令和2年第4回定例会,令和3年第1回定例会及び今期定例会に提出された損害賠償請求に係る額の決定及び和解の追認を求める議案計12件は,市当局が過去数年間にわたって地方自治法(以下「法」という。)第96条第1項第12号及び第13号に基づく議案提出を行わなかったこと,さらには法第180条第1項及び第2項に基づく市長の専決処分さえ行っていないと言う事実を内外に明らかにした。
このことは,法が議会に付与した議決権を無視し,さらに法を遵守すべき行政自らが公然と法に反する事務手続きを行っていたという点で,極めて異例,かつ,重大な問題である。
また,これらに対して当市議会が行った二度にわたる監査請求への報告によれば,一度目の報告に基づいて市当局がとった措置に二度目の報告で問題点が指摘されているほか,保険金支払いに関して講じた新たな措置に対しても問題点が挙げられており,市当局自身による取り組みに限界を感じざるを得ない。
さらに,市が内部調査を終えた後の二度目の報告において,平成27年7月31日における委託業者による物損事故の存在が明らかにされ,今期定例会に新たに議案が上程されたことは,原因究明及び再発防止等に向けた市の姿勢自体,疑わしく思われるところである。
よって当市議会は,前述のように法の趣旨を損なう事務手続きを行ってきた事実を市長以下全職員が自らの問題として重く受け止め,高い遵法意識の下に事務を執行する体制を確立するよう強く求めるとともに,監査結果報告に示された各問題点の改善に対しては,外部有識者の意見を聞くなど広い視野を以て万全な再発防止策を確立するよう求めるものである。
最後に,当市議会の二度にわたる監査請求に対し,真摯に調査され,報告をいただいた監査委員に心からの謝意を表し,以上を決議する。 |