〒315-8640 茨城県石岡市石岡一丁目1番地1 Tel 0299(23)5600 gikai@city.ishioka.lg.jp |
T 市政運営の基本的な考え方 平成20年第1回石岡市定例会の開会にあたりまして,ご提案いたしました議案の説明に先立ち,市政運営の基本方針と平成20年度の主要施策の大綱につきまして,私の所信を申し述べ,市民並びに議員各位のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。 我が国の経済は,「失われた10年」と言われるバブル崩壊後の長い低迷期を抜け,弱さはあるものの回復傾向にあるといわれております。 しかしながら,企業の業績回復に対し,個人消費に関しては経済成長を実感できるものにはなっていないのが現状です。 国の平成20年度予算編成方針では,歳出全般にわたる徹底した見直しを行い,歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施するとしています。 一方,地方財政は,地方税の偏在を是正するための「地方再生対策費」が創設され,地方交付税が3年ぶりに増額となる見込みも出されてはおりますが,財源の確保につきましては,予断を許さない状況でございます。また,歳出に関しても地方分権の推進及び少子・高齢化による財政需要の増大など厳しい状況に置かれております。 本市でも,ここ数年上下水道などのライフラインが老朽化により更新時期を迎えるなど,都市基盤の維持管理費が否応なく膨らんでおります。さらに学校の耐震補強や改築など,優先順位の高い事業も相当数控えており,将来にわたり持続可能な財政運営を行ううえで,深刻な課題となっております。 このような厳しい財政事情のなか,最優先事項として考えるべきものは徹底した行財政改革の推進でございます。 ここ数年は,悪化する財政構造を背景として,予算編成に関しましては基金の取り崩しなどにより,ようやく財政収支のバランスを図るなど,危機的な状況が続いております。新年度から本格導入を図る行政評価システムをはじめとして「石岡市行財政改革実施計画」に掲げる56項目の目標達成に向けて確固とした決意で望み,自主財源の確保,歳出の見直し等を図ってまいります。 さて,平成の大合併により,県内の市町村数は83から44へと半数に減少いたしました。全国的には,約3千あった市町村が,約1千8百となっており,ここ数年いかに大きな時代の節目であったかがうかがわれるところでございます。 今回合併した市町村,しなかった市町村,いずれも自らのまちづくりを真剣に議論し,自らが選択したまちの将来像に向かって,今まさに同じスタートラインに立っているといっても過言ではないと思います。 また,地方分権が進展し,地方への権限移譲が着実に進むなか,地方が,自ら考え,実行できる“自立力”と“経営力”を持つことがまちの未来を左右する時代となってきております。 依然として厳しい財政状況の中,さらなる財政需要の増大が予測されるところではございますが,石岡市が一体感を高め,近隣市との連携のもと,これからの地域間競争を勝ち抜くためには,新たなまちづくりのための投資も必要でございます。 このような状況を踏まえ,第1次石岡市総合計画に基づき「風と時が輝く“和”のまち いしおか」の実現に向けて,人と人とのふれあいと協働,暮らしと自然・歴史の調和,安心とやすらぎに包まれたまちづくりを基本理念とし,8つの政策を掲げました。すなわち, 1「明日を拓くまちへ」 都市基盤の整備 2「産業の輝くまちへ」 産業の振興 3「安全で安心して暮らせるまちへ」 安全な地域づくり 4「笑顔と元気のあるまちへ」 保健・医療・福祉の充実 5「人を育むまちへ」 教育・文化の充実 6「自然と調和するまちへ」 環境共生・循環型社会の構築 7「協働で歩むまちへ」 市民と行政との協働 8「効率的な行財政運営を目指して」 行財政改革の推進 でございます。これらの実現に向けまして,総合的かつ計画的なまちづくりを図るとともに,その具体化を推進してまいりたいと考えております。 U.主要な施策の概要 1.明日を拓くまちへ(都市基盤の整備) 本市は,豊かな自然や条件の良い交通立地,魅力的な地域資源に恵まれるなど,大きな可能性を有しています。さらに,間近に控える茨城空港の開港や,つくばエクスプレスの開通に伴い本市の潜在力を大きく開花させ,産業の振興や市民生活の向上を図っていくに当たり,都市基盤の整備は「明日を拓くまち」を実現するための必要条件となります。 