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議会中継
  


定例会・臨時会


 毎年,市長は第1回定例会の初日に「市政運営に対する所信と主要施策(以下,「施政方針」)」を述べます。
 今年の第1回定例会初日(2月28日(水))に発表された施政方針は,次のような内容でした。


T.市政運営の基本的な考え方

 平成19年第1回石岡市定例会の開会にあたりまして,ご提案いたしました議案の説明に先立ち,市政運営の基本方針と平成19年度の主要施策の大綱につきまして,私の所信を申し述べ,市民並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。

 我が国の経済の情勢は,穏やかに拡大しているものの,力強さに欠ける個人消費や物価の動向から,不透明な状況にあります。
 国の平成19年度予算は,「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」で示された今後5年間の新たな改革に向けた出発点となる重要な予算であり,これまでの財政健全化の努力を今後とも継続していくとしており,このため,引き続き歳出全般にわたる徹底した見直しを行い,歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施するとともに,基礎的財政収支の改善を図り,国債発行額についても極力抑制しています。

 一方,現下の地方財政は,地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が回復傾向にある一方で,地方分権の推進及び少子・高齢化による財政需要の増大と公債費が依然高水準であることなどから,大幅な財源不足が生じる厳しい状況に置かれています。

 本市は,一昨年の10月1日に合併し,新しい「石岡市」としてのまちづくりに大きな期待が寄せられているとともに,効率的な行財政運営に積極的に取り組むことが求められています。新市における総合計画については,合併時に示された新市建設計画と整合を図りながら策定され,答申をいただき,今議会にお示しをしているところでございます。

 本市は,豊かな自然,歴史,文化を有するとともに,石岡地域の中心都市として力強い発展が期待されております。
 私は,石岡市の市政を預かる者として,市民の皆様の期待の大きさと責任の重さを真摯に受け止め,石岡市の新たな時代を創造すべく,全力を傾注して,市政の推進に取り組んでまいる決意であります。
 地方分権の進むなかで,各地方公共団体の能力が問われており,競争の時代にきていると考えます。また,合併の効果は,市民と行政との協働によって「生み出すもの」という認識を深め,「住んでみたいまち」,「住んでよかったまち」と言われるようにすることであります。
 このような現状から徹底した行財政改革を推進し,簡素で効率的な行政システムを確立するとともに,経費の徹底した見直しによる歳出の抑制と,歳入面でも自主財源を積極的に確保することなどにより,将来にわたって持続可能な財政運営への転換を図ることが急務となっております。

 本市が直面する財政環境は,歳入面では税制の改正や税源移譲による個人市民税の一定の増収が期待できるものの,三位一体の改革の進展による地方交付税や地方譲与税の減額に加えて,臨時財政対策債の削減などは避けられず,市税等の徴収率の向上を図るなど,自主財源の確保に努めなければなりません。一方で歳出面は,扶助費の増大はもとより,継続事業や合併特例債事業の推進が求められており,今後も引き続き厳しい財政運営を強いられるものと考えています。
 今回,合併して2度目の通年予算編成となりました。御承知のとおり,ここ数年は財政構造が年々悪化する中で,予算編成は,基金の取り崩しなどにより,ようやく財政収支の均衡を図るという危機的な状況となっており,当面最大の課題は行財政改革の適切な実行であると考えます。

 このような状況を踏まえ,合併協議会において決定をいただいた新市建設計画に基づき「活力と生きがいに満ちた協働によるまちづくり」を基本理念とし,8つの基本政策を掲げました。
1 「明日を拓くまちへ」 都市基盤の整備
2 「産業の輝くまちへ」 産業の振興
3 「安全で安心して暮らせるまちへ」 安全な地域づくり
4 「笑顔と元気のあるまちへ」 保健・医療・福祉の充実
5 「人を育むまちへ」 教育・文化の充実
6 「自然と調和するまちへ」 環境共生・循環型社会の構築
7 「協働で歩むまちへ」 住民と行政との協働
8 「効率的な行財政運営を目指して」 行財政改革の推進
の実現に向けまして,総合的かつ計画的なまちづくりを図るとともに,その具体化を推進してまいりたいと考えております。


U.主要な施策の概要

1.明日を拓くまちへ(都市基盤の整備)
 本市は,豊かな自然や条件の良い交通立地,魅力的な地域資源に恵まれるなど,これからの発展の可能性を充分に有しています。さらに,間近に控える茨城空港の開港や,つくばエクスプレスの開通に伴い本市の潜在力を大きく開花させ,産業の振興や市民生活の向上を図っていくには,都市基盤の整備は明日を拓くまち実現への必要条件となります。

