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議会中継
  


平成22年第4回定例会では,次の意見書を可決し,関係行政機関などへ送付することとしました。


 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の加入に反対する意見書


 菅首相は,臨時国会の冒頭,所信表明演説で「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を検討し,アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指す」と表明しました。そして11月9日に「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定し,11月13日,14日に横浜市で開催されたAPEC首脳会議において日本が議長国を努めたことを機に,去る6月に閣議決定した「新成長戦略」で提唱したEPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)自由化路線を一気に加速させようとしています。
 TPPは,原則として加盟国間で取引される全ての品目の関税を撤廃し,貿易自由化を目指す協定です。わが国がこれに参加した場合,農林水産省の試算では,食料自給率が40%から14%に急落し,米の生産量が90%減となり,砂糖,小麦はほぼ壊滅するとされています。また北海道の地域経済についても影響額は2兆1,250億円に及び,3万3,000戸の農家が減少すると道庁により試算されています。
 このように,日本における米や乳製品,牛肉,砂糖,小麦などの重要品目が例外なしに関税撤廃となれば,日本農業と地域経済に与える影響は極めて甚大です。国民の圧倒的多数が願っている食料自給率の向上とTPP交渉への参加は,両立し得ないものであります。
 国際貿易交渉については,「新たな食料・農業・農村基本計画」(平成22年3月閣議決定)に示した食の安全・安定供給,食料自給率の向上,国内農業の振興などを損なうことは行わないという基本方針を堅持するべきであります。
 よって,石岡市議会は,農業及び多業種に関する全ての国民の理解を得られないTPP交渉への参加は断固反対であり,各国の「食糧主権」を尊重した貿易ルールづくりを強く望むものであります。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。



 送付先 内閣総理大臣

 地方経済の活性化策を求める意見書

 地方の経済・雇用は依然として極めて厳しい環境におかれ,地域間格差もますます拡大しています。いま必要なことは何よりも地域で仕事を生み出すことであり,その上での雇用の維持・創出や失業者支援の抜本的強化などを強力に推し進め,地方経済の活性化を図らねばなりません。
 しかし第176回臨時国会で成立した補正予算は,こうした地方の厳しい状況を認識しているとは到底思えず,国民生活を守ろうとの責任感や緊張感がまったく感じられません。自治体が思い切った対策を打てるように国は大胆に支援すべきであります。
 地方では,真に必要な公共事業の推進や農商工連携の拡充,観光振興の拡充など,地域の実情に応じた経済対策が求められています。特に学校や公共施設の老朽化・耐震化対策や橋梁や上下水道など社会資本ストックの改修等は住民生活を守る上でも,今後進めていかねばなりません。
 よって,政府におかれては,以下の項目を含め,地域に即した事業支援による地方経済の活性化策を速やかに実施するよう強く要請します。

 1.「地域活性化交付金」の拡充を含め,自治体に対する予算を大幅に拡充すること。
 2.厳しい雇用状況の中で自治体における雇用創出がより図られるよう「重点分野雇用創造事業」の要件緩和などの拡充策を講じること。
 3.老朽化した学校施設等,社会資本の再生整備を推進するため,財政的支援(老朽施設改造工事費の国庫負担対象の拡充など)を含めた対策を図ること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


 送付先 内閣総理大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,総務大臣

 地方財政の充実を求める意見書

 急速な円高と長引くデフレにより,地域経済の冷え込みが顕著となっている。
わが国経済は地域経済と雇用対策の活性化が急務であり,地方財政の充実は,住民が必要な行政サービスを維持するために必要不可欠である。
 しかしながら,政府は現下の経済危機に際し,十分な対策を打ち出さず,地方経済は一層冷え込む恐れがある。今年度においても地方負担が盛り込まれた子ども手当についても,来年度予算編成の概算要求で金額を示さず要求する「事項要求」となるなど,来年度予算編成にあたっては,さらなる地方負担の増大が懸念される。
 よって,政府及び国会は以下の項目を早急に実現し,住民に基本的な行政サービスが提供できるよう,地方財政の充実に努めるよう強く求める。

 1.地方公共団体が地域の実情に応じたきめ細やかな事業の実施や雇用の創出に活用できる交付金を早急に実施すること。
 2.地方一般財源の充実・強化を図るため,地方消費税の充実,地方交付税の法定率の見直し,地方法人課税のあり方の見直しによる地域間税源の偏在是正などに取り組むこと。
 3.補助金制度のあり方については,社会保障,義務教育など住民への基本的な行政サービスを提供する上で,現在ある補助金制度が必要不可欠であることを十分認識し,地方の行政サービスが著しく低下することのないよう,財源を確保すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


 送付先 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,内閣官房長官,内閣府特命担当大臣(国家戦略担当)

 新たな経済対策を求める意見書

 今般の急速な株価下落と円高は地域経済に深刻な打撃を与えている。特に平成21年度第1次補正予算が執行停止され,今年度の公共事業予算も対前年度比マイナス18%となるなど,大幅な予算削減による地域経済の弱体化が顕在化している。
 しかしながら,政府は平成23年度予算について,各府省の予算を一律1割削減する方針を打ち出していることから,公共事業予算が来年度以降も削減されるのではないか,といった懸念がある。
 公共事業に関する国土交通省の来年度予算概算要求は,「元気な日本復活特別枠」を含めて今年度とほぼ同額の予算要求となっているが,この「特別枠」を除けば対前年度比0.88の大幅削減となっている。
 深刻な不況に苦しむ地域経済・雇用を守るためには,これ以上の削減は到底認められるものではない。むしろ深刻な不況から一刻も早く抜け出すため,即効性のある事業を前倒しで行うなど,景気を刺激する政策を速やかに打ち出すべきである。
 よって国会及び政府においては,地域経済の活性化に向けて以下の政策を速やかに実行するよう求める。