初めに,計画的な土地利用についてでございます。 本市における各種課題の整理を行い,本市の将来像や都市づくりの基本方針を明らかにするとともに,各地域ごとに特色を持ったまちづくりの方針を定めるため,上位計画となる第1次石岡市総合計画などを踏まえながら,石岡市都市計画マスタープランを策定し,魅力ある生活空間を創造します。 次に,道路の整備についてでございます。地域の基軸路線として,早期完成が望まれている国道6号千代田・石岡バイパスや国道355号石岡・岩間バイパス,広域幹線道路である県道石岡・つくば線,県道飯岡・石岡線,県道石岡・筑西線(林地内)の各バイパス及び,中心市街地の主要道路である県道石岡・城里線等の交通量の増大への対応と利便性・安全性の一層の向上を図るため,今後も国・県道整備の早期完成に向け,事業の促進に努めます。 合併特例債事業計画に基づく道路整備につきましては,県支援制度等を活用した効果的な事業展開を推進し,新年度は測量・調査業務及び一部の用地買収を実施し早期完成を目指します。また,上曽トンネルにつきましても早期完成を強く要望してまいります。 周辺地域からの高速道路へのアクセス利便性向上,地域経済の活性化を図るため常磐自動車道に本線直結型のスマートICを整備し,社会実験の開始を目指します。 市道の整備につきましては,臨時地方道整備事業により幹線市道11路線の整備を行います。また,国補事業は,まちづくり交付金事業による歴史のみち,茨城県に委託する上曽トンネルへの取付け道路改良工事を引き続き行います。 次に,公共交通機関の充実についてでございます。市民の交通手段を確保するため,板敷山前から羽鳥駅間の代替バスの運行を確保するとともに,市内全域で乗合いタクシーを運行いたします。乗合いタクシーは,本格運行を開始して2年目となりますので,利用の促進と定着に努めてまいります。 また,鹿島鉄道の廃線以降,代替バスが運行されておりますが,その定時性と速達性を確保するため,鹿島鉄道軌道敷きのバス専用道化について検討してまいります。 さらに,石岡駅の東側の鹿島鉄道跡地を含めた駅周辺の整備基本構想を策定いたします。 次に,上下水道の整備でございます。安全で安心な水の供給は市民生活や産業活動にとって欠かすことができません。水源の確保に万全を期すとともに,老朽化した水道施設の更新を進めるほか,水道事業経営の健全化のため料金格差の縮小について検討を進めてまいります。 新年度から,石岡地区の湖北水道給水区域内における下水道及び農業集落排水事業の使用料徴収業務につきましては,湖北水道企業団と連携した民間委託を行い,上下水道の使用料を一体的に徴収することにより徴収率の向上に努めます。 公共下水道の整備状況は,石岡・八郷地区を合わせた人口での普及率は50.16%となっています。新年度は両地区での管路整備を進めるとともに,昨年度に実施した中継ポンプ場改修・診断事業の結果に基づいて,計画的な改修を実施してまいります。また,供用区域の拡大と水洗化普及率の向上及び使用料の徴収率の向上に努めてまいります。 山王川雨水幹線につきましては,引き続き計画的な整備を進め,浸水の防止を図ってまいります。 農業集落排水の整備につきましては,新年度で整備が完了する石岡西部地区の受益地を供用開始することにより水洗化普及率の向上を図ってまいります。恋瀬地区につきましても管路整備を進め早期供用開始を目指します。また,供用開始地区における処理施設の適正な維持管理に努めるとともに,使用料の徴収率の向上を図ります。 次に,公園・緑地の整備でございます。本市の多様で豊かな水と緑を保全するとともに,市民や来訪者が身近にふれあい安らげる公園の整備を進めるため,上池公園を整備するための実施設計に入ります。 次に,住宅の整備でございます。住宅対策につきましては,現在石岡地区で590戸,八郷地区で25戸の市営住宅を保有しており,これらの適切な維持管理に努めるとともに,使用料の徴収率の向上に努めてまいります。また,消防法及び火災予防条例の改正に伴う火災報知器の設置を引き続き実施してまいります。 なお,一般民間住宅におきましては,昭和56年以前の旧耐震基準によって建築された木造住宅の耐震診断を行う木造住宅耐震診断士の派遣を新年度も実施してまいります。さらに,適切な建築確認に必要な指定道路図の作成を進めてまいります。 地域情報化の推進につきましては,情報通信格差の是正を図るため,通信事業者への要請や関係機関との協議を進め,地域情報通信基盤の整備を促進してまいります。 