 初めに,計画的な土地利用についてであります。
 まちづくり三法の見直しが行われ,茨城県は現行の都市計画の全面的見直しを実施しており,本市においても各種課題の整理を行い,地域の意向を踏まえた均衡ある土地利用と地域資源の有効活用を図るため,総合計画を基本とした都市計画マスタープランの策定を行い,魅力ある生活空間を創造します。

 次に,駅・市街地につきましては,電線類地中化事業は県において事業主体となり,本年度より旧守木町地区で着手が計画されており,バリアフリーや景観に配慮した良好な歩行空間の早期完成を目指し整備促進を図ってまいります。なお,石岡駅につきましては,人道跨線橋改築計画に伴う駅舎改築と西口駅前広場等の計画検討調査を行います。

 次に,道路の整備についてであります。
 地域の基軸路線として,早期完成が望まれています国道6号千代田・石岡バイパスや国道355号石岡・岩間バイパス,広域幹線道路である県道石岡・つくば線,県道飯岡・石岡線,県道石岡・筑西線(林地内)の各バイパス及び,中心市街地の主要道路である県道石岡・城里線等につきまして交通量の増大への対応と利便性・安全性の一層の向上を図るため,今後も国・県道整備の早期完成に向け,事業の促進に努めます。
 合併特例債事業計画に基づく道路整備につきましては,県支援制度等を活用した効果的な事業展開を推進し,本年度は測量・調査業務及び一部の用地補償を実施し早期完成を目指します。なお,朝日トンネル及び駅前・東ノ辻線につきましても,市民及び関係市と連携し早期完成を目指します。また,上曽トンネルにつきましても早期完成を強く要望してまいります。
周辺地域からの高速道路への利便性の向上,地域経済の活性化を図るため常磐自動車道に新たなインターチェンジの建設を目指し社会実験を促進いたします。
 市道の整備につきましては,臨時地方道整備事業により幹線市道9路線の整備を行います。また,国補事業は,まちづくり交付金事業による歴史の道・茨城県に委託する上曽トンネルへの取付道路改良工事を行います。
 次に,公共交通機関の充実についてであります。
 市民の交通手段を確保するため,代替バス運行補助及び乗合いタクシーを運行いたします。なお,乗合いタクシーにつきましては本年度より八郷地区への拡大を図り,市内全域を各地域の実情に合わせたかたちで新しい公共交通の確立を目指します。
 鹿島鉄道につきましては,今年3月31日をもって廃止されることに伴い,地域市民の交通手段は代替バス及び乗合いタクシー利用等の対応となることから,不便をきたさないよう配慮いたします。

 次に,上下水道の整備であります。水は住民生活や産業活動にとって欠かすことができません。水源の確保には万全を期すとともに,水道施設の整備と料金格差の縮小を進め,安全で安定した水道水の供給に努めます。
本年度から,湖北水道企業団の経営基盤の強化と資本費負担の軽減を図るため,老朽管布設替等の経費の出資を行ってまいります。

 公共下水道の整備において,石岡・八郷地区を合わせた人口普及率は49.5%となっています。本年度は両地区の管路整備を進めるとともに,八郷水処理センター第2系列水処理施設の継続事業による増設工事,ならびに石岡地区の流入量の増加・老朽化に伴う第一中継ポンプ場のポンプ増設工事を実施することにより,処理施設の適正な維持管理を図り,また,供用区域拡大と水洗化普及の向上及び使用料の徴収強化に努めてまいります。
 山王川雨水幹線及び調整池につきましては,引き続き計画的な整備を進め,浸水防止を図ってまいります。

 農業集落排水の整備につきましては,石岡西部地区における処理場の完成に伴い,受益地の一部供用開始による水洗化普及率向上を図るとともに,未整備地域の管路整備を実施し早期完成を目指します。恋瀬地区につきましても管路整備を進め早期供用開始を目指します。また,供用開始地区における処理施設の適正な維持管理に努めるとともに,使用料の徴収強化を図ります。

 次に,公園・緑地の整備であります。本市の豊かな水と緑を保全するとともに,住民や来訪者が身近にふれあい安らげる上池公園の再整備のために,市民参画のもと基本設計に入ります。

 次に,住宅の整備であります。住宅対策につきましては,現在石岡地区の住宅593戸,八郷地区の住宅25戸の市営住宅を保有しており,これらの適切な維持管理に努めるとともに,使用料の徴収対策を強化してまいります。また,消防法及び火災予防条例の改正に伴い本年度火災報知器を順次設置してまいります。
 なお,一般民間住宅におきましては,昭和56年5月以前に建築された木造住宅の耐震診断を行う木造住宅耐震診断士の派遣を本年度も実施してまいります。

