平成21年第1回定例会では,次の意見書を可決し,関係行政機関などへ送付することとしました。
定額給付金及び子育て応援特別手当等第2次補正予算等関連法案の速やかな成立を求める意見書
麻生総理のリーダーシップにより生活対策として組まれた平成20年度第2次補正予算が1月27日に成立した。ついては,市町村の現場における迅速な事業推進のために,予算関連法案の一日も早い成立が望まれている。
第2次補正予算の成立を受けて通知された要綱等に基づき,定額給付金及び子育て応援特別手当について,予算関連法案の成立後ただちに事業実施できるよう,市区町村の現場においては補正予算案の策定や支給事務の準備作業を行っているところである。両事業とも平成20年度の補正予算で対応する事業であることから,年度内の実施を目指して住民広報等も積極的に行っているところである。
何よりも,両事業はともに,景気後退下での国民の不安に対処するものとして,現下の厳しい経済状況の中で国民の収入減を補い,生活支援や子育て支援を行うために実施するものであり,併せて消費拡大,内需拡大のためにも一日も早い支給が求められているところである。
さらに,国の第2次補正予算の中には,定額給付金だけでなく生活対策として,3%の介護報酬引き上げに伴うお年寄りの保険料の引き上げを抑えるための臨時特例交付金や医療対策,中小・小規模企業の資金繰り対策,高速道路料金の引き下げ費用,地域活性化・生活対策臨時交付金,緊急雇用創出事業などが盛り込まれており,市町村が現在取り組んでいる事業にぜひとも必要な予算である。
ついては,国会における補正予算関連法案の成立を早期に期していただくよう強く要請するものである。
送付先 衆議院議長・参議院議長
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現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書
急激な少子化の進行のもとで,次世代育成支援に対する国と自治体の責任はこれまでにも増して大きくなっており,なかでも保育・学童保育・子育て支援施策の整備・施策の拡充に対する国民の期待が高まっている。「保育・学童保育・子育て支援施策の拡充と予算の大幅増額を求める請願」が,2006年以来,毎年,衆参両院において全会派一致で採択されていることは,こうした国民の声の反映に他ならない。
しかし,この間,経済財政諮問会議,地方分権改革推進委員会や規制改革会議などで行われている保育制度改革論議は,直接契約,直接補助方式の導入や最低基準の廃止・引き下げなど,保育の責任を後退させる市場原理に基づく改革論であり,国会で採択された請願内容と逆行するものである。こうした改革がすすめば,子どもの福祉よりも経済効率が優先され,過度の競争が強まらざるを得ず,保育の地域格差が広がるだけでなく,家庭の経済状況により子どもが受ける保育のレベルにも格差が生じることになる。
すべての子どもたちの健やかな育ちを保障するためには,これまでに国会で採択された請願の趣旨及び請願項目を早急に具体化し,国・自治体の責任で保育・学童保育,子育て支援施策を大幅に拡充することである。
よって,本議会は関係機関において,下記項目の具体化をはかられるよう,強く要請する。
記
1.児童福祉法第24条に基づく現行保育制度を堅持・拡充し,直接契約・直接補助方式を導入しないこと。
2.保育所最低基準は堅持し,抜本的に改善すること。
3.待機児解消のための特別な予算措置を行うこと。
4.保育所,幼稚園,学童保育,子育て支援施策関連予算を大幅に増額すること。
5.子育てに関わる保護者負担を軽減し,雇用の安定や労働時間の短縮など,仕事と子育ての両立のための環境整備を進めること。
送付先 内閣総理大臣・文部科学大臣・財務大臣・厚生労働大臣・少子化対策担当大臣
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「協同労働の協同組合法(仮称)」の速やかな制定を求める意見書
現在の日本社会は,年金・医療・福祉などの基本的な社会制度は疲弊し,グローバル化による国際競争などで,労働環境にも大きな変化の波が押し寄せ,「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」「偽装請負(派遣)」などに象徴されるような,「働いても充分な生活が維持できない」,「働きたくても働く場所がない」など困難を抱える人々が増大するなど,新たな貧困と労働の商品化が広がり,社会不安が深刻さを増しています。
このような中,「地域の問題は,みずから地域で解決しよう」とNPOや,ボランティア団体,協同組合,自治会など様々な非営利団体が,住みやすい地域社会の実現を目指し活動しています。これらのひとつである「協同労働の協同組合」は,「働くこと」を通じて,「人と人のつながりを取り戻し,コミュニティの再生をめざす」活動を続けています。
この,「協同労働の協同組合」は,働くものが出資しあい,全員参加の経営で,仕事を行う組織でありますが,国内ではワーカーズコープ,ワーカーズコレクティブ,農村女性ワーカーズ,障害者団体など「協同労働」」という新しい働き方を求めている団体や人々を含めると10万人以上存在すると言われています。
しかし,根拠法がないなど,まだまだ社会的理解が低く,これらの活動をさらに活発にしていくためには,法制度を引き続き整備していく必要があります。
世界の主要国では,働く仲間同士が協同し,主体性を高め合い,力を発揮し合う新しい働き方=労働者協同組合(ワーカーズコープ,ワーカーズコレクティブ)についての法制度が整備されています。
日本でも「協同労働の協同組合」の法制度を求める取り組みが広がり,10,000を超える団体がこの法制度化に賛同しています。また,国会では100名を超える超党派の議員連盟が立ち上がるなど法制化の検討が始まりました。
だれもが「希望と誇りを持って働く」,仕事を通じて「安心と豊かさを実感できるコミュニティをつくる」,「人とのつながりや社会とのつながりを感じる」,こうした働き方と,これに基づく協同労働の協同組合は,市民事業による市民主体のまちづくりを創造するものであり,働くこと・生きることに困難を抱える人々自身が,社会連帯の中で仕事をおこし,社会に参加する道を開くものです。
上記理由により,国においても,社会の実情を踏まえ,就労の創出,地域の再生,少子・高齢社会に対応する有力な制度として,「協同労働の協同組合法」の速やかなる制定を求めるものです。
送付先 衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・厚生労働大臣・総務大臣・経済産業大臣
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