また,市ホームページやメールマガジンによる市民に役立つ情報の発信やインターネット等を利用した施設予約及び電子申請・届出等,情報通信技術を最大限活用した住民利便性の高い行政情報サービスを提供するとともに各部署で整備している地図情報に関し,更新時の重複投資の解消及び有効利用のための検討を行なった上で統合型地理情報整備事業を進め,市民サービスの向上と経費の削減に努めてまいります。 2.産業の輝くまちへ(産業の振興) 本市のバランスの取れた産業構造を活かしながら,地域の産業と経済の均衡ある成長を実現するため,時代の変化に的確に対応した魅力ある農林業の確立と,商工業や観光の振興などを図り,産業の輝くまちを目指します。 初めに,農林業の振興についてでございます。畑地帯総合整備事業につきましては,畑作経営の改善・安定を図り収益性の高い営農を目指すため,引き続き三村・東成井の2地区で実施してまいります。生産物の適時出荷を可能とする農道の整備と,畑地かんがい排水等の水利条件を整える農業生産基盤整備を実施いたします。 畜産事業に関しても,家畜に対する各種防疫等の補助及び乳用牛預託育成事業により優良牛育成による品質向上・安定供給を図ります。 本市の水田農業におきましては,石岡市域の水田農業ビジョンの中で,産地づくり推進事業により集落生産調整促進,地域奨励作物促進,ブロックローテーション促進事業等への助成を行うことにより,生産調整の推進を図ってまいります。 また,農業協同組合との連携を図りながら,農業経営の規模の拡大や農作業の受託組織の育成を進め,農地の集積等を図るとともに,認定農業者及び担い手の育成に努めます。さらに,農協の専門部会等の営農活動を強化するための助成を行い,新鮮で安全・安心な農産物の供給を確立いたします。 さらに,生産物の安定供給等を目的とした基盤整備促進事業による農道整備,県施工による農道整備(八郷中央線)事業,田園空間整備事業等におきましても,事業の早期完成に努めます。 次に林業振興でございます。森林が有する公益的機能の回復かつ健全な発展は,林業従事者のみならず,国民の健全な生活を営む上でも重要な役割を担っていることから,間伐推進員の配置や作業効率を高めるための作業路網の整備と間伐作業等の実施を支援してまいります。具体的には,森林整備地域活動支援や森林育成及び保全管理に必要な林道開設事業等を実施し,森林の適正な整備を推進するとともに,地元住民や来訪者にとって癒しの場となるよう,その有効利用を推進します。さらに,森林整備担い手対策についても支援を行ってまいります。 また,旧朝日小学校を利用した体験型の観光事業を進め,体験農業や観光農業,グリーンツーリズムなどを通して,都市と農村の交流を促進し,観光と連携した魅力ある農林業を目指します。 次に,商業・サービス業の振興についてでございます。新年度は,引き続き旧来の中心市街地活性化プランを見直しまして,新・中心市街地活性化基本計画を策定し,その着実な実行により中心市街地の魅力を高め,あわせて商業の活性化等を進めてまいります。 また,魅力ある商業環境を築くため,商工会議所・商工会等との連携を強めるとともに,それぞれの役割分担の下,施策を展開してまいります。 各商店会の行う商店街共同施設設置事業や商店街共同事業,商工祭,産業祭,柿岡城まつりなどへの助成を引き続き行い,商店街の振興に努めてまいります。 厳しい経営環境にある中小企業に対しましては,健全な経営の確保と育成を図るため,自治金融などの融資制度を活用し,事業に必要な資金を借入れできるよう,保証料の補給を引き続き行うとともに,中小企業相談所運営への助成を行ってまいります。 工業の振興につきましては,柏原工業団地の充実や企業立地の誘導により,魅力ある就業の場が確保されたまちを目指すため,企業の立地を促進するために必要な優遇措置を引き続き行い,企業誘致促進を図ります。 次に,観光産業の振興でございます。豊かで多様な自然と歴史資源を有する本市にとって,自然と歴史を融合させた観光都市づくりは大変重要な課題です。素晴らしい環境に立地する既存の観光施設を有効に活用し,市観光協会等の各団体と共に観光事業の振興に努め,誘客を図ってまいります。 また観光施設といたしましては,指定管理者制度導入から3年目に入ります常陸風土記の丘,茨城県フラワーパーク,国民宿舎「つくばね」,やさと温泉「ゆりの郷」などの施設の適切な管理指導に努めてまいります。