 地域情報化の推進につきましては,特に行政情報サービスの向上に努めます。インターネット利用者も急激に増加しており,市のホームページのさらなる充実やメールマガジンの活用の拡大を図ります。また,地域情報通信網の整備促進のため,地域情報化計画の策定やブロードバンド環境整備の支援を行ってまいります。


2.産業の輝くまちへ(産業の振興)
 地域の産業と経済の均衡ある成長を実現するため,本市の恵まれた自然環境や歴史的資源を活かしながら,産業の振興を積極的に図ります。
 魅力ある農林業の確立と,商工業や観光の振興など,バランスの取れた産業構造を活かしながら,全体の活性化を図り,産業の輝くまちを目指します。

 最初に,農林業の振興についてであります。
 国において,これまで米・麦・大豆などを生産していた全ての農家を対象に,農産物の品目ごとに支給されていた価格補償制度を抜本的に改め,対象者を「担い手」及び「集落営農組織」に絞り込み,経営全体に着目した品目横断的な所得補償に転換するとの農政改革関連法が施行されることから,競争力のある担い手の育成が急務となっております。

 このようなことから,本市においても,時代の変化に的確に対応した施策を,関係機関と十分な連携をとり,恵まれた資源を最大限に活かした農業経営の安定化を図るため推進をしてまいります。

 畑地帯総合整備事業につきましては,畑作経営の改善・安定を図り収益性の高い営農を目指すため,2地区での実施をしてまいります。本年度は,三村地区については用地買収・農道整備等を実施するとともに,東成井地区は活性化計画の策定及び,営農技術習得支援等の事業を実施いたします。
 畜産事業に関しても,家畜に対する各種防疫等の補助及び乳用牛預託育成事業により優良牛育成による品質向上・安定供給を図ります。
本市の基幹産業でもあります水田農業におきましては,石岡市域の水田農業ビジョンの中で,産地づくり推進事業により集落生産調整促進,地域奨励作物促進,ブロックローテーション促進事業等への助成を行うことにより,農業者及び農業者団体が自主的に生産調整を行う体制の確立を図ってまいります。
 また,農業経営の規模拡大や農作業の受託組織の育成・農地の集積等を図り,認定農業者及び担い手の育成に努めるための政策及び農協専門部会等営農活動強化のための助成を行い,新鮮で安全な産品の供給を確立いたします。
 さらに,生産物の安定供給等を目的とした基盤整備促進農道整備及び,県により実施している農道整備(八郷中央線)事業・田園空間整備事業等におきましても,早期完成に向け事業の促進に努めます。
 林業振興につきましては,森林整備地域活動支援,森林育成及び保全管理に必要な林道開設事業等を実施し,住民や来訪者の憩いの場としての有効利用を促進します。
 また,里地棚田の整備を推進し,体験農業や観光農業,グリーンツーリズムなどを通して,都市と農村の交流を促進し,魅力ある農林業を目指します。

 次に,商業の活性化についてであります。
本年度は旧来の中心市街地活性化プランを見直しまして,新・中心市街地活性化基本計画を策定し,中心市街地の整備改善と,商業の活性化等を相乗的に進めてまいります。
また,魅力ある商業環境を築くため,商工会議所・商工会等との連携を強め,中心市街地の活性化に向けた施策を展開してまいります。
 各商店会の行う商店街共同施設設置事業や商店街共同事業,商工祭,産業祭,柿岡城まつりなどへの助成を引き続き行い,商店会の振興に努めてまいります。
厳しい経営環境にある中小企業に対しましては,健全な育成や振興を図るため,自治金融など融資制度を活用し,事業に必要な資金を借入れできるよう,保証料の補給を引き続き行うとともに,中小企業相談所運営への助成を行ってまいります。

 次に,観光振興であります。
 広大な行政面積を有する本市にとって,自然と歴史を融合させた観光都市づくりはたいへん重要な課題です。素晴らしい環境に立地する既存の観光施設を有効に活用することはもとより,観光客の入り込みに向けた,観光振興計画を策定いたします。また,市全体のエリア地図と観光案内を併せた石岡市観光ガイドマップを作成し,観光サービスの向上を図ります。
 指定管理者制度導入から2年目に入ります常陸風土記の丘,茨城県フラワーパーク,国民宿舎「つくばね」,やさと温泉「ゆりの郷」などの施設の適切な管理指導に努めてまいります。
 さらに,「石岡のおまつり」をはじめとする各種イベントについては,市民と来訪者が一体となった,より楽しく充実した観光資源となるよう支援してまいります。
 また,つくば周辺地域の資源を結びつける周遊ルートを構築するため,県及び関係市と協力しながら広域的振興策を進めてまいります。
 観光客のニーズが,観るだけの観光から,楽しく学べる体験・学習型の観光へと変化していることを踏まえ,旧朝日小学校を利用した長期滞在型の体験・学習観光事業を進めてまいります。