 1.デフレ脱却に向けて政府が毅然たる意志を示し,日本銀行との適切かつ強固な協力体制を構築すること。
 2.将来性のある農地集積事業,スクールニューディール,地域医療などの事業に集中的に投資し,企業による雇用や設備投資を促進すること。
 3.来年度予算における公共事業費を拡充し,地域経済・雇用の下支えを行うこと。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


 送付先 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,財務大臣,農林水産大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,内閣官房長官,内閣府特命担当大臣(国家戦略担当)

 米価下落への緊急対策を求める意見書

 米価は既に過去10か月で1俵あたり1,000円以上下落し,1俵あたり1,700円の戸別所得補償を背負った平成22年度産米が市場に流通し始めると,米価がさらに下落する可能性は極めて高い。
 米価下落の原因は,米価下落と財政支出拡大の持続的連鎖が生じる不適切な戸別所得補償モデル事業にある。コメの生産による収益が過剰に期待されることから,農地の貸しはがし,貸し渋りが起こり,加えて農業農村整備事業予算が約3分の1に縮減されたことと相まって,集落営農の促進や農業基盤整備が阻害されている現状はこれ以上看過できない。
 現下の政策をこのまま進めると,いずれ財政的に破綻した戸別所得補償は打切られ,農家は所得の大幅減少,消費者は麦・大豆の減産や安全な国産米生産農家の大幅減少に直面し,日本農業は生産者にとっても消費者にとっても壊滅的な打撃を受けかねない。
 政府は直ちにコメの戸別所得補償を見直し,その財源を麦・大豆などの生産を促進する政策や,農業農村の整備,集落営農の促進,多様な担い手の育成,コメの過剰在庫解消などの政策を強力に推し進めるべきである。
 よって国会及び政府は現下の米価が下落している現状を真摯に受け止め,現在の農政を抜本的に改め,直ちに政策転換を図るべきである。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


 送付先 衆議院議長, 参議院議長, 内閣総理大臣,財務大臣,農林水産大臣,内閣官房長官,内閣府特命担当大臣(国家戦略担当)

 尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書

 9月7日,尖閣諸島沖の日本領海内で中国漁船衝突事件が発生し,那覇地方検察庁は24日,公務執行妨害容疑で逮捕された中国人船長を処分保留のまま釈放した。
 「尖閣諸島は日本固有の領土で領有権の問題は存在しない」というのが政府の見解である。過去の経緯を見ても中国や台湾が領有権について独自の主張を行うようになったのは,1970年以降であり,それ以前はどの国も異議を唱えたことはなかった。
 しかし今回,中国人船長が逮捕されると,閣僚級以上の交流停止や国連総会での日中首脳会談の見送り,そして日本人4人の身柄を拘束するなどの対抗措置をとり,中国人観光客の訪日中止など日本の各種産業にも悪影響が出ている状況にある。
 このような流れの中で,船長を釈放したことは「中国の圧力に屈した」との印象を与え,今後同様の事件に関しては,国内法に基づいて厳正に対処していく姿勢を貫かなければならない。また,このような結果は,国際社会にも誤ったメッセージを与え,現政権与党の国家主権に対する認識に疑問を抱かざるを得ず,極めて遺憾である。
 よって,国会及び政府においては,次の事項を実現し,毅然とした外交姿勢を確立されることを求める。

 1.「尖閣諸島は日本の固有の領土である」との態度を明確に中国及び諸外国に示し,今後同様の事件が起こった際は,国内法に基づき厳正に対処すること。
 2.海上保安庁が撮影した衝突時のビデオの公表を含め,事実関係の解明に努めること。
 3.中国からの謝罪や賠償には応じず,日本が被った損害を請求すること。
 4.尖閣諸島の警備体制を充実・強化すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。


 送付先 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,外務大臣,法務大臣,国土交通大臣,内閣官房長官

 選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書


 女性の社会進出が進み,個人の意志の尊重,男女平等の観点から,国は,結婚後も夫婦が別姓を称することを認める選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案の提出を検討している。
 しかし,夫婦別姓制度が導入されることになれば,夫婦の一体感の希薄化のみならず,親子別姓や場合によっては兄弟別姓をもたらし,家族の絆を弱めることにつながるとともに,子どもに与える影響も計り知れないものがあり,我が国の将来に大きな禍根を残すことになると危惧するものである。
 離婚の増加や児童虐待等,家族の絆が希薄になっており,家庭の重要性が叫ばれる今日においては,むしろ社会の基本単位である家族の一体感を再認識するとともに,家族の絆を強化していくことが必要である。
 また,選択的夫婦別姓制度の導入に対する世論も分かれており,国民的合意には至っていない。
 一方,現在の法制度で職業上の不利益を被る女性については,それを考慮して「同姓を原則とし,旧姓を呼称として届け出れば使用できる。」というように,各分野の運用面での対応等で解決を図ることができる。
 女性の社会的地位の向上や権利の確立のためには,個人の権利を認め,真に社会的な平等が保障される制度や社会的合意,啓発が重要であることは言うまでもないが,選択的夫婦別姓制度の導入は,夫婦が一体であるとする日本の伝統文化そのものや,家族の一体感を損ない,大切な家庭の崩壊を招くおそれさえある。
 よって,政府におかれては,婚姻制度や家族のあり方に重大な影響を及ぼし,社会的混乱を招く恐れのある選択的夫婦別姓制度を導入することのないよう強く要望する。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 送付先 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,法務大臣,内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当),内閣官房長官