さらに,「石岡のおまつり」をはじめとする各種イベントについては,市民と来訪者が一体となった,より楽しく充実した観光資源となるよう支援してまいります。 3 「安全で安心して暮らせるまちへ」(安全な地域づくり) 市民が安全で安心して暮らせることは,まちが備えるべき基本的な要件ですが,近年,様々な悪質・凶悪な事件や悲惨な事故などが目立ち,日常における安全への備えがますます求められております。また,台風や集中豪雨による水害などの自然災害に対する備えも重要性が増しており,地域ぐるみの防犯・防災の充実,消防・救急体制の高度化に対応し,「安全で安心して暮らせるまち」を目指します。 防犯につきましては,関係機関との連携のもとに犯罪の未然防止に努めます。さらに市民との協働による自主防犯活動である「エンゼルパトロール」制度などを引き続き推進するとともに,街路灯の設置,防犯灯の設置助成に努めてまいります。 交通安全につきましては,交通事故のない安全なまちを目指し,啓発運動などを実施するとともに,交通安全施設の整備を行います。また,民間交通指導員などと連携し,立哨指導による交通事故の防止に努めてまいります。 消防・救急体制につきましては,初期消火の重要性を踏まえたうえで常備消防及び消防団活動の充実を図るとともに,防火水槽や消火栓などの消防水利施設を地域バランスに配慮しながら計画的に整備してまいります。 また,突然の心停止への対応として自動体外式除細動器(AED)を平成18年度からの3カ年計画で市内施設20ヵ所に設置するとともに,小中学校にも計画的に設置し,救命率の向上を図ってまいります。 次に防災対策でございますが,市民の防災意識の向上と災害発生時に必要な行動に対する理解を促進するため,有事の際の国民保護に係る訓練内容を盛り込みながら,地域単位の防災訓練を実施します。 次に,消費生活の安全確保でございます。近年,悪質で巧みな勧誘や詐欺事件が多発し社会問題となる中,安心して消費生活を送っていただくためには,正しい知識の理解と適切な判断が求められます。「消費生活センター」は各種情報の提供や相談窓口であり,関係機関と連携しながらその機能の充実を図ってまいります。 4 「笑顔と元気のあるまちへ」(保健・医療・福祉の充実) 生涯にわたり健康で生き生きと暮らせることは,私たち誰もが願うところでございます。近年は,心身ともに自立して健康に生きられる「健康寿命」が注目される中,生活習慣病の予防やその早期発見・早期治療がますます大切になっております。市民一人ひとりの健康づくりへの自覚と実践を促すとともに,地域が一体となった取り組みを進め,保健・医療・福祉の連携した笑顔と元気のあるまちづくりを目指します。 健康づくりといたしましては,各種検診の受診率向上を目指すとともに,保健師などの専門家を確保し,市民の健康づくりを積極的に支援してまいります。特に,特定健診の受診率を高めメタボリックシンドロームに該当する方やその予備群の方々に対し,生活習慣の改善を促す特定保健指導を行い,医療費の抑制を図ってまいります。なお,40歳から69歳までで国民健康保険に加入されている方を対象とした特定健診を集団健診で受ける際の自己負担額を軽減してまいります。さらに,国が策定した麻しん(はしか)排除計画に基づき,13歳及び18歳の方への定期予防接種を実施してまいります。 次に,地域医療の充実につきましては,市民のニーズに応えるため緊急診療所の運営や病院群輪番制などを実施してまいります。 地域福祉の充実につきましては,助け合い,支え合う地域社会づくりが求められております。ボランティア等の育成・支援を行うとともに地域住民等の連携により高齢者・障害者を見守り支援する地域ケアシステムを引き続き推進してまいります。 次に,高齢者福祉でございますが,平成21年度から23年度までの石岡市老人福祉計画・第4期介護保険事業計画を策定してまいります。また,介護保険制度について適切な運用を図るとともに「できる限り介護状態にならないように」する介護予防にも重点を置いてまいります。比較的軽度な要支援の方には「地域包括支援センター」が相談窓口になってサービス利用計画(ケアプラン)の作成を行い適切に実施してまいります。また,介護保険に該当しない方には介護予防の見地から各種講習会の開催,情報の提供等を行う地域支援事業のサービスを提供してまいります。 次に,児童福祉でございますが,子どもは次代の社会の担い手であり,それゆえに子育てしやすい環境づくりが重要でございます。