3.「安全で安心して暮らせるまちへ」
 世界一安全な国といわれている日本ですが,近年では凶悪な事件や悲惨な事故などが目立ち,日常の安全に対する備えがますます求められております。
 また,台風や集中豪雨による水害など,自然災害に対する備えも重要性が増しており,地域ぐるみの消防・防災体制の充実や救急体制のさらなる整備を進め「安全で安心して暮らせるまち」を目指します。

 防犯につきましては,関係機関との連携のもとに犯罪の未然防止に努めます。さらに市民との協働による自主防犯活動である「エンゼルパトロール」制度などを引き続き推進するとともに,街路灯の設置,防犯灯の設置助成に努めてまいります。
 交通安全につきましては,昨年来,飲酒運転による事故が社会問題化するなど,関心が高まっております。警察と協力しながら,各種啓発活動を実施するとともに,交通安全施設の整備・充実を図ります。

 消防・救急体制につきましては,初期消火の重要性を踏まえたうえで消防団活動の充実を図り,柿岡地区の消防団拠点の再整備などを行います。
消防水利施設に関しましては,地域バランスに配慮しながら計画的に整備してまいります。
 また,機械器具の整備において,救助工作車は,火災や車両事故のほか,あらゆる災害時の救助に対応する特殊消防車両であり,その更新を行い,山崎出張所配置の高規格救急車及び愛郷橋出張所配置の消防ポンプ自動車についても,更新をしてまいります。本部の通信装置につきましては,その改修を行います。
 さらに突然の心停止への対応として自動体外式除細動器(AED)を平成18年度からの3カ年計画で市内施設20ヵ所に設置することとしております。この配備計画に基づき本年度も適宜設置を行い,救命率の向上を図ります。

 次に防災対策でございますが,市民の防災意識向上と災害発生時の行動理解促進のため,有事の際の国民保護に係る訓練内容を盛り込みながら,地域単位の防災訓練を実施します。
また,市民との協働での防災活動を目指し,自主防災組織の充実を図ります。

 次に,消費生活の安全確保についてでございます。悪質で巧みな勧誘や詐欺事件が社会問題となる中,安心して消費生活を送っていただくためには,正しい知識の理解と適切な判断が求められます。関係機関と連携しながら,各種情報の提供や相談窓口である「消費生活センター」の機能充実を図ってまいります。

4.「笑顔と元気のあるまちへ」
 生涯にわたり健康で生きがいを持った暮らしを送ることは,私たち誰もが願うことであります。近年は,心身ともに自立して健康に生きられる「健康寿命」が注目される中,生活習慣病の予防やその早期発見・早期治療がますます大切になっております。市民一人ひとりの健康づくりへの自覚・実践と地域が一体となった取り組みも含め,保健・医療・福祉の総合的なシステムづくりを行い,笑顔と元気のあるまちづくりを目指します。
 また,合計特殊出生率が1.26まで低下し少子化が深刻さを増す中で,この状況を改善していくためには,経済的負担の軽減やきめ細かな育児支援施策など,子どもを産み育てやすい環境の整備が求められております。これらを踏まえまして,本年度は当市独自の新たな取り組みをプラスして本格的に少子化対策を実行してまいります。

 健康づくりといたしましては,各種検診の受診率向上を目指すとともに,保健師などの専門家を確保し,市民の健康づくりを積極的に支援してまいります。
 今年度から,従来の老人保健法などによる健診等に加え,糖尿病などの生活習慣病に着目した健診と保健指導を行う特定健診事業に取り組んでまいります。

 次に,地域医療の充実につきましては,市民のニーズに応えるため緊急診療所の運営や病院群輪番制を実施し,当制度担当の社団法人地域医療振興協会病院の新築移転にあたって,救急専門病床の施設整備に補助するなど体制の充実を図ってまいります。
 地域福祉の充実につきましては,助け合い,支え合う地域社会づくりが求められております。ボランティア等の育成・支援を行うとともに地域住民等の連携により高齢者・障害者を見守り支援する地域ケアシステムを引き続き推進してまいります。

 次に,高齢者福祉でございますが,介護保険制度の適切な運用とともに「できる限り介護状態にならないように」介護予防にも重点を置いてまいります。比較的軽度な要支援の方には「地域包括支援センター」が相談窓口になって新予防給付のサービスを,介護保険に該当しない方には介護予防の見地からイベントや教室の開催,情報の提供等を行う地域支援事業のサービスを提供してまいります。

