平成20年第4回定例会では,次の意見書を可決し,関係行政機関などへ送付することとしました。
教育予算の拡充を求める意見書
子どもたちに豊かな教育を保障することは,社会の基盤作りにとってきわめて重要なことである。
現在,多くの都道府県で,児童生徒の実態に応じ,きめ細かな対応ができるようにするために,少人数教育が実施され,保護者や子どもたちから大変有益であるとされている。
しかし,厳しい地方財政の状況や地方交付税削減の影響などから,自治体独自の少人数教育を推進することや学校施設整備などには限界がある。
教育は未来への先行投資であり,子どもたちがどこに生まれ育ったとしても,ひとしく良質な教育が受けられるようにする必要がある。
よって,政府においては,教育予算を国全体として,しっかりと確保・充実させるため,次の事項を実現されるよう,強く要望する。
1.きめ細かい教育の実現のために,第8次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画を策定すること。
2.義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
3.学校施設整備費,就学援助・奨学金など教育予算の充実のため,地方交付税を含む国の予算を拡充すること。
4.教職員の人材確保のため,教職員給与の財源を確保・充実すること。
送付先 内閣総理大臣・総務大臣・財務大臣・文部科学大臣・衆議院議長・参議院議長
|
ミニマムアクセス米の輸入停止を求める意見書
国民を震撼させた汚染米不正転用事件の根本原因は,要りもしないミニマムアクセス米(MA米)を義務と称して無理やり全量輸入し続けたことにあります。MA米はWTO協定上,輸入機会を提供すべき数量に過ぎず,全量輸入を義務づける条文がないことは,1999年11月の国会審議で政府がすでに認めているとおりです。
政府は汚染米事件を受けて停止していたMA米輸入を7日に再開しましたが,落札はゼロでした。これは,汚染米があれば輸入商社の負担で積戻し又は処分をするなどの当然の措置によって売渡し価格が高くなったためであり,MA米輸入と安全・安心の確保が両立しないことを示しています。
2004年の国連人権委員会では,「各国政府に対し,食糧に対する権利を尊重し,保護し,履行するよう勧告する。世界貿易システムのアンバランスと不公平に対し,緊急の対処が必要である。今や『食糧主権』のビジョンが提起しているような,代替モデルを検討すべきときである。」とする勧告が日本を含む圧倒的多数の賛成で採択されています。
今年,WTO交渉が5度目の決裂を見たように,世界の流れは「農産物の輸入自由化」から「食糧主権の確立」へと大きく舵をきりつつあります。
年間77万トンというMA米の数量は,北海道や新潟県の生産量を上回り,日本最大の「産地」になっています。4割に及ぶ生産調整をペナルティーまでかけて強要する政策をとりながら外米を輸入することは,世界の飢餓に拍車をかけることでもあり,到底許されることではありません。
よって,次の事項の実現を求めます。
1.ミニマムアクセス米の輸入を停止すること
送付先 内閣総理大臣・総務大臣・衆議院議長・参議院議長
|
燃料,肥料,飼料,農業資材等の価格高騰に対する緊急対策を求める意見書
燃料,肥料,飼料,ビニール類,ダンボールなどあらゆる農業資材の価格が短期間に高騰し,農家経営に重大な打撃をもたらしています。しかも,こうした生産コストの上昇分は農家の出荷価格に反映されないため,農家にストレートにのしかかる状況になっており,農業経営は危機に瀕しています。
需給の逼迫と投機によって国際的な穀物価格が高騰し,安定的な輸入が危ぶまれているもとで,国内産の増産による食料自給率の向上が待ったなしとなっているいま,このような事態を放置するなら,農業生産と国民生活に重大な影響をもたらすことは明らかであり,政府としての万全な対策が急務となっています。
今回,国の補正予算で決められた肥料,燃油の高騰対策は,省エネ対策をした農家に限られるため多額の投資が必要であることなど,本当に困っている多くの農家にとって使えない内容になっています。すべての農家が使える対策こそ急がれています。
よって,次の事項の実現を求めます。
1.政府において,石油,肥料,飼料,農業資材の高騰に対して,全ての農家が使えるような,補償を含む対策を実施すること。
2.原油や穀物への投機を規制すること。
送付先 内閣総理大臣・総務大臣・衆議院議長・参議院議長
|
地方議会議員年金制度に関する意見書
地方議会議員の年金制度については,地方議会議員互助年金法に基づき昭和36年に任意の互助年金制度として発足し,翌37年に地方公務員共済組合法により強制加入とされ,その後,数次の改正を経て現在に至っている。この間,退職議員やその遺族に対し,年金や一時金が支給され,その生活の安定に大きな役割を果たしている。
昨年の4月には,掛金の引き上げ,年金給付の引き下げなどの法改正がなされたところであるが,市議会議員共済会においては平成19年度決算においても200億円を超す単年度赤字となり,今後も継続的な損失金が見込まれ,積立金が減少していく非常に厳しい財政状況となっている。
その最大の要因は,国策によって進められた平成の市町村合併の影響を議員年金財政が受けたことにある。市町村合併特例法では,このような市町村合併の推進に伴う影響について「議員共済会の運営状況を勘案し,その健全な運営を図るため必要な措置を講ずるものとする」とされ,同法に基づく特例措置も図られたところではあるが,法改正後の収支の状況を見ると,合併の影響に対する措置は不十分である。
現行の掛金率や市町村の負担率は既に高水準にあることや,市町村合併以降に年金受給者が急増し,「市議会議員1人が3人の受給者を支える」構造になっていることなどを踏まえると,市町村合併の影響額に見合う特例措置などの国の支援なくしては議員年金制度の維持は大変困難な状況にあるといわざるを得ない。
よって,国においては,早急な抜本的見直しの必要に迫られている地方議会議員年金制度に対し,上記の事情を勘案の上,特段の措置を講じることを強く要望する。
送付先 内閣総理大臣・総務大臣・衆議院議長・参議院議長 |
戻る 議会トップページへ
|