また,近年少子化が社会問題となっており,社会の様々な面でその深刻さを増しています。この少子化の傾向を改善していくためには,経済的負担の軽減やきめ細かな育児支援施策など,子どもを産み育てやすい環境の整備が求められております。これらを踏まえまして,新年度も引き続き当市独自の取り組みを加え,少子化対策を実行してまいります。 具体的には,不妊治療に対する助成として,1年度当たり5万円を助成いたします。また,妊婦健診の無料健診の回数を5回とし,第3子以降の保育料の減免措置を行うとともに,幼稚園については,公立の保育料の5,000円を限度に支援してまいります。さらに,マル福医療制度の拡大を行い,中学校卒業までの入院にかかる医療費の自己負担を助成してまいります。また,病後児保育に関しましては,従来の自園型に加え,オープン型の設置を支援してまいります。また,障害児保育を実施する民間認可保育所に対して,障害児の受け入れの増進を図るため,引き続き支援してまいります。 さらに,八郷地区で民間保育所施設の整備を支援するとともに,統合保育所建設への準備作業を進めてまいります。 放課後の児童対策としては,放課後児童クラブ及び放課後子どもプランの取り組みを進めてまいります。 障害者福祉につきましては,「障害者自立支援法」の枠組みにより,引き続き,相談支援・コミュニケーション支援・移動支援・日常生活用具給付事業等の「地域生活支援事業」を実施してまいります。 次に,母子・父子福祉でございます。母子・父子家庭の生活安定と自立を図るため,関係機関との連携を強化しながら,相談や支援を行ってまいります。 低所得者福祉につきましては,生活支援の必要な市民が健康で文化的な生活水準を維持できるよう支援し,自立に向けた相談や助言を行ってまいります。 次に,社会保障制度の運営といたしまして,国民健康保険につきましては,引き続き人間ドック等の健診補助を実施するとともに,国保税の収納率向上を図り,国民健康保険財政の健全化に努めてまいります。 また,本年4月から,高齢者世代と現役世代が公平に費用を負担し,社会全体で支えあう仕組みを強化するため「老人保健制度」が廃止され,「後期高齢者医療制度」が始まります。新制度に則し,適切に運用してまいります。 5.人を育むまちへ(教育・文化の充実) 本市は数多くの歴史・文化遺産を有しています。これらを守り伝えることにより,地域への愛着が深まります。そのため,その基礎となる各施策を次のとおり進めてまいります。 まず,学校施設の整備・充実でございます。学校は,子どもたちにとって1日の大半をすごす学習・生活の場であるため,快適で,防犯性と衛生環境を兼ね備え,安全性が保たれた場とするため,東小学校の改築に着手いたします。また,耐震化優先度調査の調査結果等を踏まえ,優先順位の高いものから順次耐震診断を行ってまいります。 次に,特色ある学校教育の推進でございます。小学校に在籍する障害のある児童に対する学習活動の支援を図るほか,不登校児童・生徒の未然防止や学校復帰を図るために,適応指導教室を設置し,派遣指導主事の配置や学校適応指導員の配置など,児童・生徒一人ひとりの個性や能力に応じたきめ細かな指導や体験的・問題解決的な活動の充実を図ってまいります。 次に,地域に開かれた学校づくりでございます。学校評議員活動の充実を図るとともに,地域と連携し,地域の意向を学校運営に取り入れ,信頼される学校づくりを引き続き目指してまいります。 次に,生涯学習・生涯スポーツの推進でございます。市民が楽しく学びあい,学んだことが地域に還元される学習システムが整うことにより,生きがいや自己実現を実感することができるまちを目指します。本市では,毎年,各種スポーツ大会を開催しておりますが,引き続き本格的な競技や記録会等を行うために,石岡市運動公園陸上競技場を日本陸上競技連盟の第三種公認競技場として継続できるよう更新を図ります。 次に,文化・芸術の振興でございます。本年は国民文化祭が茨城県で開催されます。この大会は各種文化活動を全国規模で競演するもので,当市では民俗芸能の祭典等を開催することとなっております。この大会を通して,市民の文化活動への参加機運を高めてまいりたいと考えております。 次に,歴史・文化財の保護・活用でございます。平成13年から続けてきました常陸国衙跡発掘調査が終わりを迎えましたので,その集大成である報告書を刊行し,遺跡の国指定を受けるための準備を進めてまいります。 