 次に,児童福祉でございますが,重点的に,傾注したい施策の一つであります。
 子どもは,次代の社会の担い手であり,子育てについては,父母が第一義的責任を有するとの認識の下に,子供を産み,育てるものの,経済的,精神的その他の負担や不安の軽減に資するため,次の事業を行ってまいります。
1.不妊治療に対する助成として,1年度当たり5万円を助成します。
2.妊婦健診の無料健診の回数を現行の2回から5回に拡大します。
3.第3子以降の保育料の減免措置を行い,幼稚園については,公立の保育料の5,000円を限度に支援してまいります。
4.マル福医療制度の拡大を行い,中学校卒業までの入院にかかる医療費の自己負担を助成してまいります。
5.児童手当の支給額を制度改正に伴い,3歳未満児に対する手当てが一律1万円に増額になります。
6.放課後児童クラブの拡充を図り,放課後子どもプランの取り組みを進めてまいります。
7.病児・病後児保育(自園型)の取り組みを支援してまいります。

 次に,今年は11月に「ねんりんピック茨城2007」が開催され,当市はオリエンテーリング交流大会の開催地となっております。大会の成功に向けて十分な準備を行ってまいります。

 障害者福祉につきましては,昨年4月「障害者自立支援法」施行に伴い,10月から新サービス体系への施行により,身体・知的・精神など障害の種類にかかわらず,障害のある人々が必要とするサービスを利用できるよう,その仕組みを一元化し,共通のルールに従って提供していく内容となっております。新法に基づき,「自立支援給付」及び相談支援・コミュニケーション支援・日常生活用具給付等「地域生活支援事業」を実施してまいります。

 次に,母子・父子福祉でございます。母子・父子家庭の生活安定と自立を図るため,関係機関との連携を強化しながら,相談や支援体制を行ってまいります。

 低所得者福祉につきましては,生活支援の必要な市民の健康で文化的な生活水準を維持しながら,適切な自立支援を行ってまいります。

 次に,社会保障制度の運営といたしまして,国民健康保険につきましては,引き続き人間ドック等の健診補助を実施するとともに,国保税の収納率向上を図り,国民健康保険財政の健全化に努めてまいります。
また,後期高齢者医療制度につきましては,平成20年度から75歳以上の後期高齢者医療の事務が,県内の全市町村が加入する広域連合で共同処理されますので,その準備に万全を期してまいります。


5.人を育むまちへ(教育・文化の充実)
 当市は,数多くの歴史・文化遺産を有しております。こうした地域の史跡や文化財,文化芸術活動を伝承・育成し,地域への愛着を深めていくことは魅力あるまちづくりを進めるうえでも大切なことであります。
 地域が人を育て,人が伝統を築いていく中,次代を担う子どもたちの教育には,情報化や国際化,環境問題などこれからの社会情勢に対応したプログラムを組み込んでいくことが重要でございます。
 いじめが大きな社会問題となっておりますが,「どの学校でも,どの子でも起こり得る」問題であることを十分認識し,家庭・学校・地域との連携を密にして,いじめ防止,問題解決への対応に努めてまいります。
また,家庭・学校・地域の連携による教育環境づくりや,市民の学習意欲に応える生涯学習の推進が求められております。
 そこで,地域の歴史・文化を守り育みつつ,地域が連携して新しい時代を担うに相応しい人材を育成できる,「人を育むまち」を目指してまいります。

 学校施設の整備・充実につきましては,児童生徒数の減少に伴う小規模学校を解消するため,学校の適正規模,適正配置等の検討を受けまして学校の統廃合,耐震化優先度調査の結果に基づいた耐震診断や耐力度調査等を実施して,改築・改修等を計画的に行うなど適切な維持管理に努めてまいります。
また,学校遊具につきましても,安全管理に努めてまいります。
 学校給食センターにつきましては,調理施設を整備するとともに,学校と連携した食の指導や安全指導等を行ってまいります。
 また,小中学校に配備されておりますコンピュータ機器を更新しまして,児童生徒の情報活用能力を育成してまいります。

 次に特色ある学校教育であります。多様な経歴を有する社会人を講師とした学習活動,校外学習等の授業を行い,各小中学校の独自性を尊重しながら児童生徒の生きる力を育成するため,「学校いきいきプラン推進事業」に取り組んでまいります。
また,障害をかかえながら小学校に在籍する児童の学習活動等の充実を図るため,介護の必要がある児童に教員の補助を行う「介助員」を配置してまいります。
不登校の児童・生徒対策につきましては,府中小学校に設置した適応指導教室において体験学習や交流授業を実施するとともに,適応指導教室にも通えない児童生徒及び保護者に対する支援として,家庭への訪問等を行う学校適応指導員を配置してまいります。
また,教育相談活動につきましては,教育カウンセラーや心の教室相談員の配置によるカウンセリングを行ってまいりますが,学級担任が中心となってカウンセリングを行い,不登校やいじめなどの未然防止と解消に努めてまいります。

