都市計画道路「貝地・高浜線」の建設に反対する陳情書
【付託】 平成18年第3回定例会
【要旨】 過日,都市計画道路「貝地・高浜線」の中津川,田中区間の沿線住民に対し,道路の拡幅及び新設の説明会が行われた。 この都市計画道路は,平成18年12月2日石岡市から県への上申「都市計画原案(変更地域)」により,県により都市計画案が作成され関係機関との協議を経て,石岡市への意見照会の後,平成9年2月12日建設大臣の認可・平成9年3月3日茨城県知事により都市計画道路の変更が決定・告示された。 その理由は,「本案は,広域交通体系を構成し,地域の円滑な交通流動を確保するとともに,都市の健全な発展を図るため,都市計画道路を追加・変更するものである。」とあり,この度提案された貝地・高浜線は,6号石岡バイパスと一体的に考える必要がある。バイパス本線(工事区間石岡地先・田島下)が「中津川JC」に到達しないのに事業化するのは性急過ぎ都市計画の趣旨に背くことになる。 バイパス本線は文化財の調査が,平成16年10月に田島遺跡について開始され調査終了は20年3月となっている。今後の調査区域は南光院跡・三面寺・田崎・中津川・槇掘・東田中の各遺跡の調査が平成17年4月から予定されているが調査は何故か開始されていない。最初の田島遺跡は調査に3年を要している,文化財調査関係者は全地域の調査が終わるのには早くて十数年は要するのではないかと観ている。 バイパス事業が進展しないのは,中津川住民の路線変更の会のためと故意に伝えられている。事実は市が文化財の調査を略し都市計画の変更を急いだためであることは知らされていない。周知の遺跡周辺を道路等に利用する場合には,文化財保護法により調査が義務付けされている。法の運用を適正に行えばこのような事態は避けられた。 今回の事業を進めるに当たり,バイパス同様文化財の調査がある,路線上には物見塚古墳・関戸遺跡・上野遺跡が存在する。このことについては一切触れられていない。調査には,5・6年は要し費用は数千万円は見込まれる。調査についても,県教委への諮問事項となるのではないか,さすれば特例債の適用期限平成26年度までに工事は完結しないこととなる。 市によれば政府の公共事業の削減方針により,県の公共事業費も圧縮され,それを補うために県事業(県道)を市(市道)の特例債による事業として行なうとの説明があった。 このことは,総務省通知,地方財政法及び同法施行に関する命令の実施について,抜粋「国家財政との均衡乃至は国の施策との適合を忘れて独善的な支出を行い・・・国家財政の負担を重からしめるが如きことがあつてはならないこと」とあり,県事業を市が肩代りし,その事業費の財源を地方債により調達し,元利償還金を地方交付税の交付に転嫁させるのは通知違反のおそれがある,同線事業の市道認定にあたっては慎重に対応する必要があると考える。 国の地方交付税特別会計の借入金は50兆余円を超える状況にある,今回の市町村合併により,新しく誕生した市町は知る術もないが,減少した数は1,300余と言われている。そこでの特例債の総額は20―30兆余円になり,特例債からの地方交付税の交付が保障されれば通常の交付税が減額される懼れがある。現に篠山市においては,特例債分は担保されたが,普通交付税が4分の3削減され財政の見直しを迫られる状況にある。 特例債による事業については,合併協で採択されたものであっても,投資効果等を検証し,法との整合を図り,市財政への影響を直視し,市民の負担とならないよう配慮し,慎重な審議により判断すべき事項であると考える。
市道の認定は,道路法第8条により市議会の議決事項となっている。貴議会における審議にあたっては,中津川・高浜地区住民の反対意思を忖度して頂き度陳情するので宜しくお取り計らい願いたい。
【委員長報告の要旨】
定例会最終日(9月14日)に都市建設委員会に付託となったため,実質的審査はなく,委員長報告もなし。
【審査結果】 継続審査
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