また,指定文化財の保護・保存及び史跡や施設の維持管理を行なうとともに,数多くの文化財を後世に伝えていくため,文化財の保護・保存・活用について基本方針となる石岡市文化財マスタープランを策定いたします。さらに,市民が歴史に親しみと関心を持ち,文化財への理解を深められるよう各種事業を実施してまいります。 次に,国際交流の推進でございます。市内に居住・来訪する外国人に対し必要な情報を提供するため,行政サービスや各種施設案内等の情報をまとめた外国語版くらしのガイドの作成に取組んでまいります。 次に,青少年の健全育成でございます。健全な青少年を育成するため,相談員体制の充実を図り,街頭指導を行なうなど,学校や地域などとの連携を強化し,コミュニティ組織やボランティア団体などを中心とした市民活動を支援してまいります。 6.自然と調和するまちへ(環境共生・循環型社会の構築) 私達の一人ひとりが石岡市の市民であるとともに地球市民でもあります。限られた資源を守り持続性のある環境との共生を実現することは,次世代に良好な地球環境を伝えるために不可欠でございます。特に本市は,豊かで多様な自然環境を有しており,その保全は大きな責務でございます。そのため,「自然と調和するまち」を目指し,以下の施策を展開してまいります。 まず,自然環境の保全・共生でございます。行政・事業者・市民が一体となって自然環境の積極的な保全に努めるため,環境測定の実施や,地域住民と連携した不法投棄対策の充実,また環境に対する市民理解の促進に努めてまいります。 次に,住環境・都市景観等の整備でございます。美しい自然環境や多くの歴史資産を活かし,市民・企業・行政が互いに協力し,個性的で美しい都市景観を形成するため,都市計画マスタープランと合わせ,都市景観のあり方や目指す方向性を示す景観基本計画を策定してまいります。 次に,廃棄物対策・循環型社会の構築でございます。ごみの減量化・再利用・再資源化を推進するため,一般家庭ごみの適正な分別収集の普及啓発やPR活動を実施するほか,持続可能な循環型社会の構築を図るため,生ごみ処理減量化補助や資源ごみ回収補助事業に,引き続き取組んでまいります。 次に,省エネルギー・新エネルギーの推進でございますが,限りある資源を守るため,環境負荷の軽減に努めるよう市民・企業等へ意識の啓発を図ってまいります。 7.協働で歩むまちへ(市民と行政との協働) 地域が自らの知恵と力で生き抜かなければならない時代になっております。地方分権を支える地域の自立にとって,市民と行政との協働が不可欠でございます。そのため,以下の施策を展開してまいります。 まず,市民と行政との協働でございます。公募委員の拡充や会議の公開,意見公募(パブリックコメント)制度の活用など,市民が主体となりまちづくりに参画・活動できる環境が整ったまちを目指し,市民と行政が協働に対する理解を深め実践することにより,ともに地域への愛着と将来への責任が認識できるまちを目指します。 具体的には,市民との協働まちづくり条例の制定を目指し調査研究を進めるとともに,市民のまちづくり活動の実践を促進するための地域コーディネーター育成事業に着手いたします。 次に,コミュニティの充実でございます。地域が主体のまちづくりを進めるため,地域自治の中心を担う区・自治会との協働体制を充実させ,コミュニティを推進します。また石岡地区の「盆踊り」や八郷地区の「ふれあいまつり」を引き続き実施し,コミュニティの充実を図ってまいります。 次に,男女共同参画社会の実現でございます。男女共同参画セミナーの開催,女性の困りごと相談の実施など,男女共同参画社会の実現に向けての様々な活動を行うことにより,平成19年度に策定いたしました男女共同参画基本計画の着実な推進を図ってまいります。 次に,ボランティア・NPOへの支援でございます。多様な市民団体の活動のための環境を整え,主体的なまちづくりへの参加が図られるまちを目指します。 8.効率的な行財政運営を目指して(行財政改革の推進) いつの時代にも,歳入に見合った歳出を行うことの重要性に変わりはありません。また,激しい時代の変化に即応しつつ効果的な行政の経営を進めることは,喫緊の課題でございます。その基礎となる「行財政改革の推進」を確固とした決意に基づき,以下のとおり進めてまいります。 まず,情報公開と対話の推進でございます。広報紙等の発行や市民との対話を引き続き推進していくことにより,市政への参加を促進するための情報を提供し,市民主体のまちづくりを推進してまいります。 次に,持続可能な財政運営の確立でございます。