 次に地域に開かれた学校づくりでございます。学校評議員活動の充実を図るとともに,地域と連携し,地域の意向を学校運営に取り入れ,信頼される学校づくりを目指してまいります。

 次に生涯学習であります。市民が楽しく学びあい,生きがいや自己実現を求めていけるよう,公民館における学習活動や講座の充実に努めてまいります。
 また,放課後に小学校の校庭や体育館・教室等を活用して,地域の方々の参画を得て,子どもたちとともに勉強やスポーツ・文化活動,地域住民との交流等を行う放課後子どもプランモデル事業を実施いたします。
 中央図書館と図書システムで結ばれた中央公民館・東地区公民館・城南地区公民館の各図書室について,図書サービスを充実させるとともに,図書の利用拡大に努めてまいります。
 また,親が家庭における子どものあり方について正しい理解を持ち,現代に相応しい家庭の教育機能を高めることができるよう,関係機関や行政・団体との連携を深め,子育てに対する意識の啓発と学習機会の拡充を図ってまいります。
 さらに,生涯スポーツにつきましては,身近にスポーツを楽しめる環境を整えるとともに,各種スポーツイベントなどを実施してまいります。
 また,体育施設については,適切な維持管理に努めてまいります。

 次に,文化・芸術の振興でございます。先人達が大切に育んできた貴重な地域文化・芸術が,適切に保護・保存及び活用されるよう,市民の文化活動発表の場の提供や文化・芸術振興のため,市民との協働による芸術文化事業を推進してまいります。
 また,歴史・文化財の保護・活用につきましては,貴重な歴史資産が適切に保護・保存されながら,歴史・郷土を学び,多様な交流を育む資産として活用されるよう,歴史探訪ルートの設定や歴史資産の周辺環境整備を行ってまいります。

 次に,青少年の健全育成につきましては,青少年の非行を未然に防止し健全な青少年を育成するため,相談員体制の充実を図り,街頭指導などを行いながら,学校・地域及び関連団体との連携を強化し,コミュニティ組織やボランティア団体などを中心とした市民活動を支援してまいります。


6.自然と調和するまちへ(環境共生・循環型社会の構築)
 当市は,霞ケ浦や筑波山など豊かな自然に恵まれており,こうした自然資源は,地域の貴重な財産であります。
これからの,自然を育みつつ,次代への財産として引き継ぎ,持続可能な地域資源として生活や産業の中で大切に活用していくことができる,「自然と調和するまち」を目指してまいります。

 自然環境の保全・共生につきましては,行政・事業者・市民が一体となって自然環境の積極的な保全に努めるため,環境測定の継続的な実施や,地域住民と連携した不法投棄対策の充実などを行ってまいります。
 また,自然環境との共生を図るため,環境に関する市民団体等との連携を強化しながら,環境に対する市民理解の促進に努めてまいります。

 次に住環境・都市景観等の整備についてであります。美しい自然環境や数多くの歴史資源との調和を図るため,市民,企業,行政が互いに協力して,市固有の自然や歴史資源が調和した,良好な景観の保全や新たな形成など,魅力ある都市景観を創りあげてまいります。
 また,美しいまちなみ景観のために,民間団体や事業者・ボランティア団体等の協力を得て,禁止広告物等の除去を進めてまいります。

 次に廃棄物対策・循環型社会の構築でございます。ごみの減量化・再利用・再資源化を推進するため,一般家庭ごみの適正な分別収集の普及啓発やPR活動を実施する他,循環型社会の構築を図るため,生ごみ処理減量化補助事業や資源ごみ回収補助事業に取り組んでまいります。
また,適切なごみ処理の推進を図るため,ごみの不法投棄対策につきましては,関係機関との連携を図りながら,積極的に取り組んでまいります。
 さらに,省エネルギー・新エネルギーの推進につきましては,限りある資源を守るため,公共施設における省エネルギーへの取り組みや,市民・企業等への意識啓発を行って,省資源や省エネルギーの暮らしが実現するまちを目指してまいります。


