平成18年第4回定例会では,次の意見書を可決し,関係行政機関などへ送付しました。
義務教育費国庫負担金制度の堅持を求める意見書
政府は昭和60年度予算より義務教育費国庫負担制度対象の見直しを行い,平成16年度までには,教材費・旅費・共済恩給費・退職手当・児童手当を一般財源化している。しかし,これらの一般財態化された教材費・旅費・図書費などは,地方財政が厳しくなるのに伴い,国の基準財政需要額を下回った予算措置しかされておらず,また,都道府県によっても大きな格差がでているのが現状である。
このようの中,現在政府の「三位一体」改革の中で,教育的議論と国・都道府県・市町村が教育の役割をどう担っていくか十分な検討がされないまま,国庫補助負担金の大幅見直しが進行している。
平成17年度には,義務教育費国庫負担金4,250億円が暫定的に交付金化され,就学援助費,奨学金,教員研修事業,学校教育設備整備費等の補助金も,廃止や大幅削減などが決定された。これらの財政措置は,教育水準の維持や子どもの就学保障にとって重要であり,教育条件整備にかかわる国の責任を放棄しようとするものである。
義務教育費国庫負担制度については,学級編制や教職員配置の弾力化の必要性も指摘されているが,この制度は,「最低保障」を担保するためのものであり,総額裁量性の導入により「自由度」のあるものである。現に国庫負担制度の加配教職員定数を活用するなどして,42道府県が独自の「30人学級」など,少人数学級を導入している。
制度の廃止,一般財源化は,税源の偏在性と今後削減が必至である地方交付税の状況を考えれば,都道府県間での教育水準だけでなく,市町村間の教育水準の格差の拡大を引き起こすおそれがある。
教育の機会均等とその水準の維持向上をはかる「義務教育費国庫負担制度」は,厳しい地方自治体の財政状況の中で極めて重要な位置を占めている。
政府においては,義務教育費国庫負担法の趣旨・精神をふまえ,中央教育審議会での結論を尊重し制度を堅持するよう強く要望する。
送付先 内閣総理大臣・文部科学大臣・財務大臣・総務大臣
|
「米国産牛肉の輸入に抗議し,BSEの万全な対策を求める」意見書
貴職におかれましては,日頃から国政運営のため多大なご努力を傾注されていることに対し敬意を表します。
さて,日本政府は昨年12月12日に,アメリカ・カナダ産牛肉の輸入再開を決定し,輸入が再開されました。しかし,1月20日にアメリカから輸入された牛肉に特定危険部位の脊柱が混入していたことが発見され,再度輸入停止措置がとられています。
当議会としては,国民の食の安全に対する関心の高さをふまえ,食の安全・安心を確保する観点から,これらの問題に対し慎重な対応が必要と考えます。
貴職におかれましては,以下の点に配慮をし「拙速な米国産牛肉の輸入再々開を行わず,国内BSEの万全な対策」に取り組まれるよう要望いたします。
1 米国産の牛肉等に対するBSE対策について,以下のような問題点があることから,これらに対する改善措置が明確にならない段階での,拙速な輸入再々開を行わないよう求めます。
@米国では,と畜される牛でBSE検査を行っているのは極めて少ないこと。
A生産・流通履歴をたどるトレーサビリティ制度が整っていないため,月齢の判定が正確に出来ず,誤差を生じさせること。
B特定危険部位の除去では,日本はすべての牛の危険部位を除去し,焼却処分を行っているのに対し,米国では30か月齢以上の牛に限られていること。
2 国内のBSE対策について,次の点を求めます。
@米国・カナダ産の牛肉等の再評価を行うこと。その際には日本で実施されているBSE対策である,全頭検査,トレーサビリティ,全頭からの特定危険部位の除去,肉骨粉の禁止を基準に評価すること。
A輸入時の検査体制を強化し,最大限の検査を行うこと。
B消費者の選択権を確保し食の安全を実現するため,牛肉を使用した外食,中食,加工品等すべてに原料原産地表示を義務化すること。
送付先 内閣総理大臣・農林水産大臣・厚生労働大臣・内閣府特命担当大臣(食品安全担当)
|
戻る 議会トップページへ
|