依然として厳しい財政状況が続いておりますので,行政運営の簡素化・効率化に向け必要な組織・制度・運営方法などの改革を行ってまいります。さらに予算編成には枠配分方式を採用することによって,より主体的な施策・事業の再構築を図りながら,経費の節減合理化を推進してまいります。さらに,自主財源の確保と市民負担の公平性の観点から,市税等の収納率の向上,滞納解消が必要となります。石岡市税等徴収特別対策本部を中心に,コンビニ収納の導入や差押等の滞納処分の強化を行い,収納率の向上に努めます。 次に,効率的・効果的な行政経営の推進でございます。これからは行政を自治体が経営するという視点に立ち,市民の満足度の向上を目指した新しい行政運営への転換を図ることが必要になってまいります。そこで,行政活動の全般にわたる評価,すなわち行政評価を定着させるとともに,行政経営システムを導入してまいります。時宜にかなった柔軟な施策展開と主体的な財源配分による選択と集中により,最小の予算により最大の効果を得られるよう行政経営に努めてまいります。 また,指定管理者制度に関しましては,平成21年4月からの管理者の指定替えについて準備を進めてまいります。 次に,人材育成の強化でございます。職員の人材育成は,策定した「石岡市職員人材育成基本方針」に基づき,職場環境や能力開発・人事管理といった側面から,効果的な研修体制の整備や人材育成システムの構築等の具体的な方策を定め,自己決定・自己責任が求められる地方分権を目指す,社会に適応した高い意欲を持つ職員の育成に努めてまいります。 次に,庁舎サービス機能の充実でございます。現在,試行的に窓口サービスの延長を実施しておりますが,より一層市民に分かり易く利便性が向上するよう,総合窓口を設置してまいります。 次に,地域連携の推進でございます。市民の生活行動圏の拡大により,高度・多様化する行政需要への広域的な対応が求められているなか,より効果的かつ効率的な行政経営が求められております。ごみ,し尿,上水道,火葬場などの生活関連分野では,事務の共同処理などによる効率化が必要であることから,関係市との連携を図り施設の充実に努めてまいります。 おわりに 以上,私の平成20年度に臨む基本的姿勢と施政方針の所信と主要施策の概要でございます。冒頭申し上げましたとおり,厳しい財政状況が続くなかではありますが,「公平・公正・清潔な政治」と「市民の皆様の視点に立った市政運営」を基本に据え,本市の目指すべき将来像「風と時が輝く“和”のまち いしおか」の実現に向けて,全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。議員各位をはじめ,市民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げ,平成20年度の市政運営に当たりましての所信表明といたします。 〔予算説明〕 議案第6号 平成20年度石岡市一般会計予算について,ご説明を申し上げます。 一般会計予算は,263億6,000万円とし,前年度より15億6,000万円の増,6.3%増といたしました。 その歳入は,一般財源として
を計上し,さらに事務事業に伴う特定財源として,74億676万2千円を計上いたしました。 その内訳は,
でございます。 次に,歳出の内訳を申し上げますと,
でございます。 なお,債務負担行為については,路線バス廃止に伴う代替運行に対する運行補助金,住民情報系機器借上料,パソコン借上料,LGWAN接続機器借上料,プリンタ借上料,つくばねオートキャンプ場指定管理者指定管理料,小中学校校務用パソコン借上料,八郷学校給食センター給食配送業務委託料,地方債については,建設事業等18件の資金に係わるものでございます。一時借入金については,現在の諸情勢・予算規模等を十分検討し,借入の最高額を10億円といたしました。 次に,議案第7号ないし議案第19号,特別会計予算についてご説明申し上げます。 内訳は,
でございます。 なお,地方債については,流域関連公共下水道事業,公共下水道事業,流域下水道事業,下水道事業借換債,農業集落排水事業,農業集落排水事業借換債,上水道事業借換債における建設事業等の資金に係わるものでございます。 一時借入金については,
といたしました。 以上が予算の説明でございますが,詳細につきましては,お手元の事項別明細書によりご審議のうえ,適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。 |