7.協働で歩むまちへ(住民と行政との協働)
 住民の自治意識が高まりを見せる中,自治会などを中心とした住民自治への積極的な対応が求められています。
 そして,限られた財源で,効果的な施策や行政サービスを行うためには,市民からの意見や要望を,これまで以上に的確に把握し,積極的に反映させることが必要です。
 従いまして,市民が主体的にまちづくりに参画・活動できる環境が整ったまちを目指し,市民と行政が協働に対する理解を深め実践することにより,ともに地域への愛着と将来への責任が認識できるまちを目指します。そのため,公募委員の拡充や会議の公開の推進,研究集会(ワークショップ)手法の活用を行ってまいります。また,意見公募(パブリックコメント)制度の活用や管理運営の市民委託の推進を図ってまいります。
 また,生活様式や価値観が多様化する中で,一部では,地域社会における連帯意識や人間関係の希簿化,さらには地域への無関心が指摘されています。
 地域活動は人が主役であり,住民一人ひとりがその地域を住みよくすることに意欲をもって取り組むことが重要であり,自治会はそのような人材を発掘し,育成することが求められます。また,地域の身近な課題は,自治会が主体となって取り組み,解決していかなければなりません。もちろん,自治会だけでは困難なこともあり,行政の支援を受けながら協働して進めることも必要です。
 合併時に,異なっていた行政連絡員制度については,区長・協力員として統一されます。各地区・住民と行政を結ぶパイプ役とし,極めて重要な役目を担っております。このため,区長自治連合会に対する支援やコミュニティ助成事業としまして,財政支援を行ってまいります。

 石岡地区の「盆踊り」や八郷地区の「ふれあいまつり」につきましては,引き続き実施してまいります。

 次に,男女が共に個性と能力を活かし,責任を分かちあい,あらゆる分野の活動に参画できるまちを目指してまいります。本年度は,男女共同参画基本計画の策定を行い,相談体制の整備・充実を図ってまいります。また,審議会等への女性登用を推進してまいります。


8.効率的な行財政運営を目指して(行財政改革の推進)
 最初に,情報公開と対話の推進であります。市民と行政との協働によるまちづくりの前提となるのは,市政への参加を促すための情報を提供し,まちづくりを考えていく必要があります。
 また,市民との信頼関係を築き,より良いまちづくりを進めていくため,これまで以上に市民の声を広く聴くとともに,提案された意見に対する検討経過や結果について,公表していく仕組み作りが必要です。従いまして,広報紙やホームページの充実,広報機会の拡充,市民との対話を引き続き推進していくとともに,市民と行政の情報の共有化のため,個人情報の保護を図りながら,情報公開の推進を行ってまいります。

 次に,持続可能な財政運営の確立であります。
 地方分権の一層の進展や,地方交付税制度の見直し・補助金の削減・税源移譲を同時に行う「三位一体の改革」の推進などにより,地方行財政運営は極めて厳しい状況に直面していますが,多様化・高度化する市民ニーズに応えるため,安定的・持続的な財政基盤の確立が必要です。
 このため,石岡市税等徴収特別対策本部を中心に,市税や下水道使用料,国民健康保険税,介護保険料などの公共料金等の徴収率向上に向けた取り組みを進めます。また,石岡市行財政改革大綱及び実施計画集中改革プランや財政健全化プランなど一連の改革プログラムに積極的に取り組み,その進行管理を行い,持続可能な財政運営体制の確立を図ってまいります。さらに,職員数の削減により人件費を抑制し,必要最小限の人員での市民サービスの維持・向上に努めるため,石岡市定員適正化計画を着実に実行してまいります。その実行のために,組織機構の再編を行い関連する課の統廃合によりスリム化を図ります。

 次に,冒頭にも申し上げましたが,新市における第一次総合計画をご審議頂くことになります。この総合計画を着実に実行・実現していくためには,計画の進捗管理が大切であります。
 本計画は,各施策において市民満足度及び成果指標を設定し,数値による客観的な進捗管理が行える計画となっており,その推移等を公表することにより,計画の進捗状況を市民と行政が共有していくこととしています。
 さらに,より適切かつ効果的な管理・評価を行うため,施策や事業の成果などを評価・検証する行政評価システムを早期に構築し,これを効果的に実行していくための全庁的な組織・体制を整備します。あわせて,市民などが評価に参加できる仕組みを構築し,客観性の高い評価を実施しまして,市民への説明責任の明確化を図っていきます。
 また,これらの評価結果については,毎年のローリング方式で見直しを行う実施計画において,適切に予算編成・人事に反映させることで効率的・効果的な行政経営を行っていきます。

