作れないという部分がありますので,たたずまいとか歴史的なもの,そういうものは大切にしていかなければならないと改めて思いました。 徳増委員長)他に,ご意見はございませんか。 (「なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)ないようですので,それでは,本件については,佐伯市は中心市街地整備の途中のところを行ったわけですので,石岡市とかぶさる部分が大変あったと思います。金井委員からもありましたが「寿屋」さんの件,石岡市では取得に失敗しているわけです。その件についても,まちづくり交付金をすごく上手に使って佐伯市は取得したわけです。ですから,そういうところに気が付かなかったということもあるのかなと思いますが,中心市街地に対しては,人を集めるのには何か目に見えるものがなければだめだということがつくづく分かりました。櫓門があったり武家屋敷跡のたたずまいを見たりしますと,それは1日目に行きました豊後高田市の視察とここの部分は重なってくるのではないかと思います。 そういうなかで意見の集約といいますと非常に難しいと思いました。鹿島鉄道の跡地は,失敗がないようにどういう形で市が手を入れていくかということもあります。 その辺のところしか,佐伯市については,大変申し訳ございませんが集約できませんでした。 以上,行政視察結果を踏まえ,皆様からのご意見をいただき,それを集約いたしましたが,それらを整理し,今後の委員会において執行部の出席を求めて検討してまいりたいと思います。これにご異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)ご異議なしと認め,さよう決しました。 次に,事務局から発言を求められておりますのでこれを許します。 議事法制課長)お手元に,前回の委員会において,一旦委員会を中断していただきまして,鹿島鉄道廃止に伴いまして,その代替的手段して運行しておりますバスについて,実際に利用されている高校生,またその存続を求め活動をしている高校生,さらに関係の先生のご出席をいただきまして,「かしてつバス応援団」との意見交換会を行ったわけでございます。その会議録が調整できましたので,ご査収いただきたいと思います。 意見交換会におきましては,高校生から,また先生から,現状及び要望,そして委員からの意見が数多く出されたわけです。それらの内容は,会議録をご覧願いまして,当委員会として決算審査においても,市全体の公共交通の体制整備の充実を附帯決議いたしておりますので,今後に役立てていただければと考えております。 以上でございます。 徳増委員長)ただ今,事務局から先に開催いたしました「かしてつバス応援団との意見交換会」の意見の会議録の報告がありました。 本件につきましては,今後の委員会において,執行部の出席を求め,検討してまいりたいと思います。 これにご異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) 徳増委員長)ご異議なしと認め,さよう決しました。 次に,今後の委員会活動についてを議題といたします。ただ今,行政視察を踏まえた委員会としての考え,「かしてつバス応援団」との意見交換会の結果を踏まえた検討,それらを今後の委員会で行いたいと思います。また,「公益通報窓口を外部に設置することを求める陳情」が継続審査となっております。それらを順次行っていきたいと考えております。なお,それぞれの項目につきましては,大変ボリュームのある案件でございますので,委員の皆様につきましては,委員会審査の回数が増えることになりますがご協力をいただきまして進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 他にその他,何かございませんか。 小松委員)総務企画委員会のなかで,ぜひ検討していただきたい件がございます。それは,市議選に関わる選挙費用のこと,あとはポスターの掲示板の設置とかについてです。 これまでも,本会議で取り上げられたこともありますが,今回の市議選でも公費負担分を全く請求なさらなかった候補者の方が何人かいるようです。そうかと思うと,多分最高額だと思いますが60何万円かの交付を受けている方もいます。それは,誰もが平等に立候補できる制度で,この公費負担というものが決められた経過があるので,多いからだめだとかということではなくて,よく分からないままに請求ができなかったと。もっと分かり易い公費負担について,そういう交付の仕方について選挙管理委員会で考えていただきたいと思います。 それから,掲示板についても法的にはちゃんとあるとは思いますが,これから衆議院選挙があるか分かりませんが,この間ちょっと4月の市議選,そして参議院選挙,当面県議選もずっと先ですので,ぜひ選挙管理委員会で選挙に関わる費用の部分とか掲示板の箇所などについて考えていただきたいと思います。 それから,私たちの議員報酬に関しては,これは議会サイド,あるいは議運でやるべきことかも知れませんが,今日の新聞報道では,古河がやはり10パーセント引き下げで,市長が臨時議会で提案するといったことが出ていました。議員報酬は40万円だそうですが,3月でアップしているんですね。それを今度,住民団体からの請求で,署名がありまして市長も10パーセント下げると。石岡の場合は,八郷合併する際に石岡の議員報酬を5パーセント下げておりまして,それは住民のなかに知られておりますで,今のところそういう動きはないんですが,全体的に費用弁償の問題と一部事務組合に報酬が支払われておりますが,その見直しが県南では起きているようです。 そういうことも含めて,住民からあっちでもこっちでも起きているなかで,また石岡もというのではなくて,基本的に他も削るわけですので,私たちの受ける議員報酬や費用弁償についても議論してもいいのではないかと思っています。具体的には,龍ヶ崎が入っている水道企業団が報酬と費用弁償の見直しが始まったようです。石岡はあれですが,土浦から龍ヶ崎,牛久,取手,あそこでは一部事務組合を全部出して,これから議論が進められるようです。こういう時期ですから,波及がしてくるのではないかと思いますので,ぜひ議題として検討していただきたいと思います。 徳増委員長)暫時休憩いたします。 休 憩 徳増委員長)会議を再開いたします。 他に,ご意見はございませんか。 岡野副委員長)総合窓口についてですが,八郷総合支所で取り入れられておりまして,現在,本庁でも導入ということで検討が進められているようです。また,それに伴う検討委員会も設置されているようですので,総務企画委員会で取り上げていただきたいと思います。 総合窓口につては,予算も伴いますので,市民にとっていいと思っても導入に伴う費用,予算が関わってきますので,なかなか導入できないのが現状ですので,委員会でこの点について検討をしていくべきだと思います。 徳増委員長)ただ今,ご意見をいただきました。それぞれのご意見は総務部に関する案件ですので,次回は,職員研修,それから執行部からの窓口関係の提案があるということの説明,そして閉会中の継続審査の陳情を議題としてまいりたいと思います。 また,総合窓口についても,先に先進事例の視察を中止した経緯もございますので,その調整を行っていきたいと思います。 それでは,以上で総務企画委員会を閉会いたします。 |