 また,地方分権の推進,少子高齢化などの環境の変化や,多様化・専門化する市民ニーズに対応するため,計画的な人材育成や職場の活性化を図ってまいります。


おわりに
 以上,私の平成19年度に臨む基本的姿勢と,市政運営の所信と主要施策の概要であります。
 冒頭にも申し上げましたが,新年度は,石岡市にとって総合計画に基づく新たなまちづくりの本格的なスタートを切るための重要かつ意義深い年であります。私も,石岡市のさらなる発展のため,本市の目指すべき将来像「風と時が輝く“和”のまち いしおか」の実現を通して,市民とともに「魅力あるまちづくりの実現」のため,全力で市政の推進に取り組んでまいりたいと決意しているところであります。
 議員各位を始め,市民の皆様のご理解と,温かい御支援を心からお願い申し上げ,市政運営に当たりましての所信表明とさせて頂きます。


〔予算説明〕

 議案第1号 平成19年度石岡市一般会計予算について,ご説明を申し上げます。
 
 一般会計予算は,248億円とし,前年度より18億3,500万円の減,6.9%減といたしました。

 その歳入は,一般財源として
・市税                   106億4,369万5千円
・地方譲与税                   5億1,800万円
・利子割交付金                    3,120万円
・配当割交付金                    2,780万円
・株式等譲渡所得割交付金             3,850万円
・地方消費税交付金               7億3,250万円
・ゴルフ場利用税交付金               5,500万円
・自動車取得税交付金             2億2,190万円
・地方特例交付金                   6,870万円
・地方交付税                  52億5,900万円
・交通安全対策特別交付金             1,980万円
・分担金及び負担金                 325万7千円
・使用料及び手数料                 791万9千円
・財産収入                       1,126万円
・財政調整基金等からの繰り入れ    4億5,116万4千円
・繰越金                             3億円
・諸収入                        445万8千円
・市債                        7億2,260万円
 計                     191億1,675万3千円
を計上し,さらに事務事業に伴う特定財源として,56億8,324万7千円を計上いたしました。

 その内訳は,
・分担金及び負担金            3億8,026万2千円
・使用料及び手数料            2億8,934万4千円
・国庫支出金                19億7,235万1千円
・県支出金                 13億2,006万4千円
・財産収入                     1,576万5千円
・寄附金                             8千円
・基金繰入金                 1億8,478万5千円
・貸付金元利収入及び雑入等諸収入  6億9,356万8千円
・市債                        8億2,710万円
でございます。

 次に,歳出の内訳を申し上げますと,
・議会費                  3億1,160万8千円
・総務費                 29億3,047万6千円
・民生費                 72億9,694万2千円
・衛生費                 21億1,642万9千円
・労働費                         133万円
・農林水産業費               14億7,336万円
・商工費                  5億8,180万7千円
・土木費                     30億7万1千円
・消防費                 14億5,996万8千円
・教育費                   26億374万1千円
・公債費                 29億1,092万4千円
・諸支出金                   8,245万9千円
・災害復旧費及び予備費          3,088万5千円
でございます。

 なお,債務負担行為については,ドライシーラー機器借上料,住民情報系端末機器借上料,パソコン借上料,住民基本台帳ネットワーク機器借上料,印刷機借上料,農道整備事業に関して農道整備組合がやさと農業協同組合より借り受ける債務の損失補償,小学校教育用コンピュータ機器借上料,図書館情報システム電算機器借上料,地方債については,建設事業等13件の資金に係わるものでございます。一時借入金については,現在の諸情勢・予算規模等を十分検討し,借入の最高額を10億円といたしました。

 次に,議案第2号ないし議案第14号,特別会計予算についてご説明申し上げます。

 内訳は,
・授産所特別会計                2,902万4千円
・国民健康保険特別会計           88億8,874万円
・簡易水道事業特別会計              2,157万円
・下水道事業特別会計          30億5,607万2千円
・駐車場特別会計                1,605万7千円
・老人保健特別会計              65億9,300万円
・石岡駅東土地区画整理事業特別会計   6,474万9千円
・農業集落排水事業特別会計     10億1,416万4千円
・公共用地先行取得事業特別会計     2億267万2千円
・霊園事業特別会計                 3,699万円
・介護保険特別会計             43億193万1千円
・介護サービス事業特別会計       2億1,428万3千円
・水道事業会計(収益的支出と資本的支出の合計額)  9億5,051万5千円
でございます。

 なお,地方債については,流域関連公共下水道事業,公共下水道事業,流域下水道事業,農業集落排水事業における建設事業等の資金に係わるものでございます。

 一時借入金については,
・国民健康保険特別会計                 3億円
・下水道事業特別会計                   3億円
・石岡駅東土地区画整理事業特別会計         1億円
・農業集落排水事業特別会計               1億円
・介護保険特別会計                      3億円
といたしました。

以上が予算の説明でございますが,詳細につきましては,お手元の事項別明細書によりご審議のうえ,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。



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